レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGTニュース

投稿日: 2012.10.27 00:00
更新日: 2018.02.16 12:18

平手「ポールから最終戦をいい形で終わらせたい」


LEXUS TEAM ZENT CERUMO

2012 SUPER GT Race Report ZENT CERUMO SC430 #38立川祐路/平手晃平
第8戦 ツインリンクもてぎ < MOTEGI GT 250km RACE >

◆ 10月27日 (土)  Qualify

公式予選総合結果 1 位 ( 1分40秒982 )

< 公式予選 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ
 前戦オートポリスでは残念ながら7位でフィニッシュも、タイトルを争っていた#1 S Road REITO MOLA GT-Rが優勝を飾ってしまったため、悲願のシリーズチャンピオン奪還という最も大きな目標を果たすことが出来なくなってしまったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。チーム全員が一丸となって目指して来たターゲットを手にすることこそ叶わなかったものの、シリーズはまだ最終戦のもてぎを残している状況。気持ちを切り替え、来季に向けて良い形で今シーズンを締めくくるべくチーム、そしてドライバーはシリーズ最終ラウンドとなるもてぎのレースウィークを迎えた。

 秋晴れとなった土曜の午前9時30分、今シーズン最後の公式練習がスタートした。いつものように、#38 ZENT CERUMO SC430はコンディションが落ち着くのを待って午前9時45分にピットを離れることとなった。

 立川のドライブでさっそく計測ラップに入った#38 ZENT CERUMO SC430だったが、タイヤが温まっていなかったためか、S字コーナー出口でバランスを崩してしまう。スピン状態となった#38 ZENT CERUMO SC430は、そのままコースアウトを喫し、グラベルにストップ。コースに戻るべくバックしようとする立川だったが、リヤタイヤが空転し自力でのコース復帰は不可能な状態のため、#38 ZENT CERUMO SC430はオフィシャルの手を借りて午前9時50分にようやくグラベルを脱出。そのまま立川はピットに戻ることになってしまう。

 予想外のスピンで出鼻をくじかれたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだったが、幸いにもマシンに大きなダメージはなく、午前10時を迎える直前に#38 ZENT CERUMO SC430は再び立川のドライブでコースに戻る。

 慎重に最初のラップを1分58秒906で終えた立川は、翌周1分43秒005で8番手に。数周してピットに帰還した立川は、セットアップの修正を施したマシンで再び午前10時12分にピットアウトすると、2分以上かけてゆっくりタイヤに熱を入れてまず1分46秒645を刻んだあと、翌周に1分42秒364とタイムアップ。一気にその時点での2番手に浮上する。

 まずまずの手応えを得た立川は、ここで平手にバトンタッチ。ステアリングを引き継いだ平手も連続周回に入り、1分43秒790にまでタイムを上げてピットイン。ここからさらにマシンを煮詰めて行く。

 赤旗中断などが入ったものの、平手は午前10時45分には1分42秒842と自己ベストをマークするなど順調にメニューを消化。混走時間帯が終わろうとする午前11時07分には、再び立川がステアリングを握り、平手が仕上げたマシンバランスをチェックするなど、万全の体勢で#38 ZENT CERUMO SC430は混走時間帯を終えることとなった。

 午前11時20分、10分間のGT500占有時間が始まった。#38 ZENT CERUMO SC430も立川のドライブで午前11時23分にピットアウトするものの、その直後セッションは赤旗となってしまう。GT300の占有時間終了間際に90度コーナーでコースアウトしたマシンの回収に時間が掛かってしまったようだが、このためにGT500の占有時間帯は中断され、残り8分となってしまう。

 午前11時30分、セッションがリスタートすると、再び立川が#38 ZENT CERUMO SC430を駆ってコースインするも、ここでのベストは1分43秒321。惜しくもタイムを更新することは叶わなかったものの、この時間でタイムを更新したのは6台のみということで、#38 ZENT CERUMO SC430は結局この公式練習を3番手とまずまずのポジションで終え、午後のノックアウト予選に臨むこととなった。

 Q1、Q2、Q3の3つのセッションから構成されるノックアウト予選は、午後2時にGT300からスタート。まずはここで上位11台に入らなければ、Q2に駒を進めることが出来ない。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは、このQ1とQ3を立川が担当、Q2を平手が担当することに決め、予選セッションを迎えた。

 まずは気温20℃、路面温度30℃となったQ1。GT300のQ1に続いて始まった15分間のセッションながら、各陣営共に出来るだけ周回数を抑えたいという思惑があり、序盤は全車がピットで待機。#38 ZENT CERUMO SC430も立川がコクピットに乗り込み、タイミングを計る。

 そして残り8分となったところでソフト系のタイヤを履いてピットを離れた立川は、計測1周目を1分45秒869で4番手につけると、計測2周目に1分41秒434をたたき出し、2番手に浮上。そのまま難なくQ1を突破してみせる。

