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スーパーGTニュース

投稿日: 2013.08.05 00:00
更新日: 2018.02.16 17:47

apr PRIUS、直前にトラブル発生。我慢の展開に


2013 AUTOBACS SUPER GT Rd.4
31 Panasonic apr PRIUS GT

開催地:スポーツランドSUGO/3.704km
7月27日(予選)天候:霧 
コースコンディション:ドライ 観客数:9,500人
7月28日(決勝)天候:晴れのち雨
コースコンディション:ドライ〜ウェット 観客数:26,500人

レース直前にトラブル発生……。我慢のレースでしっかりデータ蓄積を果たす。

 海を渡ってのレースとなった、前回のマレーシアラウンドから1か月あまり。スーパーGTの第4戦が宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。このコースは国内でも屈指のテクニカルレイアウトで知られ、しかもアップダウンの激しいことが何よりもの特徴。もともと旋回性能の高いJAF GTに有利とされ、昨年もFIA GT3が猛威を振るい続ける中、「Panasonic apr PRIUS GT」が初めてトップを走行した、相性のいいコースでもある。

 新田守男選手と嵯峨宏紀選手がドライブする「Panasonic apr PRIUS GT」は、第2戦・富士ラウンドで歴史にも残る、ハイブリッド車両として初めてのスーパーGT優勝を遂げて、意気揚々とセパンラウンドに挑んだものの、わずか6周にしてエンジンのスロットル系にトラブルが発生し、無念のリタイアを喫してしまった。そのため、引き続き40kgのウエイトハンデを背負ってのレースとなるが、まだまだシリーズは中盤戦。また、JAF GTに対しては一律1ランク、リストリクター径の縮小が命じられたが、進化を重ねる自慢のハイブリッドシステムのアシストを持ってすれば、ここからの巻き返しは十分に可能である。SUGOでの大暴れに期待がかかったのは、もちろん言うまでもない。

公式練習 7月27日(土)8:45〜

 スポーツランドSUGOのある東北地方は、未だ梅雨が明けていない。そのこともあってか、週末の天気予報は降水確率高めで、曇り時々雨と告げていた。どうあれ過酷な戦いとなることは覚悟の上。ちなみにピット設営やサポートレースの練習走行が行われた金曜日は強い雨に見舞われたり、やんでも霧がコースを包んだり、まさに予報どおりの天気となっていた。
案の定……と言うべきか、土曜日も朝から濃い霧がサーキットを包んでおり、予定どおりスケジュールが進んでいくのか危ぶまれたものの、雨には見舞われずに済んだことで、路面状態は徐々に向上していく。そして、8時45分からの公式練習が始まる頃には、やや霧も薄くなって予定どおりセッションがスタートすることとなった。

 最初に「Panasonic apr PRIUS GT」をドライブしたのは新田選手。スタート時点ではまだ路面もところどころ濡れていたこともあり、用意されていたレインタイヤを試しつつ周回を重ね、やがてインターミディエイト(浅溝レイン)が履けるようになると、1分30秒台も見え始めるようになる。そして、折り返しの1時間を間もなくというところで嵯峨選手にスイッチ。ところが、それから2周後には、再び濃くなっていった霧が視界を遮るようになったため、赤旗が出されてセッションは中断される。だが、なんとか17分後には再開され、もうこの頃にはドライタイヤが使えるように。再び乗り込んだ新田選手は、3周後にその時点でのトップとなる22秒700をマークする。

 そして、GT300単独のセッションに向けて、再び嵯峨選手がドライブ。だが、決勝重視のセットアップを進めるはずが、再び赤旗が。再開はされたものの、残り計測は5分とあって十分なチェックができずに終わる。なお、新田選手が自己ベストを記録した後、2台がこれを上回ったこともあり、3番手には留まりはしたが、予選に向けては確かな手応えを得ることになった。

公式予選Q1 14:00〜14:15

 今回もノックアウト予選のQ1を担当したのは嵯峨選手。引き続き薄い霧がコースを覆っていたが、路面は完全に乾いており、もちろんのこと最初からドライタイヤが装着された。しかし、7月下旬にしては低めの温度が影響しているのか、タイヤはなかなか温まらず、さらに内圧も想定したどおりに上がって来ない。そのため、嵯峨選手が最初にアタックをかけたのは4周目。まずは21秒973を記して公式練習のタイムを上回り、さらにこの段階でもう、従来のレコードタイムを更新。しかしながら、ライバルはすでに20秒台に突入していたこともあって、このタイムに満足することなく嵯峨選手は1周のクールダウンの後、再びアタックをかけていく。

 そして、21秒902。短縮は果たせたが、まだまだ。1周しっかりポジショニングに充てた後、最後の攻めは21秒717へ。4番手にはつけてQ1突破は果たしたものの、トップにはほぼ1秒の差をつけられているため、しっかり情報を嵯峨選手は新田選手に伝えて、さらなる順位の上昇に期待を込めることとなった。

公式予選Q2 14:40〜14:42
 普段どおりQ2はQ1より計測時間が3分短いこともあり、そうそうウォームアップに時間を割くことは許されない。そこで新田選手には内圧を高めたタイヤを準備し、早めにアタックをかけられるように算段を整えた。これが功を奏し、3周目には21秒961をマークした新田選手は、勢いに乗って次の周には21秒186にまで短縮を果たす。

 こうなると、もはや20秒台突入を目指すしかない。渾身の走りを見せた新田選手。だが、最後の計測ラインを駆け抜けた直後、タイミングモニターに記されたのは21秒003というタイムと4番手という結果……。それでも2列目グリッドからのスタートであれば、十分勝機あり。「Panasonic apr PRIUS GT」の今季2勝目が、より一層期待されることとなった。

新田守男選手
「タイヤとのマシンセットはちょっと合わせ切れませんでしたが、予選は比較的いい順位だったんで、まぁ良しということにします。もうちょっと前に行ければ、なお良かったと思うんですが、ヨコハマタイヤ勢としてはトップですし、他のメーカーを履くクルマがどんな状態のタイヤなのか分かりませんが、僕たちはレースではパフォーマンスが高いだろうと思っているタイヤを使っているので、希望を持って決勝を戦いたいと思っています。」

嵯峨宏紀選手
「雨上がりの予選だったんで、路面がかなり滑りやすくなっていたんですが、タイヤの内圧が思いのほか上がってこなくて。けっこう長いことラップして、最後の方でやっと、それも思ったよりも上がり切っていなかったんです。そこでインフォーメーションを新田さんの時に入れて、ちょっと内圧上げてQ2に行ってもらったら、それがうまく機能したという部分では良かったと思います。ただ、前の3台とはギャップもあるんで、決勝に向けて作戦も含め、立て直し方を考えようと思います。」

金曽監督
「PRIUSと菅生サーキットの相性が良い事とドライバー2名も得意とするサーキットでも有り、満足な予選結果でした。上位3台はTURBO車両であり一発出しBOOSTもあればタイヤメーカーの違いも有り0.5秒ほど届かなかったが、明日の決勝は焦らず後方から安定したLAPを重ね表彰台を狙って行きたいと思う。」


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