Audi Team Hitotsuyama
Race Report

Super GT 2014 Series
Round-6 / Suzuka Circuit

ライバル勢に迫るスピードを見せるも、トラブルによりリタイヤ

 Audi Team Hitotsuyamaは8月30~31日に三重県・鈴鹿サーキットで開催されたSUPER GT 第6戦「43rd International SUZUKA 1000km」に参戦致しました。今回はAudi R8 LMS ultraが得意とする耐久レース、さらに、BoPの変更により大口径のリストリクターを使用することが許され、Audi R8 LMS ultraが最も必要としているエンジンパワーの向上を期待できる中でのレースとなりました。また、Audi Sportよりファクトリードライバーのクリストファー・ハーゼが派遣され、レギュラードライバーのリチャード・ライアン、藤井誠暢とともに1000kmレースを戦うことになりました。

 公式練習からリストリクター径拡大の恩恵を受け、好タイムを記録。今シーズン初めて公式予選Q1も突破し、1000km決勝に向け、チームの士気は高まりました。決勝レースでは、序盤こそトップ集団と変わらないラップタイムで順調に周回を重ねることが出来ましたが、サスペンションにトラブルが発生、さらにその振動がギヤボックスに損傷を与え、残念ながらレース序盤にリタイヤを余儀なくされました。

8月30日 公式練習
 公式練習はリチャード・ライアンから走行を開始。6月、7月と既に2度のテストをこなしていることもあり、マシンチェックを早々に済ませ、2分01秒914のタイムを記録しマシンを降りる。リチャードはBoP変更によりエンジンパワーが格段に上がっていることをチームに伝える。

 リチャードに代わり、チームはAudi Sportから派遣されたクリストファー・ハーゼをコースに送り出す。クリストファーはルーキーテストを行い、2分05秒台でマージンを取って走行。難なくテストをクリアした。

 その後、藤井がステアリングを握り、マシンのバランス、パワーともに今シーズンベストであることを確認。クラス7位、2分01秒914のタイムで公式練習を終え、午後の公式予選に向けて弾みをつけた。

8月31日 公式予選
 午後2時から開始された公式予選Q1。#21 Audi R8 LMS ultraはリチャードが担当。リチャードのアタックラップ直前、スピンアウトしたマシンの処理のために赤旗中断となってしまった。#21 Audi R8 LMS ultraはアタックラップに入っていなかったこともあり、幸いタイヤを無駄にすることはなく、公式予選再開後の1アタックに懸けることに。再開後、リチャードはアタックをしっかりとまとめ2分01秒293を記録、クラス13位を獲得した。

 公式予選ではライバル勢が予選用マッピングを使用するため、午前中の公式練習ほど簡単な順位ではないが、今シーズン初のQ2進出を決め、マシンが好調であることを印象付けた。

 公式予選Q2は藤井が担当。早々に2分01秒351のタイムを記録しクラス7位につけるが、アタック2周目にコースオフ。マシンにダメージはなかったが自力では脱出することが出来ず、赤旗中断の原因となってしまう。レギュレーションにより、公式予選Q2のタイムは抹消され、決勝レースはクラス13位からスタートすることとなった。

P1 #55 ARTA CR-Z GT 高木真一 / 小林崇志
P2 #0 MUGEN CR-Z GT 中山友貴 / 野尻智紀 / 道上龍
P3 #31 OGT Panasonic PRIUS 新田守男 / 嵯峨宏紀 / 中山雄一
P13 #21 Audi R8 LMS ultra リチャード・ライアン / 藤井誠暢 / クリストファー・ハーゼ

