D1グランプリシリーズは8月23日~24日にエビスサーキットで第4戦/第5戦の2連戦が行われ、それぞれ松井有紀夫(EXEDY R Magic D1 Racing)、横井昌志(D-MAX)が総合優勝を飾った。
“ドリフトの聖地”とも呼ばれ、ファンからの人気も高いエビスは、シリーズ屈指のテクニカルサーキット。また、今回は不安定な天候により変化していく路面にも対応しながらの難しいコンディションの中での走行となった。
22日に行われる予定だった第4戦の単走決勝は、予選時に雷雨による中断があった影響でスケジュールが遅れ、23日午前に開催。朝のチェック走行時はドライ路面だった23日だったが、その後雨が降り始め、降雨の中の単走決勝に。そんな中、雨が上がった直後に走行したた末永正雄(Team RE雨宮 SUNOCO)が、ハイスピードで最終コーナーを飛び出し、きれいなラインでまとめて100.87点をマーク。単走初優勝を決めた。
23日午後に行われた第4戦の追走決勝トーナメントでは、日比野哲也(Team UP GARAGE with DRoo-P)と松井が決勝に進出。2本目はノーミスでまとめた松井に対し、日比野はエンジンが吹けないというトラブルを抱え、ストレートでドリフトが戻ってしまうことに。これにより、松井が第4戦の総合優勝を飾ることになった。
「今回、正直、クルマの足回り、ギヤなど悩んでしまい、前日の練習からいろいろと変更をし、メカニックには沢山仕事をしていただいて、やっと安心できるようになったか、という感じで挑みました」と第4戦の戦いを振り返った松井。
「単走は路面に対応できなかった部分で、大ミスをしてしまったので、追走は『このかっこ悪いままじゃ終われない』という思いで走りました。決勝での日比野選手は、練習の時から速いのがわかっていたので、最終コーナーでおいていかれるのだけは避けようと思って、日比野選手の時だけは、最終コーナー手前の自分の走行ラインを変えて、どうにかついていくことができ、結果に繋がってよかったです」
24日午前に行われた第5戦の単走決勝では、前日はウエット路面でスピンを喫するも最終コーナー~1コーナーまでで良い走りを見せていた横井が、この日は高い車速のままマシンを完璧にコントロールして初の単走優勝を決める。
その後、午後より行われた第5戦の追走決勝トーナメントでは、単走を制した横井と、ランキング首位につける高橋邦明(GOODYEAR Racing with kunny'z)が決勝で相見えることに。1本目はイーブンとなるが、2本目は横井が1コーナーの奥でマシンを寄せると、2~3コーナーにかけては完全にインに入る攻めの走りを見せる。その結果、追走でも初勝利を果たした横井が、初の総合優勝も獲得した。
「優勝が決まった時は、号泣してしまいました」と初優勝の喜びを語った横井。
「憧れのこの場で、憧れの先輩方と一緒に走らせてもらって、それだけでも満足でしたが、勝つためにチームスタッフがとても協力してくれて、乗りやすいクルマを作ってくださりここまで来ることができました。本当にチームに感謝しています。ここでみんなと一緒に走り、優勝することができて本当によかったです。ありがとうございます」
今回の2連戦の結果、王座争いは最終戦お台場に持ち越されることに。第4戦で6位、第5戦は2位につけた高橋が首位をキープし、ランキング2位の末永との差を33ポイントに拡げて最終戦に向かうこととなった。最終戦お台場は、10月18日~19日に開催される。