アウディ、BMW、メルセデスベンツの3メーカーがしのぎを削っているDTMドイツツーリングカー選手権。スーパーGT500クラスに去年から導入された“クラス1”規定を、DTMでは2012年から導入していることもあり、以前にも増して注目が集まっている。このDTMに今季から参戦している3人のルーキードライバーに、これまでの感想と今後の意気込みを、5月30日~31日に行われた第2ラウンドの現場で聞いた。
マキシミリアン・ゴッツ(メルセデスAMG C63 DTM)
最上位:第4戦ラウジッツリンク 15位
「今までドライブしていたメルセデスSLS GT3よりもダウンフォースが強いから、1周につき4秒~5秒くらい速く走れている。エンジニアの数もGT3の時は多くて3人くらいだったけど、DTMではマシン1台ずつに多くのエンジニアがついてくれる。レースの準備段階からGT3とは世界が違うから、学ぶことが山ほどあるよ」
「DTMでは特に予選が難しいね。20分という限られた時間の間にタイヤコンディションを整えつつ、トラフィックを見極めてクリアラップを取る必要があるからね。予選で前方のグリッドを獲得しないと、ポディウムに立つのがかなり難しくなってしまう。とにかく予選を冷静に攻めることが重要だと思う」
「序盤の2ラウンドを終えて、だんだんとレースウィークの流れに慣れてきたから、シーズンのなるべく早い時期にポディウムに立ちたいね。ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得できるよう頑張っていくよ」
ルーカス・アウワー(メルセデスAMG C63 DTM)
最上位:第3戦・第4戦ラウジッツリンク 21位
「去年まで参戦していたユーロF3ではF1にステップアップすることだけを目指していたから、DTMのシートを得た時には驚きとともに喜びを感じたよ。ヨーロッパ最高峰のツーリングカーレースに参戦できるんだからね」
「今まで経験してきたフォーミュラカーレースとはまったく違う新しいカテゴリにチャレンジすることになったけど、先輩ドライバーたちに少しでも早く追いつけるように頑張りたいと思う」
「ユーロF3とはブレーキ、エンジンパワー、空力などで大きな違いがあるけど、エンジニアやチームのサポートを受けて勉強しているよ。僕が所属しているのはGP2などで有名なART。チームもDTM参戦1年目だけど、チームメイトのゲイリー・パフェットが開幕戦ホッケンハイムで表彰台を獲得しているから、チームの体制は整っていると言えるんじゃないかな。僕もチームもDTM参戦1年目だけど、今後のレースで活躍できると思う」
トム・ブロンクビスト(BMW M4 DTM)
最上位:第1戦ホッケンハイム 17位
「去年まではユーロF3に参戦していて、ほとんどのレースがDTMと同時開催だったから、観ている立場だった。実際にDTMマシンをドライブしてみると、想像よりはるかにレースがコンペティティブで、BMWワークスドライバーの立場を楽しむことができているし、モチベーションも高まっているよ」
「開幕戦ホッケンハイムや第2戦ラウジッツリンクでは、フリープラクティスや予選ではいい感触を掴めていたのだけれど、レースになるといい成績が出せなかったから悔しいね。これも勉強だと思っているよ」
「フォーミュラとはブレーキやエアロの使い方が全く違うから、そこがいちばん難しく感じているポイントだね。BMWではルーキーでも結果を求められるけど、この状況は僕にとって追い風になるものだよ。まだまだシーズンは始まったばかりだから、早くポディウムに立てるように頑張っていく」