9日、東京・新橋の汐留シティセンター内にあるレストラン『ザ・モメンタム・バイ・ポルシェ』で、2016年から世界的にデリバリーがスタートする新ポルシェ911 GT3Rの日本初のアンベイルイベントが行われた。
この新ポルシェ911 GT3Rは、昨年のニュルブルクリンク24時間の会場でワールドプレミアされたGT3規定の市販レーシングカー。2016年は世界で38台のみがリリースされる予定で、昨年末にバイザッハからデリバリーがスタートしたばかりだ。
そんな新GT3Rの日本導入1号機となるマシンが、汐留のポルシェセンター銀座隣にあるレストラン『ザ・モメンタム・バイ・ポルシェ』の開店1周年を記念し特別展示されることになったが、一般公開に先立つ9日、関係者向けにマシンが公開された。
ポルシェセンター銀座を運営するエクセレンス・インターナショナルの山野直也モータースポーツ担当と、GT300クラスで長年ポルシェを走らせてきたKTRの武田敏明代表によりアンベイルされた新911 GT3Rは、まだ『Excellence』のロゴが貼られているほかは、カーボン地むき出しの非常に珍しい状態。この姿での展示は今回限りだという。
この日は車両各部のハッチ内部も公開されたが、新搭載の直噴4リッターNA水平対向6気筒エンジンはリヤハッチを開けてもエアクリーナーが見えるのみで、エンジンの姿は見えないほど緻密な位置に搭載されていることが分かる。
また、フロントでは下面でダウンフォースを稼いでおりカナードが廃されたほか、ラジエターが中央にまとめられ、低重心化を達成。前後バンパー等に見られる空力の改良以上に変更された箇所が目につく。
さらに、この展示で非常に良く分かるのが、軽量アルミとスチールを組み合わせたハイブリッドボディとカーボンパーツの比率。外観からはピラー部のみがホワイトだが、この部分以外すべてカーボンであることが分かる。フロントウインドウもポリカーボネート化されており、大幅な軽量化を感じさせている。これまでタイプ997のGT3Rを長年走らせてきた武田代表も「質感と仕上がりが全然違いますね」と目を見張った。
その他にも燃料タンク容量アップ、燃費の向上、エアジャッキの差し込み口や牽引フック等々、非常に細かい部分で改良が施されている新911 GT3R。ル・マン規定の911 RSRからのフィードバックも多く採用されているとのことで、性能調整次第ともなるが、そのポテンシャルが非常に楽しみなところだ。
この新911 GT3Rは1月10日〜13日の4日間、『ザ・モメンタム・バイ・ポルシェ』に展示されている。ポルシェ一色に彩られた店内で、6000万円近い価格の最新GT3カーを楽しみながらの食事は格別なものになるはずだ。詳しくはホームページ(http://www.porsche.tokyo)まで。