DENSO KOBELCO SARD RC F
第7戦タイ、快進撃を見せるも7位フィニッシュ
http://www.sard.co.jp/race_r/report2014_rd7/

2014 SUPER GT 第7戦「BURIRAM UNITED SUPER GT RACE」(10/4-5)
チャーンインターナショナルサーキット(1周4.554km)
入場者数:金曜13,426名、予選42,597名、決勝75,168名 合計131,192名

 10月5日(日)今季唯一の海外戦でタイ初開催となるSUPER GT第7戦「BURIRAM UNITED SUPER GT RACE」の決勝が行われ、6番グリッドからスタートしたDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートドライバーのオリバーが熾烈な混戦の中で5周目に接触。14位まで大きく順位を落としたが、その後、8台を抜く猛追で巻き返しを見せ6位に挽回。36周目にピットインし、タイヤ無交換作戦を敢行。交代した石浦も速さを見せ実質2位にまで浮上して見せたが、レース後半にペースが鈍ってしまい、今季初勝利も狙えた快進撃を見せるも、結果は7位フィニッシュとなった。ドライバーポイントは4点(計22点)を獲得しランキング13位に、チームポイントでは7点(計38点)を獲得しランキング9位となった。次戦最終戦は、11月15日(土)・16日(日)にツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)にて開催される。

□公式練習走行
 前戦鈴鹿では2位を狙える戦いをするも悔しい11位に終わったDENSO KOBELCO SARD RC F。残るレースは2つ。数字的にタイトル獲得の可能性は無くなってしまったが、優勝とランキング上位を目指す目標は残っている。第7戦の舞台は、今季唯一の海外戦であり、先日FIA公認が取れたばかりの新設サーキット、"ブリラムユナイテッド"改め「チャーン・インターナショナルサーキット」。「チャーン(Chang)」とはタイのビールブランド名。バンコクから東北東約400kmに位置するブリラムのサッカースタジアムそばに建設された新サーキットでの開催となる。当地の気温はこの時期32~33度、最低気温25度ほどとのこと。公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は現地15時スタート(日本時間17時)、300km(66周、約2時間)で争われる。ピットストップは1回。ウェイトハンディは現獲得ポイントと同数値となる18kgを搭載する。

 SUPER GTが、このサーキットの"こけら落とし"の初レースイベントとなり、走行データを持つチームはなく、持ち込みセットの出来と現地での高い対応力が要求される。コースレイアウトは、富士スピードウェイのコース変更や中国上海サーキットを設計したティルケ社で、右回り4.554kmのストップアンドゴーセクションと高速コーナーを複合させたコース。ピットはオートポリスと同じコース外側に位置し、左側からの給油となる。前戦鈴鹿の悔しい思いの雪辱を果たすべく、チーム一同、ひたすら起死回生の勝利を狙っていいった。

 3日(金)午後に2時間のフリー走行が設けられ、気温36度/路面温度54度にも達する酷暑の中で、クルマの持ち込みセットの確認とドライバーの慣熟を中心にプログラムを進め、2時間のセッションで43周を走行。ベストは1分27秒464の9番でと肩慣らしのセッションとなった。続いて、翌4日(土)午前中の公式練習走行は、気温34度/路面温度49度の晴れ。カラッとした快晴ながらやはり酷暑となる中で、10時から混走セッションが始まった。まずは石浦からコースイン。バランスは最初から良くセット調整は僅かにリアウイング等を調整し、9周目には1分26秒647の3番手とまずまずの出だし。16周目からはオリバーと交代し、ユーズドタイヤでロングランチェックを、赤旗中断を挟みながら実施した。混走セッションは結果、最後にニュータイヤを投入しオリバーのマークした1分26秒208の5番手となった。10分間のGT500単独セッションでは、石浦がアタックシミュレーションを行い、1分26秒383となり、公式練習走行はトータル45周を走行し両方のセッションを通じて7番手となった。

□公式予選
■Q1:石浦が5位でQ1突破
 4日(土)公式予選Q1は気温34度/路面温度52度と高く、まさに熱い戦いとなった。Q1アタックの石浦はコースオープンと同時にコースイン。通常よりも固めのタイヤであることからベストタイムを出すまでの時間がかかる。入念にタイヤを温めた石浦は、まずは1分26秒112の2番手タイムをマーク。フリー走行、練習走行よりも路面のコンディションが良くなってきており、他車も軒並みタイムアップ。石浦も更にタイムアップを目指してアタックを続け、5周目に4番手タイムとなる1分25秒905を叩き出すが順位は目まぐるしく変わる僅差の争いに。続く6周目もフルフラットでコースを攻め続けた石浦。更にタイムを削って、1分25秒540の5番手タイムをマークして見事にQ1突破を果たした。

■Q2:オリバーがタイムを削るもQ2は6位
 4日(土)公式予選Q2時点でも気温33度/路面温度52度。Q2アタッカーのオリバーがグリーンライト点灯と共にコースイン。石浦からのインフォメーションを得て、気合い十分に乗り込んだオリバーはペース良くウォームアップを開始。4周目にはまずは1分25秒373でリーディングボードのトップに躍り出る勢いを見せた。次の周は一旦ペースを落としてクーリング。熾烈な僅差のアタック合戦の中で他車も次々に24秒台を出していき、オリバーも次の周にタイムアップを目指して再度アタックを開始。セクターベストタイムを刻んできたが、ほんの僅かセクター3でロスしてしまい、更にタイムを削る1分25秒353をマークするも6位となった。決勝は3列目6番グリッドから勝利を狙っていった。

