ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。昨年、好評連載されていたこちらのコラム。今年も引き続き、F1速報サイト限定コラムの一部をお届けします。
昔のメキシコは警官が怖かった
すごい週末だったなぁ! 20年以上もこの日を待ちわびていたメキシコの人たち。その気持ちに見合う、素晴らしいショーだった。新しいグランプリはたいていは“シエスタ”みたいなのに、メキシコGPはまさに“フィエスタ”たった。
サーキットへの行き帰りはひどい渋滞で悪夢のようだった。それでも私の記憶では80年代終盤はもっとひどかったように思う。夜間に大勢の警官が車を停めるよう指示してきたら要注意。解雇された元警官グループと考えた方がいい。制服を着て、運転手に銃を突きつけ、スマートに大金を奪うんだ。
だからといってタクシーに乗った方が安全だなどと思っていけない。一番人気のキャブは2ドアのVWビートルで、助手席のシートが取り外されているもの。ゆったりと足を伸ばせるからね。ただし足元にさびで開いた穴があるから気をつけて。
ホテルまでの道のり
87年の話をしよう。レースが終わってサーキットを出るのが日曜深夜になってしまった。日本に向けてラルースの貨物を送る手配をしていたのだ。ところがチームときたら、車を残しておいてくれなかった。パリっ子は「思いやり」の分野でノーベル賞を取れるような気質ではないから仕方ないか。
私は小さなタクシーに乗って街に戻るしかなかった。レースの話をちょっとだけした後、運転手は若い女性の写真を見せて「“妹”に会いたいか?」と聞いてきた。私は礼儀正しくお断りしたが、相手は全く諦めない。しまいには「“弟”に会いたいか?」と言ってきた。その後のホテルまでの道のり、車内は凍るような雰囲気に……。
今年はシャトルバスで移動したのだが、地元出身の運転手なのにホテルまでの道を全然知らなかった。その上、渋滞も重なり、ハースF1とグティエレスの契約発表会にはほとんど誰も間に合わなかった。まぁ、皆、何週間も前に書き終えていた話だから構わないんだけど。
木曜夜、オーガナイザーがパドックで歓迎パーティーを開いてくれた。真っ白なテーブルクロスに真っ白な食器。バーニー・エクレストンがまた結婚するのかと思ったよ。
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