一ツ山幹雄(チームオーナー)
「公式予選Q2で藤井がコースアウトしてしまったのは残念ですし、赤旗を出してしまいアタック中だったチームの方に迷惑をかけてしまいました。マシンはBoPの緩和と、前戦富士からのインターバルでAudi Sportが積極的にサポートしてくれたことにより、かなり戦闘力がアップしました。7月の鈴鹿テストと比較すると、ストレートスピードで10km/hも速くなっています。まだパワーが足りないと感じる部分もありますが、これならライバル勢とも勝負できそうです。明日は6時間のレースです。自分たちのペースで最後まで走りきれば、表彰台は確実だと思います。」

8月31日 決勝レース
 #21 Audi R8 LMS ultraのスタート担当はリチャード。スタート直後、競り合いでは依然としてパワーで負けていることもあり、一時クラス17位までポジションダウン。ライバル勢が耐久レースとは思えないアグレッシブなバトルを展開する中、リチャードはタイヤを労わり、自身のペースを保持。「マシンもタイヤもとても良いから暫くはバトルしないで我慢する。回りのマシンは必ずタイヤが持たなくなってくるから。」と無線でコメント。

 そのコメント通り、レースが落ち着きを見せ始めるとリチャードは前方マシンを射程圏内に捉える。20周目に#30 NISSAN GTRをオーバーテイク。22周目にはベストラップも記録し、前方マシンを追い上げる。リチャードは30周目のピットインまで2分04秒台後半~05秒台前半の終始安定したタイムで走行。30周目にクラス10位までポジションアップしてピットイン、藤井にドライバー交代。しかし、このピット作業時、給油口のトラブルにより給油が全く行われておらず、#21 Audi R8 LMS ultra藤井は2周後に再度ピットイン、給油作業を余儀なくされた。

 このトラブルにより最後尾まで後退してしまった藤井だが、レースはまだ5分の1を消化したばかり。藤井はマシンのバランスが良いことをピットに伝え、諦めることなく2分05秒台の安定したペースでライバル勢を追い上げていく。しかし、45周目を過ぎたあたりからマシンの振動が大きくなり、徐々に悪化、最悪の事態を避けるためにピットにマシンを戻すことも考慮しながらの走行となった。

 さらに51周目、シフトアップを行ってもニュートラルに戻ってしまうトラブルが突如発生。藤井はマニュアルモードを使用しピットまでマシンを戻した。ピットボックス内でギヤボックスの修復を試みたが、短時間での修復は不可能と判断、残念ながらリタイヤを余儀なくされた。

 レース後のチェックで、サスペンショントラブルにより振動が発生し、その振動が原因でギヤボックスに損傷を与えたことが判明した。

P1 #60 TWS LM corsa BMW Z4 飯田章 / 吉本大樹 / 佐藤晋也
P2 #31 OGT Panasonic PRIUS 新田守男 / 嵯峨宏紀 / 中山雄一
P3 #7 Studie BMW Z4 ヨルグ・ミュラー / 荒聖治 / アウグスト・ファルフス
DNF #21 Audi R8 LMS ultra リチャード・ライアン / 藤井誠暢 / クリストファー・ハーゼ

一ツ山幹雄(チームオーナー)
「せっかく勝負出来るマシンを手に入れたのに、今日のレースは恥ずかしいとしか言いようがありません。Audi Sportもクリストファーを派遣してくれたのに、決勝で走らせてあげることが出来ませんでした。マシンのバランス、タイヤのフィーリング、そしてエンジンパワーともに今シーズンベストコンディションでしたから、しっかりと6時間を走り切りたかったですね。本当に残念ですし、応援してくださっている皆様に申し訳ない気持ちです。クリストファーにはまた日本で走るチャンスを必ず与えたいと思っています。残り2戦もこのマシンパフォーマンスがあればライバル勢と互角に戦えるはずです。必ず良い結果を出します。」

 第7戦は10月3日~5日にタイ・ブリーラム・ユナイテッド・インターナショナル・サーキットにて開催されます。引き続き、皆様からの沢山のご支援・ご声援をお待ちしております。

Official Facebook page of Audi Team Hitotsuyama.
https://www.facebook.com/hitotsuyamaracing

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