今季、IZODインディカー・シリーズに参戦を始めた佐藤琢磨。ついに迎えた開幕戦サンパウロはバンピーで滑りやすい、琢磨には未知のコンディション。その琢磨は予選日、決勝日とどんな2日間を過ごしたのか!? 琢磨のコメントで追った。
●プラクティス3終了後:「レースウイークエンドの緊張感は本当に久しぶり!」
土曜日、プラクティス2、3を終えて琢磨は19番手、17番手というポジション。プラクティス2ではミッショントラブルでタイムロスを喫したが、タイムスケジュールが変更になり、日曜日に移動になった予選、そして決勝に向けマシンを向上させた。
Q:2回目のプラクティスは走り出すのが遅くなっていましたが、何があったのでしょうか?
琢磨:ギヤがセレクトできない状態になってしまって、最初の30分ぐらいセッションをロスしちゃったかな?
Q:マシンを向上させることはできましたか?
琢磨:そうですね、このプラクティスでだいぶ軌道修正ができました。本来は『バック・トゥ・バック』と言う比較テストをしたかったんですが、走行時間が半分以上なくなってしまったのは痛かったです。3台で色々なことを試さなければならない中で、割り振りがあるんですよね。その中で僕がやらなきゃいけなかったことというのができなかった。(最初の)セッティングが今日のこのコンディションと、このサーキットには合わない方向だったんですよ。シミュレーション上はポジティブだったんですが、実際に跳ね返って来たデータは、まったく違う、使い物にならないものだった。それが予選の前のプラクティスでのことだったので、非常に厳しい1日でしたね。あのまま予選に行くのはものすごく精神的にもキツかった。とにかくクルマに乗っているだけ精一杯という感じで、全然攻められない状態でしたから。
そういう状況の中、明日のウォームアップが今日になって、予選が明日に変わったことで、軌道修正がだいぶできたし、いろいろなことを勉強できたので、今日は良かったと思います。
Q:モラエスがアクシデントに見舞われたために、分担テストが思うように行かなかったということは?
琢磨:そうですね。走行時間はあればあるほどいろんなデータを収集できますからね。特に、こういう新しいサーキットで、しかもものすごくバンピーで攻略するのがセットアップ的にも難しいところですから。ただ、今日第3セッションがあったことで僕はだいぶ救われましたからね。今晩エンジニアたちと色んなデータを分析してみて、明日の予選に向けて、もう一段上がれればいいと思いますね。
Q:もう一人のチームメイト、EJビソが試していたセッティングに良かったところは?
琢磨:あります。だから、お互いの良かったところというのを、これからいろいろとブリーフィングで話し合っていきます。
Q:明日の予選、目標はありますか?
琢磨:今日、ちょっと出遅れちゃったところがあったので、これを取り戻すのは簡単ではないですけど、少なくとも今日の第3セッションでだいぶフィーリングが良くなったから、まずはトップ10を目指していきたいですね。
Q:初めてのインディカー・レース、路面の衝撃的なバンピーさとか、スケジュールの変更と、色々なことが起きていますが、どんな印象を受けていますか?
琢磨:たぶん今日は、みんなも経験したことのないようなイベントになっていたと思うんですよ。それが僕の最初のレースだというのは、まぁ……参ったなぁって感じですけど(笑)、そうした中では最善を尽くすことができたと思うし、悪いなりに良い方向性を見つけられたし、そういう意味ではすごくいい1日だったと思います。今回は初開催のコースということもあるし、特にスタート/フィニッシュラインのコンクリートのサーフェイスのところは、ちょっと異常な状況でしたね。
Q:その他の部分、バックストレッチとかは大丈夫なのですか?
琢磨:ぜんぜん大丈夫。ただバンピーというだけで。まぁ、あんなバンピーな路面は走ったことないですけど。
Q:マカオよりもバンピーですか?
琢磨:全然比べものにならないですね。
Q:レースウイークエンドをドライバーとして過ごすのは久しぶりですが、いかがですか? 難しいことも多い様子ですが、楽しめていますか?
琢磨:そのあたりの緊張感というのは本当にひさしぶりだし、プラクティスから予選へ向けてどんどんとビルドアップしていきたい。精神的にも内容的にも上げていきたかった。今回の場合は第2セッションがきつかったですが、第3セッションが行われることになって良かったです。ただ、明日の朝の予選は、ウォームアップなしでいきなりタイム計測になる可能性があるんでね、そうなった場合は大きなチャレンジになる。まずはそこをクリアしたいですね。