昨年12月、韓国のコリア・インターナショナルサーキットでの2013年からのスーパーGTシリーズへの開催に向けた仮調印が締結されたが、その具体像が少しずつ明らかになってきた。具体的な開催は2013年5月になりそうで、今季のスケジュールに当てはめるとセパン戦の前にレースが行われることになる。
韓国でのスーパーGT開催については、2011年12月に、F1韓国グランプリを開催しているヨンナムのコリア・インターナショナルサーキットでの開催に向け、現地プロモーターのウ・ミョン・ホールディングスとの間で仮調印が行われた。
スーパーGT第1戦岡山の際に、GTアソシエイションの坂東正明代表は、この韓国での開催は将来の東南アジア展開に向けた一環であると語り、2013年5月を目標に開催に向けて交渉中であることを明らかにした。
また、この際に坂東代表はユニークな試みとして、スーパーGTマシンの輸送方法についても言及した。F1などでは飛行機を使っての輸送が一般的だが、スーパーGTの場合は台数が多いことやコストの関係もあり、これまでも行われているマレーシア戦ではコンテナにマシンと機材を積み込み船便で往復していた。しかし、韓国でのレースについては、博多からフェリーにそのままスーパーGTのトランスポーターを積み込み韓国に上陸、陸送でヨンナムに向かうプランを明かした。
この陸送のプランについては、自由民主党モータースポーツ議員連盟と国土交通省、経済産業省、観光庁、警察庁との協議を経て、韓国の行政とも連携。新しい形でやっていきたいという意向があり、「それがまとまることを我々は切に願っている」と坂東代表は語る。
韓国開催に向けては、現地プロモーターであるウ・ミョン・ホールディングスの視察団がスーパーGT第1戦を訪れている。視察団はオートスポーツwebの取材に対し、韓国でのスーパーGT開催について「韓国のモータースポーツも歴史を重ねているが、なかなか体制が整っていない。今はF1を開催する以外に、特別なインターナショナルシリーズを開催するチャンスを見つけられなかった。そこで、スーパーGTを韓国で開催することによって、韓国モータースポーツの底辺をひろげたい」と語ってくれた。
韓国内では『スーパーレース』というGTカーシリーズが展開されているが、関係者はいずれもスーパーGTを見ており、参考にしているという。「ただ、一般のレースを知らない人たちにどうプロモーションしていくがかが今の課題ですね。地元やスポンサーにも支援してもらえるよう、そして国からも何らかの形で後援してもらえるようにしたい。プロモーターとしてまだやらなければならないことはたくさんあります」と語る。
「ご存知かと思いますが、F1をこれまで2回開催してきて、さまざまな面で評判があまり良くなかったのは知っている。GTを開催するにあたってどういう方向にもっていけばいいのか、より効果が出るようにすればいいのかというのも悩んでいます」
ちなみに、韓国スーパーレースには、リュ・シウォンやアン・ジェモ、キム・ジンピョなど韓流スターもドライバーとして参戦しているが、「彼らもスーパーGTに出場したい希望はあると思います」とのことだった。
韓国では全体的に、フォーミュラよりもハコレースの方が人気があるようで、アジア圏では最高峰のレースと言えるスーパーGTがどう受け入れられるのか、今から注目しておきたいところだ。