第7戦 オートポリス 決勝レポート (GT500)
結果出ずも野尻の走りに高評価
今朝のオートポリスは気温が低く、真冬の一歩手前の冷え込みだった。日中は気温が上がる予報があったものの、午前のセッションではタイヤの選定を慎重に行った。車のバランスは昨日よりも向上し、決勝でのポジションアップが期待された。
スタートは野尻智紀。野尻は序盤、様子を見ながらポジションをキープしていた。9周目あたりから徐々に300クラスの車に追いつき、勝負どころと判断した野尻は前車が300クラスの車の処理に手間取っている間にポジションを2つ上げて11番手を走行していたが、2周後には更にひとつポジションを上げてポイント圏内まで辿り着いた。野尻の勢いは止まらず、21周目までに7番手までポジションを上げる事に成功した。午前で試したセットも上手くいったようだ。
6番手とは少し差が開いてしまったが、野尻は少しでも前車との差を縮めるべく、プッシュし続けた。30周を過ぎたあたりからそろそろルーティンのピットインになるので、野尻は更にプッシュしたが、33周目に勢い余ってコースアウトしてしまった。コースには雨が降り始めていて、いわゆる”ちょい濡れ”で、コントロールが難しいコンディションだった。ここで、最後尾までポジションを落としてしまった。ペースが良かっただけに、非常に残念ではあったが、野尻の攻撃的な走りは賞賛に値するだろう。
34周目にバトンを受けた松浦孝亮はトップグループと遜色ないペースでラップを重ねていった。前車の脱落もあり、最終的には14位でレースを終えたが、最終戦に望みをつなげる収穫の多いレースだった。
鈴木亜久里監督のコメント
「残念の一言だけど、車のバランスが飛躍的に向上して、長いトンネルから抜け出せた感じ。今までも悪くなかったんだけど、安定性が無かった。最終戦はフリー走行から良い所を見せたいと思っている」
佐藤真治エンジニアのコメント
「昨日の予選からの流れで、そのままのセットで走り始めました。タイヤのチョイスも良くて、野尻もとても良いペースで走ってくれました。車のパフォーマンスはだいぶ良くなってきていると思います。後半のスティントは路面が濡れていたので、ソフトタイヤで行ったのですが、良い所、悪い所が見えたので、次のレースに向けて収穫があったレースと言えます」
松浦孝亮選手のコメント
「前半の野尻は今年のベストレースとも言えるほど素晴らしいペースでレースを運んでいました。ミスは残念でしたが、後半のボクのスティントは雨が降る予報だったので、ソフトタイヤで行きました。ここでも非常に良いペースで走る事が出来たので、結果は出ませんでしたが、非常に収穫の多いレースだったと思います。残り1戦ですが、この収穫を生かしていきたいです」
野尻智紀選手のコメント
「途中まではどんどん抜いていく事が出来ましたし、300クラスの抜き方も抜くタイミングや抜く場所も計算しながら出来たので、とても良いレースが出来たと思います。しかし、自分のスティントの終盤で、交代前にもう少しプッシュしようと思ったらコースアウトしてしまいました。自分のミスで作戦も台無しになってしまったので、反省していますが、攻める姿勢は変えずにこれからもチャレンジしていきたいです」