□決勝
■フリー走行
 5日(日)決勝日の朝のフリー走行開始時は、気温30度/路面温度37度の曇が多めながらも晴れ。スタートドライバーのオリバーがまずはコースインして安定したペースで走行。12周目からは石浦と交代してタイヤの感触を確かめた。サーキットサファリの時間帯も石浦が続けてドライブ。フリー走行では20周を走行し、1分25秒873のタイム。サファリでは13周を走行し、1分26秒059のタイムと、何れもトップタイムで決勝への準備を終えた。

■決勝スタート
第1スティント:オリバーが接触で14位に落ちるも快進撃で6位に挽回
 5日(日)15時スタート時点は気温34度/路面温度46度。1コーナーの混乱もなく整然としたスタートとなり、オープニングラップをポジションキープで戻ってきたオリバー。ペース良く前方集団に食らい付いていった。だが熾烈な混戦の中で5周目に17号車に後方から接触されてしまい、32号車と共にスピンを喫して14位にまで大きく順位を落としてしまう不運。だが、ここからオリバーの怒濤の進撃が始まる。数周毎に前走車を抜き去って順位を挽回。26周目にはトータル8台を抜く猛追で巻き返しを見せ6位に挽回して見せた。30周目にピットからはプッシュしろの檄が飛ぶ。1分26秒台に入れるハイペースで攻め続けたオリバー。快進撃を見せベストラップを叩き出した次の36周目に暫定2位でピットインとなった。

第2スティント:石浦が実質2位に浮上するも悔しい7位フィニッシュ
 ここでチームはタイヤ無交換作戦を敢行。37周目に戦列に復帰した時点では順位ボードは6位であったが、40周目にはピットに入っていない車両を除くと実質その時点でレースリーダーの46号車に次ぐ2位を走行。今季初勝利が狙える大躍進を遂げた瞬間であった。だが43周目に石浦から悲痛な「フロントの左がグリップしなくなった」という無線が入る。ペースも落ちてしまい、46周目に4位にポジションダウン。49周目に46号車がリタイアで3位となったがバイブレーションが起き始めてしまう状況に。グリップを失ったクルマを最後まで持たせようと石浦はステアリングと格闘する苦境に陥ってしまう。60周目頃には前が見えないほどのバイブレーションで大きくペースダウン。65周目には順位は9位にまで下がってしまったが、懸命にフィニッシュまで持たせようと石浦が奮闘。7位に戻ったファイナルラップの最終コーナー進入でバーストしてしまったが、何とかフィニッシュラインまで運んだ結果、ポイント獲得となる7位フィニッシュとなった。

 今季初勝利も狙える戦い振りを見せるも、最後は薄氷を踏む展開で何とかフィニッシュまで持ち込んだDENSO KOBELCO SARD RC F。ドライバーポイントは4点(計22点)を獲得しランキング13位に、チームポイントでは7点(計38点)を獲得しランキング9位となった。次戦最終戦は、11月15日(土)・16日(日)にツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)にて開催される。

□石浦宏明
「オリバーが超ハイペースで6位浮上。36周を終え交代して、前から決めていたタイヤ無交換でピットタイムを短縮して優勝も狙える位置でコースイン。朝のフリーでトップタイムも出したしロングランも自分が一番速い自信があったので、さあやるぞ!と走り始めたましたが曲がらない…実質2位まで浮上しましたが、その後はタイムが落ちていく厳しい展開で、不安な気持ちとこのまま頑張ろうという気持ちが交錯する複雑な心境の中でのドライビングでした。ファイナルラップの最終コーナーでバーストしながらも何とか7位でチェッカー。予選や決勝でタイヤを痛めたりしていたので36号車の優勝のようには行かず、週末は僕らは速かっただけにスッキリしませんね。でも、シーズン前半に比べたらクルマが凄く速くなっているので最終戦が楽しみです」

□オリバー・ジャービス
「悔しい思いで一杯ですね。レースでのペースは信じられないほど良く、接触があった後に追い上げてヒロも実質2位に浮上して表彰台フィニッシュできると思っていました。実際に今日表彰台にいた2台はスピン後追いつき、パスしたマシンでしたから、なおさら悔しい思いがつのります。けれども、タイヤが痛んだ状態ながらも走り続けていて最後ラップの最終コーナーでタイヤがパンクしながらも7位でチェッカーを受けられたのはラッキーでしたし、ヒロに何も無くて良かった。次の最終戦もてぎは、速さは維持しているので、マタガンバリマス!」

□大澤尚輔監督
「接触から14位にまで順位が下がってペース配分が難しい状況となってしまいましたが、オリバーの第1スティントで怒濤の追い上げ、メカニック達のピットワーク、石浦の第2スティントの頑張りと、それぞれベストを尽くして良い戦いをしてくれました。同じ戦略をとった2台が表彰台に上がっていることもあって、我々に何か少し足りない点があったかと思います。良い戦いでも結果が残らなかったのは、やはり悔しいですが、最終戦でも速さを武器にガンガンと攻める姿勢を失わずにレースが出来るように頑張っていきたいと思います」

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