JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2012
JAFグランプリ開幕。SUPER GT第1レースは強雨のため短縮終了。
LEXUS SC430の大嶋和也が3位表彰台獲得。
フォーミュラ・ニッポン予選ではアンドレ・ロッテラーが2番手、国本雄資3番手
「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2012」が11月16日(金)から18日(日)にかけて静岡県の富士スピードウェイで開催されている。
2010年、20年ぶりに「JAFグランプリ」の名称が復活し、3年目を迎えた同大会は、日本のモータースポーツシーズンを締めくくるイベントとして定着。ポイントはかからないレースながら、賞金と名誉をかけて、今年も激戦が展開されている。
スプリントカップの名称の通り、各レースは短距離で、通常のレースとは異なるフォーマットで実施される。また、ドライバーの出身地別で分けられ、ファンも参加できる東西戦、往年の名ドライバーによるレジェンドカップなど、盛りだくさんの内容となっている。
トヨタ/LEXUS勢では、今季のSUPER GTに参戦したGT500クラスのLEXUS LS430 6台、GT300クラスのLEXUS IS350 1台、トヨタ プリウス1台がSUPER GTに出場。フォーミュラ・ニッポンには今季トヨタエンジンを搭載して参戦した8チーム11台が出場した。
◆SUPER GT予選◆
16日(金)は午前中の公式練習走行に続き、午後2時5分からクラス、レース毎に分けて予選が行われた。今大会は、各クラス22周ずつ2レースに分けて行われ、ドライバー交代は無し。スタンディングスタートという、通常とは異なるレース形式となる。
各20分間の予選セッションでは、序盤に1アタックし、その後終盤に再度アタックというパターンで各車激しいグリッド争いを展開した。
GT500クラスの第1レース予選では、最初のアタックでENEOS SUSTINA SC430 6号車の大嶋和也が1分30秒台に入れる驚速のタイムを叩きだしトップへ浮上。その後終盤のアタックでPETRONAS TOM'S SC430 36号車のロイック・デュバルが30秒台に入れ詰め寄ったが大嶋には及ばず。全車が従来のコースレコードを更新するというハイスピードな予選で、大嶋が第1レースのポールポジションを獲得した。2番手にデュバル、3番手にZENT CERUMO SC430 38号車の平手晃平、4番手にDENSO KOBELCO SC430 39号車の石浦宏明と、LEXUS SC430が予選トップ4を独占。KeePer Kraft SC430 35号車の国本雄資は12番手、WedsSport ADVAN SC430の荒聖治は14番手グリッドとなった。
第2レースの予選は、路面温度が下がる中、36号車の中嶋一貴が1分30秒台に入れ、自身SUPER GTで初となるポールポジションを獲得。2番手には35号車の若手アンドレア・カルダレッリが素晴らしい走りでやはり1分30秒台のタイムをマークし2番手、第2レースもLEXUS SC430が最前列に並ぶこととなった。
38号車の立川祐路が4番手、6号車の伊藤大輔が6番手。39号車脇阪寿一が10番手。今大会、マカオGPに出場するため欠場となったアンドレ・クートに代わり、初めて日本のレースに出場することとなったマリーノ・フランキッティが、初めてのコース、初めての車両にも関わらず13番手グリッドを獲得した。マリーノ・フランキッティはインディカーなどで活躍したダリオ・フランキッティの実弟で、ル・マン24時間レースなどにも出場している。
GT300クラスでは、apr HASEPRO PRIUS GT 31号車は第1レースの嵯峨宏紀が11番手、第2レースの新田守男が10番手グリッド。Team SGC IS350 14号車は第1レースの折目遼、第2レースの山野直也共に22番手グリッドとなった。
◆フォーミュラ・ニッポン予選◆
17日(土)は朝から雨に見舞われ、午前10時15分から行われたフォーミュラ・ニッポンの予選はウェットコンディションで行われた。
今大会の予選は1台ずつアタックするスペシャルステージ方式が採られ、今シーズンのランキング逆順でアタックする。予選タイムで決勝レースのグリッドが決定するが、ストレートエンドでの最高速も計測され、トップ3が表彰される。
