Team KYGNUS SUNOCO
Formula NIPPON RACE REPORT
Round7-MOTEGI
DRIVER:HIROAKI ISHIURA
CIRCUIT:1LAP=4.801379km
RACE1:23LAPS(110.43km) RACE2:34LAPS(163.25km)
■難しいコンディションの2レースで、いずれもポイント獲得。
今年のフォーミュラ・ニッポンのシリーズ最終戦を迎えたのは、ツインリンクもてぎ(栃木県)。今回は通常通り土曜に予選を行い、日曜の午前・午後にそれぞれ1回ずつレースを行う2レース制で開催された。
11月5日(土)、午後の天候は曇り。予選Q1は14:00~14:20の20分間で行われた。石浦はセッション最後のニュータイヤでのアタックで6番手、この順位は決勝レース1のグリッドとなるため、6番グリッドに決定した。Q2は14:30~14:37の7分間。セット変更を加えて臨んだこのセッションでは、1つポジションを落として7番手。Q3へ駒を進めた。最終ステージQ3は、14:47~14:54の7分間。決勝レース2のグリッドは、通常通りQ3の結果を含めた最終結果順となる。石浦は懸命のアタックでタイムアップを果たすも、僅差ながら7番手。これがレース2のグリッド順と決定した。
11月6日(日)、前夜からの雨が路面に残り、重く曇った空が頭上に広がった。時折ポツポツと雨粒が落ち、開始前にはウェット宣言が出され、レース前のウォームアップ走行は急きょ8分間から13分間の走行に延長された。路面はセミウェットのため、レインタイヤ、ドライタイヤどちらを使用するかの選択を迫られたが、石浦はドライタイヤを選択。10:15のフォーメーションラップ開始に続き、全23周のRACE1がスタート。開始時の気温19℃、路面温度20℃。石浦は上手くスタートを決めたものの、1コーナーでの混乱で痛恨のスピン。14番手まで順位を落とすことに。しかし、もともとマシンは快調なだけに、6周目には早くも9番手まで順位を回復。その後も難しいコンディションの中、他車の戦線離脱により7番手に順位を上げると、さらに1つポジションを上げ、6位でチェッカーを受けた。
インターバルでは止んでいた雨が、RACE2を前にマシンがグリッドについた頃から再び降り始め、だんだんと雨量を増していた。グリッド上でウェットタイヤを装着し、14:30に全34周のRACE2フォーメーションラップがスタート。開始時の気温18℃、路面温度19℃。石浦は1つポジションを落として7番手になったものの、雨が強くなりコンディションが悪くなる中、序盤はしっかりとポジションキープ。8周目、視界が悪くなったことによるアクシデントが発生、接触したマシンのパーツ回収のため、10周目にはセーフティーカー(SC)が導入される。しかしこのSC導入で更なる多重クラッシュが発生、レースは赤旗中断となる。この時点で石浦は6番手。15:15にSC先導で再びレースは再開。
15周目でSCがコース上からいなくなったが、各車あまりにもひどい雨のために、前車との間隔を開け最低限の視界を保っての走行を続けた。石浦は、難しいコンディションではあったが最後まで無事レースを続け、6位でチェッカーを受けた。2レースともに6位でそれぞれ1.5ポイントを獲得、通算17ポイントの獲得により、シリーズランキングは6位となった。
⇒石浦宏明のコメント:
「予選では、まずはインターバルで行ったセット変更を中古タイヤで確認しました。クルマのバランスが良くなっていたので、そのまま微調整をしてセッション最後にニュータイヤを履きました。ポジションは6位でしたが、2番手とのタイム差はほとんどなかったので、そのままアジャストしてQ2を走りました。どんどんバランスが良くなっていったのですが、コンディションに合わせてのタイムアップが少なかったので、これが100%良い方向性ではなかったのかなと。でもできるだけのことはやれたと思っています。レース1は1コーナーでポジションダウンし、そこから全力で追い上げ、なるべく早く前に上がれるようにどんどん抜いていきました。最後は他車の脱落もあって6位まで上がれて、クルマのバランスもすごく良かったですし、もっと前からスタートできていればさらに上が狙えたんじゃないかと思うと悔しいです。レース2では、スタート前のウォームアップ走行の時点で、クルマの状態に良い手ごたえがありました。ただスタート前に雨が降り始めたためレインタイヤでのレースとなり、スタート直後は視界がまったくなく、かなりリスキーな状況で、コースアウトしないように走るのが精一杯でした。途中SCが入りましたが、その時の雨量があまりにも多く、レースを続行するのは危険と感じましたがレースは再開。再開後も全車が視界が保てるギリギリの間隔で走行するしかなく、それぞれが前車の巻き上げる水煙の中でいかにコースアウトせずに走れるかという状況になってしまったので、あの状況でレースをするべきではなかったと僕は思っています。最後に2戦連続で入賞できて、前戦の菅生から、シーズンの終わりに良いレースができるようになって、チーム全体で良い終わり方できたのではないかなと思います。」
⇒土屋武士 監督のコメント:
「予選は、コンマ1秒挙げれば2番手、3番手には行けるような僅差でQ2、Q3を迎えて、その中で石浦は少し伸びしろが足りなかったので逆に7番手に順位を落とすことになってしまいました。決して戦闘力がないというわけではないですが、全てにおいて少し足りなかったなという感想です。レース1では、直前のウォームアップでウェットタイヤでもスリックタイヤでも履ける機会があり、その両方で良いパフォーマンスを見せ、期待の中でスタートを迎えましたが、1コーナーの接触は残念なアクシデントでした。でもその後のリカバリー、最後尾からのオーバーテイクは、ウォームアップの調子そのままにガンガン行ってくれて。簡単に抜けない中で結果6位になったというのは、今年の彼のパフォーマンスが上がった証明でもあると思います。Q2ではスタート直前に雨が降ってきて、危険な状況の中すごく気持ちのコントロールも難しく、集中力を保つのが難しい中で最後まで走ってきてくれたというのは良かったなと思います。シリーズ戦最後のレースを入賞でチェッカーを受けられたというのもすごくポジティブな結果です。一年間支えて下さった皆様に感謝したいと思いますし、その期待に応えられるようにこれからも努力を続けたいと思います。ありがとうございました。」
