レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGTニュース

投稿日: 2015.06.30 00:00
更新日: 2018.02.17 09:00

apr、トラブルを抱えながらも貴重なポイント獲得


2015 AUTOBACS SUPER GT ROUND 3

開催地:チャン・インターナショナルサーキット(タイ・ブリラム)/4.554km
6月20日(予選)天候:晴れ 
コースコンディション:ドライ 観客数:16,412人
6月21日(決勝)天候:晴れ 
コースコンディション:ドライ 観客数:38,381人

灼熱の国ゆえに、抱えてしまったトラブル。それでも貴重な2ポイントを獲得!

 開幕戦で優勝を飾り、第2戦を4位でゴールした後、「TOYOTA PRIUS apr GT」は船に積まれて海を渡ることに。年に一度の海外戦に挑むため、というのは今さら強調する必要もないだろう。ただし、その舞台は長らく続いたマレーシアから、昨年よりタイに改められている。首都バンコクから陸路を約6時間移動して到着する都市、ブリラムに設けられたチャン・インターナショナルは1周約4.5kmの、さながら直線をコーナーでつないだという印象の高速コースだ。何しろ、全長が富士スピードウェイとほとんど変わらないのに、ラップタイムはむしろ数秒短いのだから、どれほど高速か理解してもらえるだろう。

 冒頭でも触れた好結果によって「TOYOTA PRIUS apr GT」を駆る、嵯峨宏紀選手と中山雄一選手はポイントリーダーとして第3戦に臨むこととなった。そのことは、最も厳しいウエイトハンデを背負っていると言い換えることもでき、早くも56kgに到達。加えて南国ならではの酷暑が楽な戦いを許してくれまいが、どれだけ高得点を獲得できるか注目された。

■公式練習 6月20日(土)10:00~11:35
 前回のレースでは終盤にブレーキが音を上げてしまい、無念の4位となったものの、一時はトップを走行した「TOYOTA PRIUS apr GT」。ウエイトハンデはすでに厳しくなっているとはいえ、高速コースとの相性も悪くないことが確認されているだけに、引き続きの入賞に期待がかかった。走り出しとなる土曜日午前中の公式練習は、開始時でもう気温は32℃、路面温度も45℃と過酷な条件に。最初にステアリングを握った嵯峨選手は、まずピットアウト~ピットインを繰り返して、入念にセットアップを進めていく。

 持ち込みのセットがコンディションにマッチしていたこともあり、40分経過から間もなく、いよいよ連続周回をこなしていくことに。そして、その時点でのトップタイムとなる1分34秒797をマークした後、いったんピットに戻って微調整を行い、再度連続走行して残りの約30分を中山選手に託すこととなった。

 中山選手にとって初めて走るコースだけに、何より重要なのはマイレージを増やすこと。嵯峨選手が順調にセットアップを進めていたこともあって、一度もピットに戻ることなく18周も走り込み、36秒167をマーク。この間にタイムアップを果たした車両もあったため、順位としては6番手ながらトラブルに見舞われることなく、また中山選手がコースをマスターできたという意味において、非常に有意義なセッションとなっていた。

■公式予選 Q1 6月20日(土)15:00~15:15
 今回の予選Q1担当は嵯峨選手。それまでの好調ぶりを示すかのように、計測開始と同時に「TOYOTA PRIUS apr GT」をコースへと進めていく。気温は公式練習に比べ、4度上がった36度ながら、路面温度は一気に13℃も上がり58℃に! 温度の上昇によるコンディションチェックを2周に渡って入念に行なった後、いよいよアタックにかかる。コースを激しく攻め立てた嵯峨選手は、1分34秒700を記録してトップに浮上。もう1周アタックするも、ここでのタイムアップは果たせず35秒111に。納得の走りができたこともあり、嵯峨選手はチェッカーを待たずにピットに戻るが、それとほぼ同時タイミングで1台にのみ逆転を許す。それでもQ1を2番手で難なくクリアし、バトンをQ2担当の中山選手に託すこととなった。

■公式予選 Q2 6月20日(土)15:45~15:57
 Q2では中山選手が先頭でコースイン。嵯峨選手のアドバイスに従い、2周をウォームアップとチェックに充てた後、最初のアタックで1分34秒856をマークする。しかし、気温は変わらないにもかかわらず、路面温度がさらに4℃上がっていたことも影響し、納得はいかなかったのだろう。1周クールダウンを挟んで、最後アタックをかけることに。しかし、短縮は果たせたものの34秒710とわずかに留まり、またトップはより厳しくなった条件下においても33秒台に突入していたため、順位はダウン。それでも、十分「狙える」5番手から、「TOYOTA PRIUS apr GT」は決勝レースに挑むこととなった。

嵯峨宏紀選手
昨年は接触があって、ポイントが獲れなかったので、リベンジも期してのタイ大会だったのですが、自分の予選はいい仕事ができたと思います。昨年はイン側に縁石がなくて、走るたびダスティだったのが、縁石が設けられたことで走れば走るほど、路面ができていくようになりました。そういう状況の中で、ウエイトを積んでいる状態にも関わらず、持ち込みのセットも良く、バランスもよく取れていたこともあって、いい位置に行けたのではないでしょうか。このコースがプリウスに合っていることも確認できたので、決勝レースがより楽しみです。

中山雄一選手
初めて走るコースだったので、セットアップも順調に進んだこともあり、公式練習は残り30分を自由に走らせてもらいました。タイヤも中古で、結果的にはロングになったのですが、案外タイムが伸びなくて……。36秒の前半しか出せない感じでしたから、不通過になってはいけないと、Q1をお願いして嵯峨選手に行ってもらいました。実際、Q2を走ったら普通にタイムが上がって5番手。積んでいるウエイトを考えたら、我ながらよく走れた方かな、と思います。公式練習でどういうふうにタイヤが変化していくのがチェック出来たので、今回はより自信を持って走りたいと思います。

金曽裕人監督
マシンセットもハイブリッドもドライバーもタイヤも流れに乗っており、ウエイトを感じさせない仕上がりで予選に挑むことができた。予選結果5番手は素直に嬉しいのですが、これは単独走行によるタイム。この高速サーキットでの決勝は間違いなくストレートの速いGT3勢に飲み込まれ苦戦すると思う。作戦でリカバリー出来る範囲を超えているが 明日は1ポイントでも多く獲り、シリーズTOPの座を守りたいと思います。


関連のニュース