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スーパーGTニュース

投稿日: 2012.10.05 00:00
更新日: 2018.02.16 11:49

谷口「前車を抜くポテンシャルがないのが痛い」


BMW Motorsport
Customer Racing Team

GSR & Studie with TeamUKYO

2012AUTOBACS SUPER GT
ROUND7IN KYUSHU 300km RACE

#0DRIVER 谷口信輝 片岡龍也
#4DRIVER 番場琢 佐々木雅弘

0号車5位完走
4号車12位完走

 2012年9月29日・30日の2日間、2012AUTOBACS SUPER GT シリーズ第7戦『SUPER GT INKYUSHU 300km RACE』 が大分県のオートポリス インターナショナルサーキットで行われた。今回のオートポリス戦は、チャンピオンシップを争う権利を残せるか否かを決する戦いである為、チームは必勝を胸に誓い九州に向かった。シリーズ唯一の左回りサーキットである今回の舞台はストレート区間の短いテクニカルコース。マシンとの相性は悪くない。予選は第6戦に引き続きシーズン4度目の3ノックアウト方式。0号車は、谷口信輝と片岡龍也がドライブ、4号車は番場琢と佐々木雅弘がドライブする。

9月29日(土)練習走行・予選
練習走行
 オートポリスの初日は台風17号の影響で土砂降りの中スタート。標高の高いサーキットだけに、霧の影響などでクローズしてしまう事があり走行も危ぶまれたが、練習走行はスケジュールどおり9:00に開始された。0号車は谷口選手、4号車は番場選手が乗り込み、チームは2台をコースに送り出す。0号車と4号車はウォータースクリーンで視界の悪いコンディションの中、まずはマシンのCHECK を行いPITに戻る。両マシンともシステム異常なし。谷口選手、番場選手ともに再びコースへ向かい、予選へ向けたセットアップの確認を開始する。この時点でのタイヤはいわゆるレインタイヤ。0・4号車ともマシンの感触は悪くないが、ペースを上げてのアタックは行わず0号車が6~9番手、4号車は10~15番手のポジションで練習走行の前半は推移する。

 12周目に谷口選手のドライブする0号車はPIT に戻り、ドライバーを片岡選手に交代。片岡選手は天候が回復したタイミングでインターミディエイトタイヤに履き替え、クラス2番手となる1分53秒330を計測する。その後、再び谷口選手がステアリングを握りタイヤの感触を確かめた後、0号車はこのセッションを終えた。4号車は佐々木選手が第6戦のペナルティで後半1時間の走行しか許されない為、番場選手が24周目まで走行を担当。番場選手は23周目にクラス7番手となる1分55秒408を計測し佐々木選手とドライバー交代した。佐々木選手は自身初走行となるオートポリス習熟に集中し13周走行。4号車は8番手で練習走行を終えた。

公式予選 Q1
 今回は0号車が谷口選手・片岡選手・谷口選手の順、4号車は番場選手・佐々木選手・番場選手の順で予選を担当する。公式予選一回目(Q1)は定刻どおり14:00に開始。コースは練習走行後から強まった雨で再びWET 宣言が出され、ライトオンが指示される。谷口選手のドライブする0号車は計測1周目に2分9秒675で4番手タイムを計測。その後、計測6周目にその時点での7番手タイムとなる2分4秒449を計測し、11番手のポジションでQ2へコマを進めた。一方、番場選手の4号車は計測1周目からペースが伸びない。こちらも計測6周目にQ1でのベストタイム2分8秒087を計測するが、ポジションは19番手。4号車はこのQ1で第7戦の予選を終えた。

公式予選 Q2
 Q2は定刻から5分遅れて14:45にスタート。片岡選手はセッション開始直後、集団のやや後方からコースインした。0号車は計測1周目が10番手、計測2周目は9番手タイムとクリアラップを取る事が出来ず、タイムが思うように伸びない。迎えた計測3周目、遂にクリアラップが取れるかと思われた矢先に31号車がコースオフする。セッションは残り時間1分半で赤旗中断。この時点で0号車のポジションは10番手。Q3への進出はぎりぎりのポジションだ。残り時間の関係上、Q2はこのまま終了するかと思われたが、残り時間3分30秒でセッションは再開される。アウトラップに続いて計測1周がぎりぎりの時間だ。片岡選手はクリアラップが取れない中、2分00秒537のこのセッションのベストタイムを計測するが、赤旗中断前に11番手だった43号車がこのタイムを0秒151上回る2分00秒386を計測した為、0号車は11番手となり、Q3への進出を逃した。

