IZODインディカー・シリーズ第4戦サンパウロで、初めての3位表彰台を獲得した佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)が、レース後の喜びを語った。
今季は第3戦ロングビーチでも表彰台間近に迫っていた琢磨だが、チェッカー間際で無理な接触をされ3位を逃す悔しい結果に。今回のサンパウロでも、予選日にギヤボックストラブル、さらにエンジントラブルが発生し最後尾グリッドに沈むなど、苦しい展開となっていた。
しかし琢磨は決勝スタートで25番手から21番手にジャンプアップ。ピットレーン速度違反でペナルティを喫するも、26周目のリスタートでは前方の混乱に乗じ11番手に大きくポジションを上げた。
序盤にブラックタイヤでスタートし、早めにピットストップを行いレッドタイヤで追撃する琢磨は、燃費走行を行いながらもハイペースで周回を重ね、アクシデントなどライバル勢の脱落もあり残り15周で5番手に。迎えたリスタートでは、昨年王者のダリオ・フランキッティ、そして開幕戦ウイナーのエリオ・カストロネベスに挑戦する。
その時の状況について琢磨は、「このときは言葉ではいい表せないくらい興奮しました。リスタートはいつでも大きなチャンスとなりうるものですが、決まったプランはないので、ブレーキをかけるまではどういう結果になるかわかりません。僕の前でエリオとダリオが横並びになっていたとき、ふたりを抜かすのは難しいと考えていましたが、彼らが思ったよりも早くブレーキングを始めたので、もしかするとこれはインサイドに飛び込んでいけるかもしれないと思いました」と語る。
見事2台をパスした琢磨は、「僕にはコーナーをクリアできる自信があったので、ものすごくエキサイティングでした」とその瞬間を振り返った。そして琢磨は、今度は邪魔されることなく3位でチェッカー。インディカー参戦後初の表彰台を得た。
「3位でフィニッシュできて最高の気分です。最後尾からスタートしたレースで、たくさんのことが起きました。順位を上げていくには懸命に戦わなければいけませんでした。特にレース前半は、オーバーテイクに限らずストラテジーに従うだけでもハードで、1度はピットレーンで速度違反を犯してペナルティを受けたこともありましたが、それでも徐々に順位を上げていきました。1台ずつ抜いていったときは本当にエキサイティングでした」とレースを振り返る琢磨。
「今回は難しい週末となりましたが、最終的に結果が得られてほっとしています。チームに3位の成績を持ち帰ると同時に、今季初めてチェッカードフラッグを受けることができました。本当に最高の1日でした」