IZODインディカー・シリーズ第14戦シカゴランドに予選10番手から臨んだ佐藤琢磨(ロータス/KVレーシング)は、序盤のスローパンクチャーによる遅れを取り戻す展開でトップ争いもみせようかという走りをみせていたが、2回目のピットストップ時、信じられないアクシデントで戦列を去ることになってしまった。

 200周のナイトレースがスタートして間もなく、佐藤琢磨は予選順位の10番手から12番手あたりを走りながら、自分の右リヤタイヤがスローパンクチャーを起こしていることに気がついた。

 35周で行なった早めのピットストップは止むを得ないものだった。1周遅れ、しかも単独走行と状況が一気に苦しいものとなりながら、琢磨はハイペースで走り続けた。レースはまだ序盤だった。そして、他車が同じようにグリーン・ストップを行なうと、琢磨の順位はピットストップ前とほとんど変わらない13位となっていた。もちろん、他車もピットインを行ったことでトップと同一周回に返り咲いてもいた。

 この後しばらくしてアナ・ベアトリス(ドレイヤー&レインボールド)が壁にヒットし、フルコースコーションが発生。全車がピットインをするべきタイミングだったため、琢磨が序盤に被った不利は吹き飛んだ。再びトップグループを目差す戦いへと入って行けることとなったのだ。

 ところが、クルーたちが見事な作業を行い、琢磨が勢い良くピットからダッシュすると、チームメイトのEJビソが左から飛び出して来て琢磨のマシン後部にぶつかって来た。サスペンションが壊れ、琢磨はシカゴランドでのレースを終えるしかなかった。

Q:チームメイトがピットストップでぶつかって来たんですね?
琢磨:完全にそうでした。信じられない。

Q:無理矢理出て来たからぶつかったという状況だったんですね?
琢磨:というより、出ちゃいけないでしょう。僕がもう真横まで来ていたんだから。それで、僕のさらに外側には他の誰かが来ていた。EJのピットからはそれが見えてる。それなのに、なぜあそこで行かせるのか……

Q:判断ミスはドライバーのビソではなく、送り出したピットにあったということですね?
琢磨:そうですね。EJからは見えないですから。

Q:序盤にはタイヤのスローパンクチャーがあった。
琢磨:はい。スタートからマシンは良かったんだけど、すぐにスローパンクチャーになっちゃった。リスタートの直後でしたね。マシンのハンドリングは最初からアンダーステアだったけど、それがさらに大きくなった。それでもスローパクチャーになってからしばらくはいろんなツールを使ってアンダーステアを殺してたんですよ。それが空気が徐々に徐々に抜けて行っちゃった。ズルズルとポジションも落ちて来たので緊急ピットインをしたんです。

Q:それでパック(集団)から外れて単独走行になってしまったのに、他が全部グリーンストップをしたら、ピット前とほぼ同じ13位に戻っていた。それだけペースは良かった。マシンは好調だったということですよね?
琢磨:そう。すごく良かったんですよ。単独走行になってもいい感じで走れていた。リードラップに戻れて、そこへイエローが出て、もう完璧って状況だった。完全に振り出しに戻って、ピット作業も完璧で、それでピットから出ていったら……

Q:フルコースコーションによって、不利は完全に消えた直後だっただけに残念ですね。それでも、次のケンタッキーへは自信を掴んだのでないですか?
琢磨:もちろんそうですね。シーズン前半のオーバルでやり残したことをこれからしっかりとやろうということで、今日のレースを僕自身はすごく楽しみにしていたし、実際にマシンは良くて、あのまま行ってれば間違いなくトップ争いができていたと思うので、本当に本当に悔しいです。残念です。

Q:次のケンタッキー、素晴らしいレースを期待してます。
琢磨:はい、頑張ります。ありがとう。

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