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スーパーGTニュース

投稿日: 2012.11.20 00:00
更新日: 2018.02.16 12:58

脇阪「もっと進化を続けて頑張りたい」


【SARD WEB NEWS】 JAF-GP FUJI SPRINT CUPレポート

■DENSO KOBELCO SC430
JAF-GP富士、
第1レースは赤旗終了で11位
第2レースは8位フィニッシュ
http://www.sard.co.jp/race_r/r2012/rdsp/report.html

2012 SUPER GT 特別戦「JAF Grand Prix – FUJI SPRINT CUP 2012」(11/16-18)
富士スピードウェイ(1周4.563km)

入場者数:16日予選8,000名、17日決勝19,000名、18日決勝41,300名 合計68,300名

 SUPER GTの特別戦となる「JAF Grand Prix – FUJI SPRINT CUP 2012」の第1レース決勝が11月17日(土)行われ、悪天候の中で4番グリッドからスタートした石浦が駆るDENSO KOBELCO SC430は、序盤に順位を落とす苦しい展開で、12周目セーフティカー導入中に赤旗終了となり結果は11位に。翌18日(日)第2レース決勝は、前日の豪雨から一転、爽やかな快晴の中で行われ、10番グリッドからスタートした脇阪が1周目に一時14位に順位を落とすも反骨の闘志で追い上げ、8位フィニッシュを果たした。

 今季のモータースポーツを締めくくるビックイベント「JAF Grand Prix -FUJI SPRINT CUP 2012」は富士スピードウェイが舞台。フォーミュラニッポンとの合同イベントで、GT500は2レース開催。GT500クラス総合優勝チームには国土交通大臣賞が授与される。またドライバー東西対抗戦や往年のドライバーが参加する86によるレジェンドカップも行われ、見所いっぱいの国内最大級のイベントとなる。第1レースに石浦宏明(東軍)が、第2レースには脇阪寿一(西軍)が出走。レース形式は、16日(金)に練習走行60分間と予選20分間×2回(第1レース/第2レース)が行われ、22周(約100km)で競う決勝は、17日(土)第1レース決勝、18日(日)第2レース決勝が行われる。全車ノーウェイトでピットインもなし。レース距離が短く燃料搭載量も少なく済むため、超高速全開バトルが展開される。シリーズ戦を終えた各ドライバーが虎視眈々と金銀銅のメダルを狙っており、DENSO KOBELCO SC430も剛毅果断に勝利を目指して攻めていった。

■予選

 16日(金)午前の公式練習走行は、山頂を雪化粧でまとった富士山を筆頭にサーキット周囲の山々がくっきりと浮かび上がる雲一つ無い快晴。気温13度/路面温度18度のコンディションの中で、10時から1時間の混走セッションが始まった。このセッションでは2人のドライバーとも必ず走行しなければならず、まず脇阪からニュータイヤを装着してコースイン。ブレーキオイルを撒いたクルマがあったためコースは滑りやすい状況であったが、脇阪はニュータイヤの感触を確かめながらクルマのバランスをチェック。全体的に若干オーバーステア傾向であったことから、リアのダウンフォースを増やして再度コースイン。1分33秒411の9番手タイムをマークして石浦と交代した。石浦のドライブでコースインしたDENSO KOBELCO SC430は、まずはユーズドタイヤで好タイムをマークしながら確認の走行。最後に同じくニュータイヤの感触を確かめて1時間のセッションを無事終えた。公式練習走行では31周を走行し、脇阪の自己ベスト1分34秒411の13番手となった。

<16日(金)>第1レース公式予選:石浦がステディに4番グリッド獲得!

 気温14度/路面温度17度のドライコンディションで第1レース公式予選が開始され、石浦は直ぐにコースインをして5周目に1分32秒136の9番手タイムをマーク。クルマのバランスはOKとコメントした石浦は、2アタック目のため残り7分ほどで再度コースイン。この時、他車も同様に残り7分ほどで一斉にコースイン。緊迫したアタック合戦が繰り広げられた。クルマを左右に大きく振るウェービングをしながらタイヤに熱を入れ、前後タイヤの温まりをアタックラップに均一にピークが来るように調整し合わせ込むステディな走りで、いざアタックへ。前半の高速セクションとなるセクター1,2で自己ベストを刻んでいった石浦。最終セクターでも大きくタイムを稼いで決め込んだタイムは、コースレコードとなる1分31秒287。見事にセカンドロウとなる4番グリッドを獲得してみせた。

<16日(金)>第2レース公式予選:脇阪が奮闘見せるも10番グリッドに

 気温12度/路面温度14度と冷え込みが強くなった第2レース公式予選。脇阪は走行前にクルマの状態などをデータグラフで石浦と共に確認。頭の中で走りをキッチリ組み立ててクルマに搭乗。直ぐにコースインをして4周目に1分32秒415の5番手タイムをマークした。100Rでリアが出るとのことでリアウイングを調整。期待がかかる2アタック目、全車が残り7分ほどで再度コースになだれを打つかのごとく一斉にコースイン。この流れの中で前後との間隔およびタイヤをどう温めていくかの両立は非常に難しいものとなった。自己のウォームペースで何台か後続をパスさせた後に計測3周目のアタックラップに合わせていった脇阪。奮闘を見せる走りでセクター自己ベストを刻んで駆け抜け、好タイムの1分31秒660をマークしたが、ライバル勢に惜しくもかわされてしまい10番グリッドとなった。