序盤弱かった雨は、中盤強さを増し、終盤再び弱まるという難しいコンディションで、アタック順も大きくタイムに影響する予選セッションとなった。
そんな中、6番目にアタックした国本 雄資(Project μ/cerumo・INGING)が好タイムをマーク。その後雨量が増していったこともあり、国本がタイムシートのトップにつけていたが、15番目のアタックで最高速も伸ばしたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がようやく国本を上回った。
その後ロッテラーのタイムも塗り替えられる中、最終戦の劇的な逆転で今季のシリーズチャンピオンを獲得し、最後にアタックした中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)は、唯一280km/hを越える驚異的な最高速をマークしポールポジション獲得を狙ったが、その後痛恨のスピンを喫しコースアウト。4輪がコース外に出た場合はタイム抹消となるため、序盤コースアウトを喫した安田 裕信(KONDO RACING)と共にノータイムで最後列スタートに。
ロッテラーが2番手、国本はフォーミュラ・ニッポンで自己最高グリッドとなる3番手、J.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が5番手。7番手以降に平手 晃平(Project μ/cerumo・INGING)、ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)、嵯峨 宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)、今大会のスペシャルカラーリングをまとった大嶋 和也(Team LeMans)、松田 次生(TEAM IMPUL)が続いた。
最高速では中嶋一貴がトップ、ロッテラーが2位となり、それぞれ金賞/銀賞を獲得した。
◆SUPER GTレース1決勝◆
SUPER GTの第1レース、GT300クラスは午後12時49分からウェットコンディションで開始。11番手スタートの31号車 嵯峨は10番手争いを展開したが11位。22番手スタートの14号車 折目は追い上げ、13位でチェッカーを受けた。
その後雨は強さを増し、GT500クラスの第1レースが始まる頃にはコースはヘビーウェットに。コース上に留まることすら困難と思われるコンディションで午後3時18分にスタートが切られた。
予選でトップ4グリッドを独占したLEXUS SC430勢だったが、3番手の38号車 平手がスタートを失敗。その後方から猛烈なスタートダッシュを見せたカルソニックIMPUL GT-R 12号車が首位に立ち、6号車 大嶋と36号車 デュバルは2位、3位に後退。
ペースの上がらない6号車と36号車は、更に後続にも先行を許し、6号車は4位に。その後、首位を逃げる12号車がスタートでのフライングによるドライブスルーペナルティで後退したため、3位となった6号車は、追い上げるライバルとの3位争いを展開することとなった。
弱まることのない雨足に、9周目にはセーフティカーが導入。セーフティカーランが続いたが、12周目に赤旗が出され、短縮終了となってしまった。レースは成立となり、10周終了時点の順位で確定。難コンディションでポジションを維持した大嶋の6号車が3位表彰台を獲得。今レースのポイントは通常の半分が与えられることとなった。
SUPER GTのレース後に予定されていた、往年の名ドライバーがトヨタ86で競い合う「レジェンドカップ」の予選は悪天候のため、翌18日(日)朝7時30分に順延された。
明日の18日(日)は天候の回復が予想される中、フォーミュラ・ニッポンの決勝レースとSUPER GTの第2レースが行われ、栄光のJAFグランプリタイトルが決定される。
ENEOS SUSTINA SC430 6号車 ドライバー 大嶋和也:
見ての通りものすごい雨で、スタート前は正直本当にレースをやるのか?と思った。走り出したら、全力で行くしかないので自分なりに精一杯走ったが、ライバル車の方が明らかにペースが速かったので、抑える事を考えるよりも、自分がコース上に留まることを優先した。後ろから23号車が接近して来たが、これ以上抜かれる訳にはいかないので、足を取られながらも追随は許さなかった。3位という結果は悔しいが、観戦されている方には自分の頑張りが伝わってくれたかなと思う。