F1全チームが2014年のマシンを披露した後、そのノーズの“醜さ”が話題を集めている。しかし英AUTOSPORTのF1担当編集者が、F1の歴史の中にはこれ以上に醜いマシンが存在したとして、いくつかのマシンをピックアップした。

 2014年の規則では、ノーズチップの高さは185mm、フロントバルクヘッドの最大高は525mmに定められている。しかし規則によって求められるノーズチップの断面は比較的小さいため、チームはこのエリアの幅を最小限にし、シャシー下への空気の流れを最適化しようと考えた。その結果、ノーズが“醜い”デザインとなり、ファンからアリクイ、テングザル、シロイルカ、ツチブタ、カモノハシなどに似ていると揶揄されることになってしまった。

 F1上層部は、どんな形であれ注目が集まるのはいいことであるとの考えかもしれないが、今、世界中の多数のファンがF1を笑い者にしている、と英AUTOSPORTの編集者ヘンリー・ホープ-フロストは述べている。

「最悪なのは、彼らはこうなるだろうことを知っていたにもかかわらず、誰も手を打たなかったということだ。今になっていくつかのチームが『これはF1のイメージを損ねる』などと公に話しているが、冗談じゃない」とホープ-フロスト。

 一方、英AUTOSPORTのF1担当編集者であるエド・ストローは、「正常な心の持ち主なら、2014年のF1は史上最も美しいという主張はしないだろうが、最も醜いマシンというわけではない」と述べている。

 ストローは、頭に思い浮かんだ醜いF1マシンとして、マクラーレンMP4/10、ヘスケス308、マーチ711、ウイリアムズFW26(セイウチノーズ)、アイフェランド21、ウルフWR5、フォルティFG01、ティレル001、ブラバムBT34 (ロブスター・クロウ)、AGS JH22を挙げている。

「この中には大きな成功を収めたマシンもあり、そういうものは見た目が美しくなくても傑作として称賛を集めた」とストロー。
「結局のところ、レーシングマシンというものは、速さがあればある程度美しく見えるものだ」
「(だが)F1の人気においてビジュアルは大きな割合を占めるため、不必要な不格好さを避ける努力をしなければならない」

 F1の歴史の中でマシンが最も醜かった時代は1970年代であるとの考えをストローは示した。この時代のマシンは「革新的で、卓越し、クールで、意図がはっきり示され、アイコニックで、独特で、華々しく、セクシーだが、客観的に見て決して美しくはなかった」と彼は述べている。

 ストローが最終的に選んだ“F1史上最も醜いマシン”トップ5は以下のとおり。

※画像はクリックすると拡大します

●ブガッティT251

 1956年フランスGPで1戦のみ出場したマシン。醜いノーズが今に始まったわけではないことが分かる。

戦績:1956年フランスGP、リタイア。

●ブラバムBT34(ロブスター・クロウ)

 フロントの形状から「ロブスターの爪」と呼ばれた。ステータスを持つマシンではあるが、オープンホイールとスポーツプロトタイプの最も醜い要素が組み合わされたマシン。

戦績:1971年、1972年にカルロス・ロイテマン、グラハム・ヒル、ウィルソン・フィッティパルディがドライブ。ロイテマンの4位がベストリザルト。72年にコンストラクターズ選手権9位。

●マーチ721

 不格好なマーチ711をベースにした、おぞましいエンジンカバーを持つマシン。ティートレーフロントウイングをつけたバージョンが、見た目上、最悪だったという。

戦績:1972年にロニー・ピーターソン、ニキ・ラウダ、アンリ・ペスカローロ、ロルフ・シュトメレンが乗った。コンストラクターズ選手権で6位を獲得。

●アロウズA2

 ゴールドのA2は、フロントウイングを持たないグラウンドエフェクトカー。意図は意欲的だったが、形状は醜かった。

戦績:1979年にリカルド・パトレーゼとヨッヘン・マスがドライブ。ベストリザルト5位、コンストラクターズ選手権9位。

●フェラーリF310

 コクピットサイドに関する新レギュレーションをジョン・バーナードが解釈した結果、チャーリー・ホワイティングいわく「アームチェア」と呼ばれるデザインとなった。Bスペックバージョンは劇的に改善。

戦績:1996年にミハエル・シューマッハーとエディ・アーバインがドライブ。3勝を挙げ、コンストラクターズ選手権2位に。

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