March 24 2013, RACE
Honda Grand Prix Of St. Petersburg
スコット・ディクソンが20番手スタートから5位でフィニッシュ
予選2番手でフロントロースタートだった佐藤琢磨は開幕戦を8位で完走
2013年3月24日(日)・決勝 会場:セント・ピーターズバーグ市街地特設コース 天候:晴れのち曇り 気温:24~25℃
2013年のインディカー・シリーズ開幕戦となるHondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグは、青空の下でスタートが切られました。朝から曇り空が広がっていたセント・ピーターズバーグには雷雨の予報も出ていましたが、幸いにも雨は降らず、サーキットに集まった大勢のファンは暖かな天候のもとでエキサイティングなレースを楽しみました。
今シーズンから周回数が10周プラスされて110周で争われた決勝レースでは、Hondaダラーラで戦ったスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が、20番手スタートから次々とライバルをパスし、5位でフィニッシュしました。予選ではマシンを自分の好みに仕上げきれずにいたディクソンでしたが、決勝日の朝のファイナル・プラクティスでセッティングを大幅に向上させ、レースでは持てる力を発揮しました。
予選で2番グリッドを獲得し、フロントローからスタートした佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、その順位を保って序盤を走っていました。しかし、32周目のリスタートで他車と接触してフロントウイングを破損したため、ペースダウンを余儀なくされました。ピットに入ってウイング交換を行うこともチームは検討しましたが、そうすればポジションを大きく落とすため、傷んだマシンのまま走り続けることを選択し、佐藤はアンダーステアと格闘しながらレースを戦い続けました。
レース中盤からの佐藤は、ピットストップでのポジションダウンが重なって、一時は16番手まで順位を下げました。それでもあきらめることなく攻めの走りを続けた佐藤は、フルコースコーションを利用してフロントウイングを新しいものに交換すると、今度は一転してオーバーテイクを重ね、順位をばん回していきました。最終ラップにジャスティン・ウィルソン(Dale Coyne Racing)をパスした佐藤は、シーズン初戦で8位完走を果たしました。
コメント
スコット・ディクソン(5位)
「決勝での私たちのマシンはとてもよかったと思います。スタートから燃費セーブに努め、タイヤに無理をかけ過ぎないよう心がけて走っていました。残念だったのは、フルコースコーションの出るタイミングが一度も私たちに有利に働くものにならなかった点です。ゴールが近づいてからは、ライバル勢との間にピットタイミングのズレが生じており、レース展開によってはさらに上位へ進出する可能性があったのですが、そのようなレース展開にはなりませんでした。その上、ターボのウェイストゲートが壊れてブースト圧がかからなくなり、パワーがフルに得られなくなっていました。最後のリスタートで何台かにパスを許したのは、そのような理由があったからでした」
佐藤琢磨(8位)
「スタートから厳しい戦いになりました。2回目のリスタートで前を走るマシンと接触し、フロントウイングが壊れてしまったので、ダメージを負ったマシンでレースの大半を戦うこととなりました。フロントウイングを交換する前、私たちの順位は15番手まで落ちていました。ウイングを換えてからはペースを上げることができ、何人かライバルをパスすることもできました。レースでは多くの課題が見つかりましたが、ゴールまで戦い抜くことができました。チームのクルーたちのがんばりに感謝したいと思います」
アート・セントシアー|HPD社長
「シーズンのスタートとしては、残念なレース結果であることは明らかです。しかし、私たちは今日のレースから学習し、HPDのスタッフ全員がチームとして一丸となり、表彰台のトップへと戻れるよう全力を尽くします。今日のレースでは、スコット・ディクソンが目覚ましい走りをみせてくれました。彼の奮闘ぶりをたたえたいと思います。また、佐藤琢磨とA.J. Foyt Racingのチームが、週末を通して優れたパフォーマンスを発揮していました。彼らは今シーズンに向けてチームの実力を一段アップさせており、私たちに活気を与えてくれています」