今季、IZODインディカー・シリーズに参戦を始めた佐藤琢磨。ついに迎えた開幕戦サンパウロはバンピーで滑りやすい、琢磨には未知のコンディション。琢磨は決勝スタート直後の1コーナーでスピン。初のIRLは0周リタイアという結果に終わったが、琢磨にレース後、コメントを聞いた。
●決勝:リタイア
「1戦でも早くトップフィールドで戦いたい」
日曜日、琢磨は予選で快走し、前日語っていた予選10番手圏内を見事にゲットする。周囲はエリオ・カストロネベスをはじめ強豪ドライバーが揃うグリッドからのスタートだったが、巻き上がるダストの中、琢磨のマシンは止まらず1コーナーでスピンを喫し、満足に戦えないまま琢磨のIRL初レースは終了してしまった。
Q:1周目の1コーナー、残念なことになってしまいましたね。
琢磨:本当に残念です。後ろから誰かにぶつかられたのか、完全にフリーで前に行ってしまったのかわからないのですが、とにかくスピードが全然落ちなくて、1コーナーでリタイアという形になってしまいました。
Q:初レースはめまぐるしいものになりましたね。
琢磨:本当にいろんなことが起きて、予選のスケジュールが変わったり、路面が改修されたり、その中で一歩ずつ多くのことを自分は吸収できたと思うし、今日の朝の予選ではベストを更新して、いい形でリカバーできたと思うので、とにかく次のレースに向けて、今回のことをいい経験にしたいです。
Q:あのスタートでは一体何が起きたのですか?
琢磨:ダストがすごかった。あんなスタートは初めてでした。前との差が大きく空いてしまって、僕よりひとつ上の予選順位のエリオ・カストロネベスが隣にいたのですが、彼より前に出ちゃったので少しアクセルを緩めて、彼を先に行かせてローリングスタートをするって状態でした。そういう意味ではフリースペースがあったのですが、1コーナーに向けてブレーキ踏んだ時に全然クルマが止まらなかった。その時に自分のクルマがどういう状態になっていたのかはわかってないですね。
Q:レースを続けることができなかったのは?
琢磨:ダメージを右のリヤに受けていたからです。フロントのウイングだけとかであれば、ピットで交換してってところだったのでしょうけどね。自分としては、そうするつもりでクルマに座っていたんですけど、マーシャルが壊れて動かないと言ってきて、右のリヤがかなりダメージを受けているということだったので、リタイアとなりました。
Q:もちろんですけど、今日はたくさん走りたいところでしたよね?
琢磨:そうですね。もっとレースをしたかったですよね。とにかく昨日のことがあってから、今日の午前中のウォームアップで確認走行をして、予選まではうまくリカバーできたと思うのですが、まぁ……そこから今回はレースで色々なことを、ピットストップを含めて経験したかった。それをできなかったのは非常に残念ですけど、それを次回、フリー走行から流れをずっと良い形で繋げていきたいですね。
Q:自分やチームの持つ力に対する手応えというものは感じましたか?
琢磨:今回はチームとしてもかなり苦戦したところがあって、3人とも苦しい展開でした。その中で予選に向けて、決勝前に何とか軌道修正できたのは良かったですが、絶対的なスピードが今回は足りなかったのかな、というのはあります。僕としては、比べるものが無いので何ともいえないですけど、次のセント・ピータースバーグについては、チームもコースをわかっているし、ある程度のベースラインがあるはずなので、実際どこまで行けるかわからないですけど、チャレンジして行きたいですね。
Q:インディカーのレベルは高いと感じましたか?
琢磨:もちろん。それは最初からわかっていたことだし、簡単にいけるとは最初から思ってないです。今回、昨日の段階で目標をトップ10にして、予選ではそれを達成したけど、そこからの決勝でも同じ目標へと進んで行くことがスタートでできなくなっちゃったので残念でした。でも、ここから頑張って行きたい。コンペティションのレベルはすごく高いので、1戦でも早くトップフィールドで戦いたいですよね。