23日、新たに石浦宏明を擁する『Team KYGNUS SUNOCO』の監督として2011年フォーミュラ・ニッポンに“復帰”することになった土屋武士に、参戦に向けての意気込みを聞いた。
ここ数年、フォーミュラ・ニッポンでは解説者としてテレビでも切れ味鋭い指摘をみせてくれていた武士だが、新チームの監督としては大きなプレッシャーも感じている様子。この日の発表会ではいつになく硬い表情で挨拶を行った。
「正直、すごいプレッシャーですね。今まではドライバーとして、いちばん大事なことは“速く走ること”でシンプルだった」と武士。
「チームを優勝に導くことが大事で、その中には沢山の人たちの期待というものがある。それをまとめるのが自分の仕事になると思うと、プレッシャーがかかる、責任が重い仕事だと思います。それが先程のカタさに繋がりましたね(笑)」
今回の監督就任に向けたオファーは、キグナス/スノコからのものだったという武士だが、「昔から恩義のある方たちからのオファーだったし、断る理由は何もないので、『頑張ります』と答えた。でも、受けてから責任の重さをすごく実感していますし、これからもっと感じると思います」とまだまだ環境に慣れない様子。「ただ、実際のレースでは待ってくれないので、思いきり、新人監督らしく勢いと情熱でいきたい。星野(一義)さん、中嶋(悟)さんとたくさんの大先輩がいらっしゃる中にケンカを売りに行きたいと思います(笑)」と力強く意気込みを語った。
ドライバーは、スーパーGTでコンビを組んだ経験もある石浦が務めることになるが、武士は石浦をどう評するのだろうか?
「石浦は、速いのに結果が出ないドライバー(笑)。でも速いから心配はしていませんよ。速くないと勝てない訳ですから。その速さを結果に結びつけるのが今年の僕たちのテーマだと思っているので」と武士。「一緒に組んだこともあるし、スクール時代のことも知っているし、私生活のことも少し(笑)。そういう意味で彼に不安はないですね」
「僕は肝っ玉だけは据わってますし、勢いはありますからね。皆さんに面白いレースだったと思わせるレースをしていきたい。石浦のバックアップを全体でしていって、今年のキグナスのキャッチフレーズである“FORWARD AS ONE”で優勝に向けて一丸となってやっていきたいと思います」と初の監督就任に向けて意気込みを語ってくれた。
ちなみに、武士は今回の発表会で“困ったこと”があったと言う。「“土屋監督”というと、どうしても親父(土屋春雄監督)をイメージしてしまうんですよ(笑)。土屋監督のもとで走っていたふたりですからね」
