オートスポーツweb編集部員が、スーパーGT第4戦SUGOが終わった直後、ウイダー モデューロ HSV-010でSUGOをドライブさせてもらったので、その体験記をご紹介しよう。

●HSV-010で走るSUGOは“快適”。
 コクピットに座ってすぐ、HSV-010ならではとも言える、フロントウインドウのV字型のバーが目に入ってくる。「けっこう気になるな……」と思いながら、パドルを弾きギアを1速へ。タイトなピットレーンを抜け、かなり急な下りである3〜4コーナーへ。シケインをそっとクリアしたところで、「そういえばまだタイヤが温まってないんだった……」と思い出す。

 とは言え、限界まで攻めるほどの技量は自分にはない。ゆっくりとスポーツランドSUGOを周回してみると、なんだか随分と余裕をもってドライブすることができている。いつか「GT500マシンは転がす程度なら、すごく乗りやすいクルマだよ」という話を聞いたことがある。それを実感しつつ、バックストレートで少しずつアクセルを全開にしてみる。エンジンは実に気持ちよく反応してくれる。コーナーでもトリッキーな挙動はほとんどない。「さすが田中耕太郎エンジニアがセットしたHSVだな……」そんなことを考えながらペースを上げる。

 しかし、いざ“攻めて”みると、そこから先はやはりレーシングカー。コースアウトやスピンが増えてきた。最終コーナーもついついアウトにはらんでしまう。やっと1周、「そこそこまとまっただろ!」と思ってタイムを聞いてみる。「フレデリック・マコウィッキの9秒落ちですね〜」

 ……う〜ん……初めて乗って9秒落ちはいいのか悪いのか……。

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 と、ここまでツラツラ書いてきた“ホンダHSV-010体験記”、実は横浜市都筑区にオープンしたばかりのレーシングシミュレーター、『ZAPUSH』(http://zapush.com)で体験したHSVでの話。そりゃライセンスも持ってないんですから、HSV-010に乗るコトなんてできません(笑)。

 でも、この『ZAPUSH』にあるシミュレーターならHSV-010を“バーチャル体験”することができる。しかもこのHSV-010、ウイダー モデューロ HSV-010を実際にドライブする山本尚貴選手、マコウィッキ選手がドライブして、田中エンジニアがセットしたものだというから、ファンならぜひドライブしてみたいもののはず。

●可動しないシートは“フォーミュラ向き”
 5月5日にオープンしたばかりのZAPUSHは、横浜市営地下鉄センター北駅からすぐ。駅前ロータリーからすぐに見つけることができる。スーパーFJやF4で活躍、多くのトップドライバーを輩出してきたZAP SPEEDがオープンさせたシミュレーターだ。ジュニアフォーミュラで活躍するZAPだけに、メインのターゲットはフォーミュラのドライバーを意識している。

 シミュレーターは2台。清潔感あふれる店内にはF4マシンのZAP F108が置かれ雰囲気は満点。筐体は可動式ではないが、フォーミュラの場合可動式のシートでは挙動を再現しきれない部分があるとのことで、固定式を選択。ステアリングもフォーミュラ用のものが取り付けられている。

 とは言え、先述のHSV-010をはじめレクサスSC430等、GT500マシンをはじめハコもドライブすることができる。今回の体験ではHSV-010のほかにF3も体験したが、やはりF3はクイックさがまったく違う。初めてのシーケンシャルシフト(ふだんの愛車もパドルなもので、走行中シフトノブを握るのもひさびさでした……)ながら楽しくドライブすることができた(タイムは聞かないでください!)。

 もちろん、データロガーも完備。ZAP SPEEDのOBである石浦宏明選手など、多くのOBがトライしたデータを使って走ることもできる。ちなみに、先ほどのHSV-010のロガーを見てみると、マコウィッキ選手と70km/hも車速が違うコーナーがあり愕然としたのはここだけの話です(泣)。

●センター北は“シミュレーターの街”!?
 こうしてシミュレーターを体験させていただき、いい感じにひと汗かいた後、どうしても聞きたいことが。それは、この『ZAPUSH』のすぐ隣のビルに入っている、織戸学選手がオープンさせたシミュレーター、『130R YOKOHAMA』のこと。言ってみれば同業ライバル店。どんな関係なのだろうか?

 聞けば、もともとZAP SPEEDとしてこの近辺に物件を探していたが、それは130R YOKOHAMAがオープンする前。130R YOKOHAMAオープン後、「それでもやはりこの場所がいい……」と織戸選手に断りを入れたところ、「すごくいいと思う。このセンター北をそういう街にしていこう」と快諾をもらったのだとか。

 実際、ZAPUSHはフォーミュラより、130R YOKOHAMAはハコよりと、来店する人によって使い分けができていたり、2店をハシゴする人も多いのだとか。東京・赤坂にはTOKYO VIRTUAL CIRCUITもあるが、お互い“食い合う”というより一緒に盛り上げていきたい関係の様子。

 国内にも少しずつ増え始めているレーシングシミュレーター。ただし、“ゲームセンター”とはやはり違うのでご注意を。レーシングシューズ、グローブは必須だ(レンタルもあり)。一度「F1乗せてよ」とゲームセンター感覚で来られた人にGP2を試してもらったところ、クルクル回っていたとか。

 気になる方は是非ホームページ(http://zapush.com)にアクセスを。24時間ネット予約も受付中だ。

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