鈴鹿サーキットで2月26日、トヨタのエンジン開発テストと、2010シーズンのフォーミュラ・ニッポン新規参戦ドライバーを対象としたテストが行われた。前者は今季のFN参戦回避を決めているという立川祐路が担当し、トヨタの開発車両FN09を走らせた。

 興味深いのは後者の顔ぶれだ。まず、全日本F3からのステップアップを狙うケイ・コッツォリーノと、F3ユーロからのステップアップを狙うヘンキ・ワルドシュミットが、ルマンの7号車を交代で走らせた。これはどちらかひとりを石浦宏明のチームメイトとする、つまり国本京佑の後釜を決めるためのオーディションだった。

 井口卓人はセルモ/インギングの48号車を走らせており、彼は同チームからの今季のFN参戦がほぼ決定したと見ていい。また、ジョアオ−パオロ・デ・オリベイラはインパルの20号車を走らせており、彼も同チームからの今季のFN参戦がほぼ決まったようだ。もっとも、彼の場合は新規参戦ではなく2008シーズン以来の復帰だから、Fニッポンを運営する日本レースプロモーション(JRP)がこのテストで掲げたお題目には合致していないのだが……。

 それはともかく、この日の三重県地方は朝からあいにくの雨。午前9時から午前11時までのセッションも、午後2時から午後4時までのセッションも、チームが用意したスリックタイヤの出番はなく、全員のドライバーが終始ウェットタイヤで走行した。ただし、午前のセッション終盤には一時、雨脚がやや弱まる時間帯もたしかにあった。

 注目の7号車は、午前のセッションはコッツォリーノがステアリングを握り、1分58秒342の自己ベストタイムをマーク。午後のセッションはワルドシュミットがステアリングを握り、1分58秒302の自己ベストタイムをマーク。タイム単体の比較ではほぼ互角だった。

 ちなみにコッツォリーノは、2008年9月のFN最終戦直後にSUGOで行われたルーキーオーディションでFN06をテストドライブした経験こそあるが、FN09のドライブは今回が初めて。ワルドシュミットは、2009年11月に富士で行われたルーキーオーディションに続き、FN09のドライブは2回目である。

 今回のオーディションについてルマンの土沼廣芳監督は、「ふたりとも速かった」と感想を述べ、「ドライバーの発表はもう少し時間が掛かる」とした。早ければJRPが3月7日に予定している今季の開催概要発表会、遅くともトヨタが3月12日に予定している今季のモータースポーツ活動発表会で、いずれかの名前が公式にアナウンスされるだろう。

 オリベイラはブランクを抱えながらも、天性の才能と過去の経験の両方から1分56秒567の最速タイムをマークして、チームの期待に応えた。午後のセッションで雨脚が一時的に強まった際には、コクピットを離れて天気の様子見を決め込む余裕さえあった。

 2009年9月に鈴鹿で行われたパワステテスト以来のFN09搭乗となったのは、全日本F3からのステップアップを果たす井口。午前のセッションではガス欠に見舞われてコースでストップ、同セッション終盤にはダンロップコーナーでスピンを喫してタイヤバリアに接触。思いどおりに周回を重ねられなかったが、それでも1分59秒302とまずまずの自己ベストタイムをマークした。

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