YOKOHAMA Tire Macau Grand Prix 2013 Race Report Vol.5

 やや雲が多いものの前日同様の好天に恵まれ、ついに最終日を迎えた第60回マカオ・グランプリ。最終日には3つのカテゴリーで決勝レースが予定されているが、そのトップを切って「City of Dreams Macau GT Cup」の決勝レースが午前9時20分から行われた。

■City of Dreams Macau GT Cup
 昨日の予選2回目の結果、ポールポジションのメルセデスSLS AMG GT3を駆るマロ・エンゲル選手(Maro ENGEL)をはじめ、ヨコハマタイヤユーザーが上位グリッドを獲得した「City of Dreams Macau GT Cup」。この日は決勝に先立って午前7時55分から、10分間のウォームアップセッションが行われた。

 僅かな時間ながら、各車両がセッション開始と同時にコースイン。まずは計測1周目にアストンマーチン・バンテージGT3のステファン・ミュッケ選手(Stefan MUCKE)が2分24秒338でトップに立つも、すぐにライバルマシンがこのタイムを上回る。これをさらにエンゲル選手が2分21秒855で逆転。チェッカー提示後には再び他車の先行を許したものの、最終的にはメルセデスSLS AMG GT3をドライブするレンガー・ヴァン・ダ・ザンデ選手(Renger VAN DER ZANDE)が、2分21秒385をたたき出し、このセッションもヨコハマタイヤユーザーがトップタイムをマーク。決勝に向けて充分な手応えを得ることとなった。

 12周で争われる決勝レースは、午前9時25分にローリングスタートで始まった。スタート直後の1周目、1コーナー先でポルシェ911 GT3R 4.0を駆るアレキサンドレ・インペラトーリ選手(Alexandre IMPERATORI)がエンゲル選手に次ぐ2番手に浮上。さらにマンダリンコーナーではメルセデスSLSAMG GT3をドライブするヴァン・ダ・ザンデ選手が3番手に浮上。ヨコハマタイヤユーザーがトップ3を独占することに。

 しかし、オープニングラップのサンフランシスココーナーで、5~6番手を争っていたアストンマーチン・バンテージGT3のステファン・ミュッケ選手(Stefan MUCKE)と接触したポルシェ911 GT3R 4.0のアール・バンバー選手(Earl BAMBER)がタイヤバリアにクラッシュ。これに多くの後続マシンが巻き込まれてしまい、早々にセーフティーカーが導入される。

 レースは3周目にリスタートしたが、その直後に1コーナーでクラッシュが発生してしまい、またもセーフティーカーがコースに入ることに。そしてようやく6周目にレースがリスタートとなった。

 このリスタートでもエンゲル選手はトップをキープし、インペラトーリ選手、ヴァン・ダ・ザンデ選手がトップ3を形成。このまま周回が進んだが、なんと9周目に突然トップのエンゲル選手がスローダウンし山側でストップ。

 これでインペラトーリ選手がトップに立つが、11周目のメルコヘアピンで周回遅れのマシンに行く手を阻まれたために上位4台のギャップがなくなり、フィッシャーマンズベンドでトップを奪われて3番手に後退。結局インペラトーリ選手は惜しくも優勝を逃したものの、3位表彰台を獲得することとなった。

 ヨコハマがコントロールタイヤを供給しているGT ASIAエントリーでは、ポルシェ911 GT3R 4.0のリ・ジ・コン選手(LI ZhiCong)が総合5位に入る健闘で優勝。見事今季のシリーズタイトルを獲得した。また、アストンマーチン・ヴァンテージ GT3をドライブするフランク・ユー選手(Frank YU)が総合7位に入ってシリーズランキング2位となった。

YOKOHAMA Tire Macau Grand Prix 2013 Race Report Vol.6

 最終日を迎えてイベント全体がさらなる盛り上がりを見せる第60 回マカオ・グランプリ。この伝統的ビッグイベントのトリを飾るF3を前に、午前10時45分からはヨコハマタイヤがシリーズを通じてコントロールタイヤを供給する「FIA WTCC – Guia Race of Macau – Presented by Star River Windsor Arch」のふたつの決勝レースが行われた。