■決勝

<17日(土)>第1レース決勝:石浦宏明
 あいにく前線の影響で冷たい雨が降りしきるウェットコンディションとなった中、GT500クラス第1レース決勝のスタート進行が開始。15時15分フォーメーションラップ開始時点は、気温12度/路面温度11度と非常に低い路気温となった。走りながらのローリングスタートではなく、グリッドに停止した状態からのスタンディングスタート。石浦は、4番グリッドにクルマをつけるも、水の量の多い路面コンディションの悪さを訴えた。

雨中の波乱のレースは12周目に赤旗終了、石浦は11位に

 8分間のウォームアップ走行中にグリップ不足と雨量の多さでの危険性を訴えていた石浦。スタートダッシュで先行を許し、1コーナーは7位で通過。最終セクターでは9位で進入するなど苦境となったオープニングラップは11位となった。ハーフスロットルでもハイドロ現象で浮いてしまい、リアからあっという間にスピンしそうになるほどの悪コンディション。10位での5周目の1コーナーを過ぎたところで川にのって突然のスピンを喫し、危うく接触は避けられたが14位となった。その後、再び11位まで挽回。そこからの追い上げを目指したが8周目にSCが導入された。そのペースにさえ中々追いつけなく、氷上をいくかのような不安定さで、修正舵を常に当てながらステアリングと格闘する状況となった。コースに踏みとどまるのが精一杯となった悪天候の波乱の第1レースは、結局12周目SC先導中にレース続行は不可能と審査委員会が判断し赤旗終了。順位はそのまま11位での記録となった。

<18日(日)>第2レース決勝:脇阪寿一

 前日の豪雨から一転、爽やかに晴れ渡った快晴の中で華やかなオープニングセレモニーが行われ、西軍キャプテンの脇阪は声高らかに選手宣誓。その後、フォーミュラニッポン決勝、レジェンドカップ決勝、GT300第2レース決勝と行われ、いよいよトリとなるGT500クラス第2レース決勝が、陽が陰り始め気温13度/路面温度14度の中で開始された。スタート前、無線で冗談交じりのリラックスしたコメントながら、10番グリッドの脇阪は虎視眈々と追い上げを狙っていった。

脇阪がレース終盤に追い上げ8位フィニッシュ

 スタート直後の1コーナーからヘアピン、そして最終セクターへと激しいポジション争いが展開。出だし思うようにペースが上がらず、つばぜり合いが続く中で、オープニングラップは14番手となった。だが、ここから反骨の闘志で逆境を跳ね返す走りを脇阪が見せてくれた。7周目以降1分35秒台で快走するペースは、その時点でのトップペースと同等。後半が勝負と語っていた脇阪はペースの落ちてきた上位との間合いを詰めていった。前を行く集団の後方を走るクルマを捉えていき、12周目の1コーナー進入で17号車をパス。さらにポジションアップのチャンスを虎視眈々と狙う脇阪は、1分36秒台の好ペースで追走していった。15周目には35号車を抜き去り、前の18号車とのギャップを削っていった。路温が下がり西日が眩しくなった中盤以降も好ペースを維持する脇阪は、19周目に8号車を攻略し、序盤に14位に落ちた順位を8位にまで上げる意地を見せた。だが追い上げもここまでとなりチェッカー。今季最後のレースは8位フィニッシュとなった。

■脇阪寿一
「スタートでちょっと出遅れてタイヤが温まるのにも時間がかかって後続に飲み込まれてしまいましたが、その14位から8位フィニッシュまで何とか精一杯頑張って持っていくことができました。今季最後のレース、これで全日程を無事に終えることができました。皆様には多大なる応援を頂き本当に感謝しています。これからも、もっと進化を続けていき頑張っていきたいと思います。引き続きご声援のほど、よろしくお願いいたします。それでは皆さん、次は11/25のTGRFでお会いしましょう!」

■石浦宏明
「セカンドロウの4番手からスタートと好位置からでしたが、決勝は酷い雨のコンディションで、クルマ的に他車に比べてハイドロに弱い部分があって、タイヤも発熱せず残念な感じになってしまいました。あれ以上のペース、そしてレース続行は本当に危ない状況でした。今季最後のレースだったので、晴れのドライで勝負したかったですね。応援していただいている皆様のおかげで、今季全レースを無事に終えることができました。本当にありがとうございました。また来季に向けて頑張っていきますので、ご声援のほどよろしくお願いいたします」

■大沢尚輔 監督
「今回のJAFグランプリは、2人のドライバーとも、その状況の中で精一杯のドライブで頑張ってくれました。普段とは違うフォーマットのレースで、クルマの違いが良く分かったレースになったか思います。来季への課題は山積していますが、次のステップに上がって来季目標に向けて頑張って行きたいと思います。応援して頂いた皆様、今季1年間温かいご声援誠にありがとうございました」


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