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スーパーGTニュース

投稿日: 2015.08.31 00:00
更新日: 2018.02.17 10:01

松浦「歯車がなかなか噛み合いませんでした」


第5戦 鈴鹿 決勝レポート (GT500)

良いところをつなぎあわせて次戦に期待

 通常のレースでは決勝日の朝にフリー走行が設けられているが、今回は決勝レース前の20分間のウォームアップ走行だけとなった。チームは短い走行の中で、決勝のセットを詰めていった。

 決勝のスタートは野尻智紀。スタート時点では午前中の雨が残っていて、コースはウェットコンディションだったが、チームは路面温度が上がる事を想定して、タイヤの空気圧を低めに設定したが、路面温度が上がらず野尻もペースを上げる事が出来なかった。野尻は次のスティントを走行する松浦の為に、内圧を高めにした方がいいとアドバイスして、11番手で松浦にバトンタッチした。

 松浦がコースに復帰した時は12番手だったが野尻のアドバイスが的中し、松浦は1周毎に順位をあげ、他車の脱落もあったものの、37周目には5番手までポジションを上げるほどのハイペースだった。

 46周目には4番手、57周目には他車のピットインもあり3番手までポジションアップ。車のバランスも良く、絶好調のARTA NSX CONCEPT-GTは、61周目にルーティンのピットインを行った。

 この頃には雨も止み、レコードラインは乾き始めていたため、タイヤをドライタイヤに履き替えたが、まだ所々路面は濡れていて非常に難しいコンディションだった。野尻は気をつけながら車を走らせたが、2コーナーで足元を救われてしまう。さらにデグナーでもコースアウトを喫してしまい、周回遅れになってしまった。

 このタイミングで300クラスの車がクラッシュしてしまい、セーフティーカーが導入された。数周のセーフティーカーのあと、67周目にリスタートが切られた。野尻は順位を大きく落としたものの、諦める事無く走行を続けた。野尻のペースは非常に良く、長距離のこのレースで挽回出来る可能性さえ感じさせた。野尻は何とポイント圏内の10番手までポジションを回復して松浦に交代した。

 松浦はそのスティントも無難に走行し、ポジションを落とす事無く、野尻につないだ。野尻もハイペースでポジションを落とす事無く、最後のスティントの松浦につないだ。

 しかし、ここで左フロントのインパクトにトラブルが出てしまいピット作業が遅れ、12番手までポジションを落としてしまう。前車の脱落もあって、ポイント圏内の10番手までポジションを回復したものの、今度はギアが入らなくなるトラブルが発生してしまう。緊急ピットインで修復し、何とかコースに復帰する。セーフティーカーが2回も入ったので、タイムレースとなったこのレースも残り時間は10分を切っていた。11番手を走行していた車はARTA NSX CONCEPT-GTよりも更に周回遅れになっていたが、松浦のペースによっては抜かれてしまう可能性もあった。しかし、松浦は我慢の走行で、何とか車をチェッカーに導き、10位で貴重な2ポイントを獲得した。