■FIA WTCC – Guia Race of Macau – Presented by Star River Windsor Arch
 土曜には走行がなく、完全休養日となったWTCC。この日は決勝レースを前に、午前8時30分から15分間のウォームアップセッションが行われた。

 決勝レースを前にした最後の走行ということで、セットアップの最終確認をするべく、各車両はセッション開始と同時にピットアウト。まずはイヴァン・ミューラー選手(YvanMULLER)、トム・チルトン選手(Tom CHILTON)のシボレー勢が2分33秒台で1-2となるが、これを同じくシボレー・クルーズをドライブするペペ・オリオラ選手(Pepe ORIOLA)が2分32秒139で上回る。

 このタイムをラーダ・グランタを駆るジェームス・トンプソン選手(James THOMPSON)が2分31秒859で逆転も、再びオリオラ選手が2分31秒638をマークしトップを奪取。さらにオリオラ選手は翌周2分31秒469へとタイムアップする。しかし、残り2分を切ったところでセアト・レオンに乗るロブ・ハフ選手(Robert HUFF)が2分31秒449をたたき出し、オリオラ選手を上回ったところで15分間のセッションは終了。

 このウォームアップはハフ選手、オリオラ選手、ミューラー選手がトップ3となった。
10時45分から決勝のスタート進行が始まったWTCC。ローリングスタートのレース1は9周の戦いで、午前11時10分にフォーメイションラップがスタート。しかし、朝のウォームアップでエンジントラブルに見舞われたガブリエーレ・タルクィーニ選手(Gabriele TARQUINI)のマシンは、交換作業が間に合わずレース1を欠場することになった。

 1周ののち、2列に並んだWTCCマシンが一斉にスタート。ミューラー選手がトップをキープし、これにホンダ・シビックWTCCを駆るティアゴ・モンテイロ選手(Tiago MONTEIRO)、さらにはハフ選手が続き4番手はノルベルト・ミケリス選手(Norbert MICHELISZ)がつける。

 1周目に早くも1秒7のギャップを築いたミューラー選手がレースをリード、上位陣に順位変動のないままレースは2周目に入ったが、7番手を走行していたチルトン選手がオリオラ選手にヒットされ、山側でクラッシュ。大きなダメージを受けてチルトン選手はピットインすることに。

 この後レースはミューラー選手が危なげなくトップを快走。背後ではモンテイロ選手とハフ選手がバトルを展開し、さらに中段グループでも接戦が演じされたものの、トップ6のオーダーは変わらぬままチェッカー。ミューラー選手が優勝し、2位にモンテイロ選手。3位にハフ選手と続き、6位フィニッシュのジェームス・ナッシュ選手(James NASH)が、プライベーターを対象とする今季のヨコハマドライバーズトロフィー獲得を決めた他、谷口行規選手(YukinoriTANIGUCHI)が、今季創設されたアジアトロフィーの初代王者を獲得することとなった。

 続くレース2は、午後零時20分にフォーメイションがスタート。ここでエンジン交換を終えたタルクィーニがパドックのガレージを離れ、なんとかピットスタートに間に合うことに。スタンディングスタートとなるレース2。スタートではBMW320 TCを駆るポールシッターのトム・コロネル選手(TomCORONEL)が飛び出し、トップで1コーナーをクリア。トンプソン選手とナッシュ選手がこれに続くが、しかしその背後では密集状態の中でミケリス選手がアウト側のガードレールに接触。これを引き金に、多重クラッシュが発生してしまい、多くのクラッシュしたマシンがコースを塞いでしまう。

 このためレース2はスタート早々に赤旗中断となり、午後零時55分、レースはセーフティーカー先導での再開となった。隊列が1コーナーを抜けると、ピットレーンからもタルクィーニ選手もコースインしていく。

 そしてセーフティーカーが去り、3周目からレースはリスタート。コロネル選手がトップを死守する中、サンフランシスコベンドではモンテイロ選手とミューラー選手が接触。モンテイロ選手はダメージを受けピットインすることに。