 Q1で使用したタイヤのままでのアタックとなるQ2に向けては、平手がスタンバイ。Q2からはセッションが10分間となるが、午後2時50分にセッションが始まると、3分ほど待機した平手が満を持してアタックに向かう。

 インラップでタイヤに熱を入れると、計測1周目からプッシュした平手はいきなり1分41秒572をたたき出すも、好調の#6 ENEOS SUSTINA SC430が僅かに上回っており、#38 ZENT CERUMO SC430は2番手。続く計測3周目もアタックを続けた平手だったが、タイムは1分41秒640と惜しくも更新はならず、結局#38 ZENT CERUMO SC430は再び2番手でQ3進出を決めることに。

 午後3時25分、迎えた最終のQ3はQ2の上位7台によるポールポジション争い。ここまでトップタイムを独占し続けている#6 ENEOS SUSTINA SC430を打ち破るべく、立川がアタックに向かう。

 再びニュータイヤでコースインした立川は、まずはゆっくりタイヤを温めて計測1周目を1分46秒284の5番手に。翌周に渾身のアタックに入った立川だったが、今日の好敵手となっている#6 ENEOS SUSTINA SC430は、続く計測2周目に1分41秒045の好タイムをマーク。このタイムを上回ることが出来るか、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのピットはもちろん、サーキット中が固唾を呑んで立川のアタックを見守る。

 ここで立川は3コーナーで大きくバランスを崩してしまう痛恨のミスを犯すも、逆に気合いが入ったかコース後半では#6 ENEOS SUSTINA SC430を上回るセクタータイムを刻んでいく。そして最終コーナーを立ち上がった#38 ZENT CERUMO SC430がコントロールラインを駆け抜ける……。タイムは1分40秒982! 見事#6 ENEOS SUSTINA SC430をかわし、#38 ZENT CERUMO SC430がモニターのトップに躍り出る。

 このままセッションは終了となり、立川は開幕戦の岡山以来今季2度目、通算17回目と自身が持つシリーズ最多PP獲得記録を更新。タイトルの夢こそ潰えたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、明日の最終戦決勝では有終の美を飾るべくポールポジションという絶好のグリッドからスタートすることとなった。

ドライバー/立川祐路
「オートポリスでチャンピオンの可能性が無くなり、気持ちの上で少し燃え尽きたところもあったのですが、今週末はプレッシャーもなく来シーズンに向けて気持ちを切り替えて臨みました。ただ、ちょっと朝のスピンの時はまだ燃え尽き症候群を引きずっていたかもしれません(笑)。公式練習から6号車にはずっと負けていたものの、きっとQ3でも6号車との争いになるだろうと思っていましたが、最後のアタックでは3コーナー立ち上がりで4コーナーに向けてアクセルを開けるところでリヤが出てしまって。そこでかなりロスしてしまったとは思いますが、そこでかえって目が覚めたのか、“これはヤバイ!”とミスを取り返そうと後半は必死でした。なんとか巻き返せたというか、ポールポジションが獲れて良かったです。明日は天候が悪い予報が出ていますが決勝はドライでも、ウエットでもどちらでも構わないという大きな心で臨みたいと思います」

ドライバー/平手晃平
「走り出しからクルマのフィーリングは悪くなく、タイヤも2種類のコンパウンドを持ち込んで比較した結果、ソフトの方が持ちも良いということで、その方向でクルマも調整して行きました。これまでのレースを振り返っても、クルマ的にもドライバー的にも、僕らは柔らかいタイヤの方が上手く行くケースが多いので、明日の決勝でも大丈夫だと思います。予選では6号車に負けていましたが、他のライバル勢とのタイム差が大きかったので、僕もQ2のアタックでは自信を持って臨めましたし、ユーズドタイヤとしてはまずまずのタイムが出せたんじゃないかと。今日に関しては良い仕事が出来たと感じています。明日がドライならドライで、先日のテストでロングの良いセットアップが出来ていますし、雨になっても朝から降っていればフリー走行で試せますから心配はしていません。ポールポジションで先頭からスタート出来るのですから、最終戦を良い形で終われるよう頑張るだけです!」

監督/高木虎之介
「久々に予選で良い感じだったと思います。始めは6号車が速く、このままではポールポジションは獲れないかなという雰囲気もあったのですが、最後のふたつのセクターで立川がうまくタイムを上げて来てくれたので良かったですね。なぜここまで周りとのタイム差が大きかったのか分かりませんが、ここまでいつも自分たちがウエイトをたくさん積んでいる状態だったので、軽くなった影響が大きいのかもしれませんね。クルマは持ち込みの状態からバランスが良かったようですし、最初からほとんどいじっていない状況でしたから、後はうまく決勝に合わせ込むことが出来れば。出来れば晴れでレースしたいところですが、あとはもう本当にドライバー同士の勝負になるでしょうから。タイトルはもう決まってしまいましたが、なんとしても明日は来年に向けて良いレースになるよう頑張ります」


関連のニュース