スーパーGT第5戦インターナショナル ポッカサッポロ1000kmは18日、173周の決勝レースのチェッカーを迎え、2番手スタートのウイダー モデューロ HSV-010がトップでチェッカー。山本尚貴&フレデリック・マコウィッキのふたりが嬉しい初優勝を飾った。
セーフティカーを含む波乱の序盤戦を過ぎ、中盤、そして後半を迎えたスーパーGT第5戦鈴鹿。後半に向けてレースは落ち着きを取り戻し、トップに浮上したMOTUL AUTECH GT-R、そして同じミシュランタイヤを装着するウイダー モデューロ HSV-010の優勝争いとなっていった。
ほぼ同じタイミングで3回目のピットインを行った2台だったが、その後少しずつウイダーをドライブしたフレデリック・マコウィッキが、MOTUL AUTECH GT-Rとの差を縮めていく。迎えた114周目、一気に1秒強までその差を詰めると、116周目のスプーンでMOTULがややはらんだ間にウイダーが前へ! これでウイダーが再びトップに浮上した。
一方、その後方ではカルソニックIMPUL GT-R、そしてSC430勢に争いが展開されていく。好走をみせていたWedsSport ADVAN SC430が4番手につけていたものの、S字で軽くコースアウト。この間にPETRONAS TOM'S SC430、KeePer TOM'S SC430というトムス勢が先行していった。
少しずつ陽が傾きはじめ、フィニッシュに向けた雰囲気が高まってきた139周目、首位ウイダー、2番手MOTULが同時に最後のルーティンストップに向かっていった。ピットストップではスーパーGT界でトップクラスの作業スピードを誇るニスモは、盤石の作業でロニー・クインタレッリを送り出すが、童夢も奮闘。MOTULの鼻先で山本尚貴を送り出した。
ファイナルスティント、2台のバトルが展開されていくかと思いきや、GT500初勝利に向けて燃える山本は、少しずつMOTULとのギャップを築いていく。残り10周を切り、その差は10秒まで拡大していった。
ヘッドライトが煌々と光るようになってきたファイナルラップ。トップの山本は噛みしめるように1周を終えるとトップチェッカーを受け、山本尚貴&フレデリック・マコウィッキのふたりが、ついにスーパーGT初優勝を飾った。2位は10秒差でMOTUL AUTECH GT-Rが入ったが、柳田真孝/ロニー・クインタレッリのふたりは鈴鹿1000kmの3連勝はならずとなった。
3位争いはカルソニックIMPUL GT-RとPETRONAS TOM'S SC430の2台による熾烈な戦いがファイナルラップまで展開されたが、171周目のスプーンで、GT300クラスのIWASAKI OGT Racing GT-Rに火災が発生。漏れ出たオイルに乗ってしまったか、カルソニックがコースアウト。PETRONASが3位を獲得し、3メーカーが表彰台を分け合う結果となった。
チェッカーを受けた山本は、パルクフェルメでマコウィッキと抱擁を交わすと感涙。初優勝の喜びを噛みしめた。