 ところが、波乱は終わらず3番手を走っていたチルトン選手が、5周目の山側で突然スローダウン。ゆっくりとピットを目指していたチルトン選手のマシンに後続のマシンが追突し、6周目には再びセーフティーカーがコースインする。しかし、山側のアクシデント箇所に再び後続車両が数台突っ込み、レースは再び赤旗中断となってしまう。

 午後2時35分、周回数が2周追加され、11周レースとなる中、再びセーフティーカー先導でレースはリスタート。そして7周終了時にセーフティーカーがピットに入り、8周目から戦いが再開された。

 8周目のマンダリンコーナー手前で2番手にハフ選手が浮上。さらに翌9周目には同じ場所でハフ選手がコロネル選手をパスし、トップに。コロネル選手は11周目にオリオラ選手の逆転をも許し、3番手に後退する。

 こうした波乱のレースを制したのはハフ選手。2位にオリオラ選手、3位にコロネル選手となった。

YOKOHAMA Tire Macau Grand Prix 2013 Race Report Vol.7

 FIA WTCC最終ラウンドの興奮醒めやらぬ中、記念大会として2週間にわたって開催された第60回マカオ・グランプリの大トリを飾る「Star River Windsor Arch Formula 3 Macau GrandPrix」の決勝レースが、午後3時30分から行われ、全長6.12kmの市街地コースを舞台に、世界各国の若武者たちが今季最後の激戦を展開した。

■Star River Windsor Arch Formula 3 Macau Grand Prix
 アクシデントの続いたWTCC決勝に続き、いよいよ今週末の最後のレースとなった、「Star River Windsor Arch Formula 3 Macau Grand Prix」。グリッドは昨日行われた予選レースにより決定され、アレックス・リン選手(Alex LYNN)がポールシッターに。さらにフェリックス・ローゼンクビスト選手(FelixROSENQVIST)、ラファエレ・マルシェッロ選手(RaffaeleMARCIELLO)が続くこととなった。

 華やかなスタート進行の間、恒例のライオンダンスなども行われ、観客のボルテージも最高潮に達した午後3時30分、15周の決勝レースのフォーメイションラップがスタートした。

 レッドライトが消えたのは午後3時34分。ポールシッターのリン選手はまずまずの動きだし。しかし、予選2番手のローゼンクビスト選手は、マルシェッロ選手とピポ・ディラーニ選手(Pipo DERANI)に並びかけられ、僅かに接触。これでローゼンクビスト選手はサスペンションにダメージを負ってしまい、早々に戦列を離れることに。さらにマンダリンコーナーでは3台のマシンがクラッシュをしたため、このレースもオープニングラップにセーフティーカーが導入される。セーフティーカーに先導された1周目、トップはリン選手で、ディラーニ選手、アントニオ・フェリックス・ダコスタ選手(Antonio F. DA COSTA)がトップ3に。

 このセーフティーカーは2周終了時にピットに入り、レースは3周目からリスタート。リン選手はトップを守ったが、リスボアでの攻防でダコスタ選手がディラーニ選手を捕らえて2位に浮上する。ディラーニ選手はその後、背後のマルシェッロ選手のプレッシャーにさらされ、ついに7周目のリスボアコーナーでマルシェッロ選手がディラーニ選手を抜き3番手に。

 トップのリン選手は2分12秒台のラップを重ねて約2秒のギャップをコントロール。2番手のダコスタ選手に3番手に浮上したマルシェッロ選手が迫ったが、ハードに攻めすぎたのか、10周目の最終コーナー立ち上がりでマルシェッロ選手はタイヤバリアに接触。大きなダメージを負い、そのままリタイアとなってしまう。

 これで3番手には再びディラーニ選手が返り咲いたが、トップのリン選手は最後までダコスタ選手の肉薄を許さず、逃げ切りで優勝。昨年3位で届かなかった念願のマカオ・グランプリウイナーの座を手にすることとなった。2位にはダコスタ選手、3位にはデイラーニ選手が入ったが、クラッシュやトラブルなどに見舞われるマシンも多く、最終的に完走は21台という激戦であった。

マカオグランプリの解説、レース情報などは、特設サイトにて随時掲載中
Website:http://www.advan.com/japanese/event/macaugp

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