8月30日(日)決勝
天候:雨/コース:ウェット
 この日の天候も前日の予報どおり雨。このコースの悪天候につき物の濃霧に包まれて決勝日はスタートした。9:20からのフリー走行は視界不良のため、開始直後に中断。11:00~11:30のスケジュールで再開が予定されたが、コースコンディションが好転せず、フリー走行は中止された。

 天候はその後回復に向かい12:55からのウォームアップ走行は定刻どおりスタート。0号車と4号車は前日の予選結果を受け、11番と19番のスターティンググリッドに着いた。決勝開始前のグリッドウォーク中、コースコンディションはさらに向上し、ドライタイヤで勝負に出るか手堅くインターミディエイトでスタートするかチームは判断を迫られるが、0・4号車とも最終的にインターミディエイトを選択。前日の練習走行でも感触が良かったタイヤだけに、チームは必勝を期して決勝へ挑んだ。この第7戦は0号車が谷口選手、4号車は番場選手がスタートドライバーを務める。

 14:00、決勝は定刻どおりにセーフティーカー先導でスタート。ローリングラップから2周コース上に残ったセーフティーカーは3周目にPITロードへ向かい、戦いの火蓋は切って落とされた。

 レースが事実上スタートした3周目のコントロールライン通過時点、谷口選手のドライブする0号車はポジションを一つ上げ10番手で通過。4号車も番場選手がポジションを2つ上げ、17番手で通過した。この時、0号車の目の前には33号車。両車のギャップはほとんどなく、0号車と33号車はレース序盤からテールトゥノーズ・サイドバイサイドの激しい戦いを繰り広げる。一方、17番手の4号車は7周目に前を行く43号車をパス。8周目のコントロールラインを16番手で通過した。11周目、それまで6番手を走っていた52号車がコースオフ。これによって12周目からレースは再びセーフティーカー先導となり、0号車は8番手・4号車は15番手のポジションで隊列を組み直す事になる。レースは15周目に再開。谷口選手のドライブする0号車は直後の16周目にこのレース中のベストタイム1分54秒686を記録し、続く17周目には2台前の11号車をオーバーテイク。そのポジションを7番手に上げた。

 0号車の前を行く33号車、そして後ろにつく11号車の3台が一進一退のバトルを繰り広げていた26周目、今度は前方4番手を走行中の87号車がマシントラブルでコースオフ。0号車はポジションを6番手に上げ、4号車も同時に14番手へポジションを上げる。レースが中盤を迎えた31周目、0号車は上位陣としては最も早くPIT へ向かい、片岡選手にドライバー交代。0号車は13番手のポジションでコースに復帰した。

 しかし35周目、コースに戻った0号車にドライブスルーペナルティが科せられてしまう。理由はピットロードの速度違反。0号車は38周目にドライブスルーを実施。10番手まで上げていたポジションを再び12番手に落としてしまう。

 一方、番場選手のドライブする4号車は23周目の1分56秒020を筆頭に安定したペースでレースを進めていた。4号車は番場選手のスティントを長く取り、40周目に3番手のポジションでPIT イン。換わった佐々木選手は14番手でコースに復帰した。ペナルティ実施後の0号車はその後43周目に88号車をオーバーテイクし7番手に、46周目には27号車をパスして6番手にポジションを上げる。佐々木選手のドライブする4号車はその頃12番手を走行。55周目に3号車のリタイアでそのポジションを11番手に上げるが、ゴール目前の59周目、5号車にオーバーテイクを許し12番手に後退。4号車は12位でこのレースを終えた。0号車も同じく55周目の3号車のマシントラブルで5番手に浮上。その後もチェッカーまで安定した走りを見せ5位でこのレースを終えた。

■鈴木康昭 エントラント代表
応援ありがとうございました。
【0号車】
チャンピン連覇の可能性が消えてしまったことに、非常に申し訳なく思っています。せめて1%でも可能性を残して最終戦を戦いたかったのですが、残念ながらできませんでした。連覇を信じて応援してくださった方々に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
【4号車】
予選19番手から、番場選手は長いスティントを、佐々木選手は初めてのオートポリスを、よく頑張ってくれました。しかし、予選順位が悪すぎたこともあり、12位という非常にふがいない結果に終わってしまいました。チャンピオン連覇は消えてしまいましたが、気持ちを切り替えて、最終戦のもてぎに向けて頑張りたいと思います。

■大橋逸夫 総監督 / 0号車監督
2台とも残念な結果でした。このレース(第7戦)の流れが悪かったというより、大きなミスはないけど、色々な要素が噛み合ないという感じです。突き詰めていけば原因はあるのですが、現時点では「どういう方向性にしたらそれを正せるのか」がまとめ切れていない状況です。最終戦に向けて詰めていきたいと思います。

