Audi Team Racing Tech プレスリリース
2015年8月12日
Audi開発チーム、PHOENIX RACINGとAudi Team Racing Techコラボ初戦、パフォーマンスは向上するも、まさかのアクシデントが発生しリタイアに終わる。
今シーズン、新たにSUPER GT 300クラスに参戦を開始した「Audi Team Racing Tech」は、ドイツの名門自動車メーカーのひとつである、Audi社からのサポートを受けて誕生した、新たなレーシングチームです。Audi社の高い技術をもって完成したマシン「Audi R8 LMS Ultra」を武器に、日本最高峰のツーリングカーレースであるSUPER GT 選手権GT300クラスに、ゼッケン86番をまとって2015年から参戦を開始しました。
そしてチームはさらなる飛躍を目指し、第4戦の富士ラウンドよりドイツ本国でDTM王者でもあり、Audi社の実質的なワークス活動を展開するPHOENIX RACING(フェニックス・レーシング アーンスト・モザ代表)とのコラボレーションを決定、同チームからエンジニアとメカニックが今回の富士に派遣されました。ニュルブルクリンク24時間耐久レースでのアクシデントで負傷したクリスチャン・マメロウも、先日開催されたスパ24時間耐久レースでPHOENIX RACINGの一員として実戦復帰。過酷な長丁場で見事3位入賞を果たし、すでにエンジニアやメカニックとのコミュニケーションを深めており、彼も今回のレースに大きな期待を抱きながら、元気な姿で富士スピードウェイに集ったファンの前に姿を見せました。
金曜日にチームと合流した PHOENIX RACINGのエンジニアたちは、マシンの状態をチェックし、日本側のエンジニアたちと議論を交わすと、監督を含めた全体ミーティングを収集。まずはこの週末の限られた時間の中での作業工程を見直すことから始めました。この週末にできること、できないこと、作業やセットアップの優先順位、判断基準等、彼ら独自のノウハウは、早速チーム全体のパワーとなり始めました。
フリー走行は、GT300マシンの接触やトラブルにより2度の赤旗が提示される荒れた展開となりました。1回目、クリスチャン・マメロウはオーバーステアを訴え、チームはそれに見事に対応。代わって乗った細川慎弥も前戦とのマシンとの違いに驚かされるほど、しっかりとリヤが安定してきたとレポート。タイムは1分40秒218でクラス18番手でしたが、タイムを追及するのではなく、まずはベースセットに安定感を持たせることを主眼に置いたセッションとなりました。予選では、クリスチャン・マメロウがQ1を担当。1分39秒713で22番手に終わりましたが、マメロウの表情は明るく、決勝への自信を深めたように見えました。
早朝から多くのファンが集った日曜日。朝のフリー走行では、さらに決勝用のセットアップを煮詰め、1分41秒457を記録。細川慎弥ともども、決勝に向けての方向性を確認します。しかし迎えた決勝では、悪夢がチームを襲いました。スタートからわずか半周足らずのダンロップ・コーナーでマメロウの乗るマシンがノーブレーキで前を行くマシンに突っ込んでしまったのです。幸い両ドライバーに怪我はなく、なんとかピットに戻ってきたマシンを修復して、細川に交代してレースに復帰したのですが、細川の無線でのコメントと、安全面を含む総合的な判断により、7周を終えたところで野本監督はマシンをピットに戻すように指示、リタイア届を提出しました。次戦、鈴鹿1000㎞で、この雪辱を果たします。
■Audi Team Racing Tech 代表・監督 野本壮見のコメント
「Audi車輌開発チームであり、DTMのチャンピオンでもあるPHOENIX RACINGが持つ豊富な経験とデータを我々新興チームの武器にすべく富士に挑んだのですが、ブレーキトラブルが原因で残念な結果に終わってしまいました。まだ原因が特定できてはいませんが、徹底的に原因を追究して、対策を施す所存です。ご迷惑をおかけしたB-MAX Racingには、レース後にお詫びを申し上げましたが、状況をご理解いただき、労いの言葉すらかけていただきました。結果は結果ですが、今回のコラボレーション・プロジェクトによる成果は自分の予想以上に大きく、チームそのものが変革しているのを十分に実感しました。今シーズン後半戦が楽しみです。鈴鹿1000㎞の長丁場では、それが発揮できると期待しています」
■クリスチャン・マメロウのコメント
「事故の瞬間は、本当に驚いた。突然ブレーキが効かなくなったんだ。怖いと思う時間もなく、クラッシュしていたよ。相手のドライバーには申し訳なかったけど、お互い怪我がなくて本当に良かったと思う。チームは今回,PHOENIX RACINGと共同作業に取り組んだわけだけど、自分にとってはどちらもファミリーのような存在だし、何の違和感もなく溶け込めた。ラップタイムに現れない部分で相当進化したとだけは断言できるね。セットアップを変更するたびにマシンが良くなっていくんだ。短い時間しかないスーパーGTでは、それがとても大切だからね。次の鈴鹿が楽しみだよ」
■細川慎弥のコメント
「自分にとって、セットアップの奥の深さを学べた週末でした。あんなに乗りにくかったリヤの不安定感がピタッと収まり、ハンドリングも一気に向上しました。アクシデントは残念でしたけど、それでも完走を目指して再スタートしたのですが、応急修理では、怖くて乗れる状態ではありませんでした。エンジニアが想定ラップタイムを計算して、このまま続けてもレース周回数の75%は達成できないと判断し、リタイアしました。悔しいですが、今後に向けた明るい材料も多いので気持ちを切り替えて鈴鹿1000kmを目指します」
■PHOENIX RACING 代表 アーンスト・モザのコメント
「今回のコラボレーションは、基本的に成功したと自負しております。我々のエンジニアやメカニックにとってもSUPER GTは勉強する部分が多く、まだまだヘルプにしかなっていませんが、最初のスタートとしては、いい状況だったと思います。マメロウのアクシデントの原因究明は大至急せねばなりません。お互いのドライバーに怪我がなかったと聞いて、本当にほっとしました。親友であるMr野本に初優勝をプレゼントするためのコラボレーションですから、アクシデントは極力避けたいですよ」
