スーパーGT第8戦ツインリンクもてぎは24日、今季最後のレースが52周で争われ、PETRONAS TOM'S SC430が優勝、ウイダーHSV-010が2位でチェッカーを受け、小暮卓史/ロイック・デュバル組が今季チャンピオンを獲得。GT300クラスは、このレースでポール・トゥ・ウインを飾ったHASEMI Z&星野一樹/柳田真孝組がチャンピオンとなった。

 雨の心配こそそれほど無かったものの、曇天の下迎えたスーパーGTの今季最終戦。ポールポジションからランキング首位のウイダーHSV-010、2番手からタイトルを争うENEOS SC430がスタートする格好だが、ENEOS SC430はグリッドに着く際の手順違反の表示がスタート前から出され、ENEOS SC430のグリッドの周囲は緊迫の下スタートの時を迎えた。

 スタートでは、ポールのウイダーHSV-010がENEOS SC430を牽制しつつトップで1コーナーをクリア。その後方ではPETRONAS TOM'S SC430のアンドレ・ロッテラーが怒濤の走りでカルソニックIMPUL GT-Rをパスしていく。

 しかしその直後、やはりENEOS SC430には20秒というペナルティストップが課されてしまう。ENEOS SC430は4周目にペナルティを消化し、これで楽になったウイダーHSV-010は、2番手KEIHIN HSV-010を従え周回を重ねていく。

 13周目を過ぎたあたりから、3番手PETRONAS TOM'S SC430はさらにぺースを上げ、2番手KEIHIN HSV-010の金石年弘に襲いかかる。14周目の90度でKEIHINを料理したPETRONASは、さらにトップのウイダーHSV-010に接近。19周目の1コーナーでPETRONASがウイダーの前に出るも、ウイダーは無理をしなかった。

 各陣営、19周を終えたあたりからピットに向かい始めるが、先陣を切った5番手カルソニックIMPUL GT-Rはピットイン後コースオフ。なんとか戻るもポジションを落とし、上位陣がピットを終えた結果PETRONAS TOM'S SC430がトップ、ウイダーHSV-010、KEIHIN HSV-010と続くトップ3となった。

 終盤、トップを走るPETRONASと2番手ウイダーの差が縮まり始め、脇阪寿一vs小暮卓史の激しいバトルが展開される。38周目、47周目とサイド・バイ・サイド、軽い接触もある見応えのあるバトルは、48周目に黄旗区間ができたためしばし水入り。

 脇阪と小暮のバトルはファイナルラップまで至るが、PETRONAS TOM'S SC430が最後までウイダーHSV-010を抑えきりトップでチェッカー! 優勝はPETRONASで、2位にウイダーが入り、2010年のスーパーGTチャンピオンを決めてみせた。3位はKEIHIN HSV-010で、HSV-010がデビューイヤーの最終戦で2-3フィニッシュを飾った。チャンピオンを決めた小暮は、マシンの中で渾身のガッツポーズ。デュバルともガッチリと握手をかわし喜びを噛みしめた。

「ずっとタイトルが獲れなかったけど、やっと獲れた。優勝したらマシンの上に乗ってガッツポーズするつもりだったんだけど怒られそうで(笑)。最後のバトルはフォーミュラ・ニッポンでの葛藤がありながらのバトルでした」と小暮は喜びを語っている。

 GT300クラスは、スタートからポールのTOMICA Zが飛び出すも、2番手スタートの初音ミク×GSRポルシェがポジションを落とした上に、ドライブスルーペナルティが課せられてしまう。さらに、4番手スタートだったCOROLLA Axio apr GTは1周目の3コーナーでスピンオフ。これで2番手には#86 JLOCランボルギーニRG-3が上がるが、86号車の後方は数珠繋ぎの大混戦。タイトルを争うM7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7はこの集団の上位につけるが、混戦の中、前の3号車を追うことができない。一方、ランキング首位のARTA Garaiyaは、序盤からなかなかペースが上がらず集団の中で混戦を強いられてしまう。

 トップを走るTOMICA Zは、ピット作業でも盤石の作業を済ませるが、その後2番手に浮上してきたのはタイヤ無交換作戦を敢行したアップル・K-one・紫電。その後方、3番手争いは関口雄飛から山西康司に交代した#86 JLOCランボルギーニRG-3とJIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430のバトルとなるが、何周にも渡って展開された極上のバトルは、山西が抑えきり、JIMGAINERのサイドウインドウが壊れてしまい終止符が打たれた。

 トップのTOMICA Zは、結局最後までつけ入るスキをみせず、盤石のレースで見事今季初優勝! と同時に、大逆転で2010年のGT300クラスタイトルを獲得してみせた。このラウンドまでランキングトップだったARTA Garaiyaは12位でフィニッシュ。またもタイトルを逃す結果となってしまった。

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