■片山右京 スポーティングディレクター / 4号車監督
【4号車】
12位という結果は残念の一言。スタート直後は良くなかったが、セーフティーカーの後はバランスが良くなりペースも上がりました。4位集団と後ろ15~6位までペースが変わらず、ワンチャンスで上がれる状況ではありました。タイヤ無交換という選択もありましたが、ギャンブルはせずにインターミディエイトを履いて佐々木選手へ交代。(番場選手が競っていたマシンに)アウトラップで先行を許すものの、徐々にタイム差を詰め追いついていたのですが、500クラスの処理等タイミングが合わないところで後ろから来た車に抜かれるなど、残念な展開でした。フリー走行では8番手タイムが出ているので、予選Q1で落ちてしまったことも本当に残念。Q1を突破してればもう少しいいポジションでゴールできたかもしれません。色々な要素が噛み合ないのは非常にもったいない。次は最終戦。ビシっと頑張ります。

【0号車】
予選のスタート位置が大きく影響しました。Q3へ進めていたら、優勝争いをしていてもおかしくない展開だったと思うのですが・・・。序盤、33号車と谷口選手の果敢なバトルがありましたが、ストレートスピードはポルシェが有利ということもあり、苦しいバトルになりました。その後も勝負を掛けたいので、タイヤなど色々なことを模索しながらの走行となりましたが、コンディションも好転せず耐えるしか無いレースでした。片岡選手のペナルティも残念ではありましたが、片岡選手にはめずらしい年に1回あるかないかのミスです。こちらも細かい要素が噛み合っていたら優勝争いもありました。ミスはありましたができることは全てやって、チャレンジした結果だと思います。今シーズンは全体的に厳しいですね。チャンピオンはなくなりましたが、次戦は最終戦。引き続き応援宜しくお願いします。

■谷口信輝 選手
雨が降って、霧が出て、また降って・・・雨のレースになってしまいました。雨が止めば使える秘策を色々と準備はしていたのですが、コースコンディションも好転せず耐えるしか無いレースでした。その秘策も発揮できず、ポルシェのブロックもかわせず、何もできないまま、淡々と消化されるレースになってしまい残念です。チャンピオンの可能性もこのレースで消えてしまいました。車とタイヤは悪くなく、干渉なく300kmを走ればトップグループと遜色無いタイムが出ると思うのですが、「前の車を抜くポテンシャルがない」というのが痛いところです。あともてぎがありますが、なんとかもてぎこそはいい位置で有終の美を飾りたいと思います。

■片岡龍也 選手
昨日の予選ポジションが影響して、谷口選手のパートから場所が悪く、前に上がることができないレース展開でした。ドライバー交代後にピットロードでのスピード違反によるドライブスルーペナルティを受けてしまいましたが、その後のペースはよかったので、あのドライブスルーペナルティがなければ、ワンポジションを上げられたのではと思います。予選のタイミング、ペナルティ・・など、自分にとっては流れの悪い週末になってしまいました。チャンピオンは消えてしまいましたが、最終戦は気持ちよく締めくくれるように、今回の分も頑張りたいと思います。

■番場琢 選手
第7戦では佐々木選手とのペアでの過去最高位を狙っていました。今シーズンは、岡山、富士と、ウェットで失敗をしてしまっていましたが、予選前の公式練習からオートポリスはウェットもいいフィーリングでした。いいポジションを狙えると思ったのですが、予選Q1でタイムが出し切れず19位からスタート、決勝での結果は12位でした。決勝のペースは悪くなかったと思うのですが、前半はバトルしたり押さえたり、前に引っかかったり・・と思ったようにペースがあげられず前半にそこのポジションにしかいられなかったことが響いて結果12位。またひとつ、僕たちの課題が見えたレースでした。次の最終戦は悔いの無いレースをしたいので、チームみんなで話し合いを重ね、戦略、走り、車のセット、レース配分、全てを攻めて、集大成となるレースにしたいです。

■佐々木雅弘 選手
お疲れ様でした。今回の第7戦がオートポリスでの初走行となったのですが、予選前の練習走行が5周、決勝前フリー走行が中止・・・と、走り込む時間がなく、自分なりにできることは全て出したつもりですが、かなりキツい状況での決勝となりました。コースに対して経験や研究が足りないことに重ね、雨量の変動もあり、攻め続けないといいタイムは出ませんが、攻めた結果にスピンやコースアウトをしてしまうタイムロスよりも少しずつ攻めながら、その限界地点を探りながらの走行。終盤に向けて徐々に路面は良くはなりましたが、一番良い状態での走行を経験していないためになかなかペースをあげることができず、非常に苦しいレースでした。次は最終戦。2010年は予選2位のタイムを出せているコースなので、全力を出し切っていいレースをしたいと思います。


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