2014年に開催を予定している、GT3カーによる新シリーズ『SUPER CAR RACE SERIES』は21日、シリーズの公式ホームページを立ち上げるとともに、シリーズカレンダーと参加車両、格式とフォーマットなどを明らかにした。
このレースは、スーパーGT、スーパー耐久でメルセデスベンツSLS AMG GT3を走らせてきたシフトの代表、竹内浩典が構想していたもの。ヨーロッパを中心に世界各国で使用され、アジアでもカスタマーが増えているFIA-GT3規定の車両を使ったジェントルマンレースだ。
もともとFIA-GT3規定の車両は、ヨーロッパではリッチなジェントルマンドライバーがプロと組み戦うレースで使用されることを想定されており、車両コストは3000万〜4000万程度。FIAや主催者による性能調整(BoP)によって均衡が図られている。
ただ、日本ではスーパーGT300クラス、スーパー耐久のST-GT3クラスで使用されているが、SGTはプロ化が進み、一方でS耐はST1〜ST5クラスの混走と、GT3らしいスーパースポーツの競演といったレースにはなっていない。オートスポーツ誌の中で竹内は「GT3のキャラクターを活かすことができるルール作りをしないと、GT3の市民権はそれほど長く続かないだろう」と訴えていた。
そこで誕生することになったのが、『SUPER CAR RACE SERIES』。竹内は「フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ、マクラーレン、メルセデス、BMW、アウディ、アストンマーチン、GT-R等、
世界のスーパーカーが音速のバトルを繰り広げる迫力あるシーンは、必ずや多くの人々を魅了する事でしょう」と立ち上げのプレスリリースの中で語っている。
初年度となる2014年のシリーズは全6ラウンド。開幕戦はツインリンクもてぎで、その後岡山国際サーキットで2回、富士スピードウェイで2回、スポーツランドSUGOで1回のレースを予定。いずれも給油なしの50分〜60分の時間レースを2戦開催し、ドライバーは2名で、規定によりプラチナドライバーに認定されたドライバー同士のコンビは不可。GTアジア等でも採用されているような、1ポイント1秒のピット停車ハンデが設けられる。
参加可能な車両は3クラス。FIA-GT3車両(年式不問)のカテゴリーIを頂点に、ポルシェやフェラーリ等のカップカーがカテゴリーIIに。改造範囲の狭いFIA-GT4車両がカテゴリーIIIとなる。すでに日本でも多くのエントラントが参加を検討しているほか、今週末に台湾で開催されている『TSFアジアオールスターチャレンジ』のように、アジアのカップカードライバーが“憧れの”日本のコースで走ろうと参戦を検討する可能性も大いにある。
また、このレースでは各スーパースポーツのインポーターによる展示会やオーナーズクラブを招待したサーキット走行会、ホスピタリティスペースの設置やケータリングなど、『クルマ好きな大人の社交場』を作るという。
一方で、スーパーカーをより多くの子どもたちに見せ、クルマにふれ合うことで「『車に対する憧れや夢』を幼い頃から抱いてもらえれば、近年懸念されている若者の車離れの解決策にもつながることと確信しております」としている。
ヨーロッパでは多くのエントラントを集め、盛況のGT3レース。日本ではいったいどんなシリーズが展開されるのか、開幕戦のもてぎまでその動向を注目したいところだ。シリーズの公式ホームページのURLはhttp://www.scr-japan.comとなっている。