スーパーGT第4戦は20日、宮城県のスポーツランドSUGOで81周の決勝レースが行われ、雨が降ったり止んだりを繰り返す不安定なコンディションの中、コース上に留まり続けた立川祐路/平手晃平組ZENT CERUMO RC Fが2番手以下に1分20秒の差をつけ優勝を飾った。
午前中に降り続いた雨も止み路面は少しずつ乾き始め、多くの部分にウエットパッチが残りながらもレコードライン上はドライ。全車がスリックタイヤを履いて3周のフォーメーションラップがスタートしていった。しかし、フォーメーション2周目になんと細かな粒の雨がSUGOに降り注ぎ始める。
乾きかけの路面はあっという間にウエットになりはじめ、スタートと同時にポールポジションのPETRONAS TOM'S RC Fをはじめ、ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTなど6台ほどがピットに向かい、スリックタイヤからウエットに交換。一方、2番手のRAYBRIG NSX CONCEPT-GTをはじめその他のマシンはコース上にステイし、スタートを切っていった。
スタート直後、RAYBRIGに一気に襲いかかったのはKeePer TOM'S RC F、ZENT CERUMO RC F、ENEOS SUSTINA RC Fといったレクサス勢。コース上はかなりスリッピーな状況だったが、RAYBRIGを一気にかわすとレクサスがトップ3を占めることに。一方、ウエットタイヤを装着したマシンのタイムが気になるところだが、なかなかスリックとウエットのタイムが入れ替わる、チェンジオーバーは起きない。そうこうするうちに、10周に満たないあたりで雨は止み、スリック勢のタイムが向上。ウエットを装着した組はあえなく再びスリックに交換することになってしまった。
これでトップ3はレクサス勢の争いとなるが、序盤素晴らしいスピードをみせたのは平手晃平駆るZENT CERUMO RC F。13周目のSPコーナーでKeePerをかわすと2番手以下に大きなマージンを築いていく。上位陣はこれで落ち着きをみせはじめ、同じくステイしたカルソニックIMPUL GT-R、S Road MOLA GT-RらGT-R勢が続いていった。
トップ3はルーティンストップを終えてもポジションの変動はなく、昨年のSUGOで苦杯をなめたZENT CERUMO RC Fがトップのまま終盤戦を迎えていく。しかし、63周あたりから再びSUGOには雨が降り出す。少しずつ路面は濡れはじめ、一気にスリッピーになっていった。
これを見てDENSO KOBELCO SARD RC F、カルソニックIMPUL GT-R、そして3番手を走っていたENEOS SUSTINA RC Fらがピットに向かい、ウエットタイヤに交換する。数周は完全にウエットの方がラップタイムが10秒ほど速かったが、トップのZENT、そして2番手KeePerはコース上にステイ。雨は降ったり止んだりを繰り返し、KeePerが74周目にコースアウトするなど、どのタイヤが正解なのか分からない展開となっていった。
そんな中、スリックでコース上に留まっている中で図抜けた速さで追い上げをみせてきたのは、塚越広大駆るKEIHIN NSX CONCEPT-GT。PETRONAS、そしてウエットを履くENEOSを相次いでかわすと、1周4〜5秒違うラップタイムで2番手KeePerとの差を詰めていった。
一方、塚越の目前を走っていたのは、KEIHIN含め13台をラップダウンにし、ウエットながらしっかりとコースに留まり続けた立川祐路駆るZENT CERUMO RC F。他のマシンが複数回ピットに入るような展開の中、ルーティンの一度のみのピットストップで、序盤に平手が築いたマージンをしっかりと活かし今季初優勝。昨年の借りを返す勝利を飾ってみせた。
2位はなんとかポジションをキープしたKeePerで、これでついにランキング首位に浮上。3位にはKEIHIN NSX CONCEPT-GTが入り、ホンダNSXコンセプト-GTの初表彰台をKEIHINの地元で飾ってみせた。ENEOSは終盤、中嶋一貴が追い上げたPETRONASにかわされ、PETRONASが4位、ENEOSが5位に。6位にはDENSO KOBELCO SARD RC Fが入り、終わってみればレクサスRC F勢がトップ6に5台を送り込む結果となった。