ハンガリーGPから新しいタイヤが導入されることで、ロータスとフェラーリが有利に戦えるようになるかもしれない。
シルバーストンテストで、ハンガリーから使用される新タイヤのテストが行われた。その結果、初期の分析では、新しいタイヤによる大幅なパフォーマンスの変化はないものの、デグラデーションはこれまでより少なくなるとの結果が出ている。
これまで比較的タイヤをうまく持たせることができていたロータスやフェラーリは、この動きによってアドバンテージが奪われるようにも見えるが、エンジニアたちは、彼らにとって逆に有利に働くかもしれないという意見を述べている。
これまでのタイヤはデグラデーションが非常に高かったため、決勝に向けてよりデグラデーションが低いタイヤを選択しなければならず、ハード側のプライムタイヤがレースに適していると考えられてきた。
ロータスやフェラーリは、ハード側のタイヤからうまくパフォーマンスを引き出すことができず、それが不利につながっていた。
しかし、テストの時と同様、実際のグランプリでも新タイヤのデグラデーションレベルが以前より低かった場合、タイヤをうまく持たせることができるチームならソフト側のオプションタイヤをレースでメインに使うことができるかもしれない。
ハンガリーではふたつのコンパウンドのタイム差は1周1秒と予想されており、タイヤ選択の違いが大きな差を生む可能性がある。
また、ハンガリーからピットレーンの制限速度が80km/hに引き下げられることによって、ピットストップによる時間のロスが大きくなる。
ハンガリーでは従来よりも4.1秒ロスが増えることになり、ピットストップの回数を減らせるチームにとっては有利になるかもしれない。
シルバーストンテストから見る限り、新タイヤは速さ自体には影響は及ぼさず、それに関してチームの序列に大きな変化はないものと考えられる。
ウイリアムズのチーフレースエンジニア、シェビ・プホラルは、1周の走行におけるタイヤの挙動にはほとんど変化はないと述べている。しかし、決勝のパフォーマンスには違いが出てくるかもしれないと彼は考えている。
「ウォームアップに関しては少し変わり、ロングランでのパフォーマンスも多少違っている。そのためレースにはいくらか影響があるかもしれない」とプホラル。
「状況が変化することを期待している。大幅な変化はないだろうが」
現在ポイントリーダーはレッドブルのセバスチャン・ベッテル、34点差の2位にフェラーリのフェルナンド・アロンソ、さらに7点差の3位にロータスのキミ・ライコネンが位置している。