全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦は鈴鹿サーキットで43周の決勝レースが行われ、ロイック・デュバル(NAKAJIMA)が優勝。2位はブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)、3位はアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が入り、外国人ドライバーが表彰台を独占している。
曇り空で迎えたフォーミュラ・ニッポン第2戦決勝日だったが、直前の全日本F3の決勝が終わった後から雨が降り始め、全車がグリッドに着く頃には完全に路面はウエットに。雨量を見ながら、直前までグリッド上でマシンのセットアップが進められた。
気温20度、路面温度24度というコンディションの中切られたスタートでは、5番手スタートの小暮卓史(NAKAJIMA)、8番手スタートの立川祐路(CERUMO/INGING)がストール。ポジションを落とす一方、トップのトレルイエは確実にポジションをキープ。2番手にはデュバルが浮上。さらに塚越広大(HFDP)が4番手にジャンプアップした。
序盤数周は車間が広く、それほどバトルやアクシデントが起きなかったものの、4周目の1コーナーで立川がスピン。さらに5周目のヘアピン立ち上がりで国本京佑(Team LeMans)の立ち上がりが鈍り、その直後にいた小暮が追突。小暮はフロントウイングを壊してしまった。さらにアクシデントは5番手にジャンプアップしていた王者松田次生(LAWSON IMPUL)にも降りかかる。塚越を追っていた松田がなんと1コーナーでスピン! グラベルにはまってしまい、なんと無念のリタイヤ第1号となってしまったのだ。
トップのトレルイエは序盤リードを築きはじめるが、12周を過ぎたあたりからデュバルがペースアップ。15周目あたりからトレルイエとデュバルの長く熾烈なバトルが展開される。勝負がついたのは29周目。ヘアピン立ち上がりからトレルイエに並んだデュバルは、スプーンアウト側から豪快にオーバーテイク! デュバルはトップに立つと一気にペースを上げていった。
上位陣で最初にピットに向かったのは4番手を走っていた塚越。次いで翌周に3番手ロッテラーがピットへ。ロッテラーはタイヤを換えずにコースに戻る。さらに、1周ごとに2番手トレルイエ、首位デュバルがピットへ向かう。デュバルもタイヤ無交換戦略を採るが、ピットで給油マンを撥ねてしまい一瞬ヒヤリ。だが給油マンにケガはなく、デュバルもトップで戻った。
後方では、平手晃平(ahead IMPUL)がタイヤ無交換作戦で塚越の前、4番手で復帰。塚越がその後スプーンでややコースオフしたため、平手が4番手をキープ。塚越の後方ではリチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)が6番手となる。
その後レースはデュバルがパーフェクトなレース運びをみせ見事トップでチェッカー! 2位にはトレルイエが入り、ランキング首位を堅持。3位はロッテラーとなった。4位は平手、5位に塚越が入った。6位ライアン、7位に伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)。8位はチェッカー間際まで国本が粘り強く走っていたが、スプーン立ち上がりでスローダウン。チームメイトの石浦宏明(Team LeMans)が8位でチェッカーを受け、1ポイントを獲得した。
なお、フォーミュラ・ニッポンで注目の新機軸と言えたオーバーテイクシステム(OTS)は、このレースではほぼ一度も使われることはなかった。