2011年のDTMドイツツーリングカー選手権でチャンピオンを獲得したマルティン・トムジクが、2012年に向けてアウディを離脱することを明らかにした。アウディスポーツが21日発表したもの。
今年29歳となるトムジクは、今季旧スペックのアウディA4 DTMでチーム・フェニックスからDTMに参戦したものの、抜群の強さをみせ今季3勝。自身初めてのDTMタイトルを獲得した。しかし21日、アウディスポーツはトムジクの離脱を発表。トムジクはおそらく来季から参戦するBMWに移籍するのではないかと見られている。
「僕はアウディとともに11年戦って、今年ついにタイトルを獲ることができた。アウディスポーツのみんな、特にヴォルフガング・ウルリッヒ代表はずっと僕たちのことを支え続けて来てくれた。2011年、タイトルを獲得することによって、僕は彼らに対して恩を返すことができたんじゃないかと思う」とトムジクは語る。
「でも、こうして成功を得たけれど、僕は慎重に検討を重ねた結果、新しい挑戦を受け入れることにしたんだ」
「僕は11年間の間、ずっとともに戦ってくれたアウディスポーツのみんなにもう一度感謝を伝えたい」
一方、王者トムジクを失うことになったアウディスポーツのウルリッヒ代表は、悲しみを隠さない。
「マルティンが彼にとって最も成功したシーズンの後、アウディを離れ新しい挑戦を求めることを深く残念に思う」とウルリッヒ。
「しかし、11年間におよぶ浮き沈みを経て勝ちとったDTMタイトルの後、彼が何か新しいことに挑戦したいという決意を受け入れたい。彼はゴールを勝ちとったんだ。私にとってもマルティンのタイトルはとても嬉しかった。彼は多くの困難を打ち破ったんだからね。彼を信頼していた」
「私は、彼の将来の成功を願っている」
アウディスポーツはトムジクの離脱と同時に、2012年のDTMシーズンにむけてマティアス・エクストロームとティモ・シャイダーと契約を結んだことを明らかにし、最大で7台のアウディA5 DTMが参戦すると明らかにした。
王者トムジクの突然の離脱宣言により、行き先は来季参戦するBMWが濃厚と言われている。BMWはすでにメルセデスベンツ陣営のトップランナーだったブルーノ・シュペングラーと契約を結んでおり、すでに参戦を明らかにしているアンディ・プリオールやアウグスト・ファルファスなど、強力なドライバーラインナップを揃えはじめているようだ。