今年のF1ではドライバーたちが走行中に多くのボタンを扱わなければならない問題について、F1のテクニカルチーフらがドライバーへの負担が大きすぎるかどうかを調査することを明らかにした。フェラーリは、ドライバーにかかる負担が“受け入れられない”レベルになっていると示唆している。
通常、ドライバーたちは走行中に無線、デファレンシャル、ブレーキバランスの操作をしなければならないが、2011年にはKERSとムーバブル・リヤウイングも加わる。すでに何人ものドライバーたちが、コクピット内で操作しなければならないボタンの数が多すぎて、安全面で問題が出るかもしれないと懸念の声を上げている。
フェラーリドライバーたちもその懸念を表しており、それを受けてフェラーリのテクニカルチーフ、アルド・コスタは、F1テクニカル・ワーキンググループがこの問題について調査していることを明らかにした。
「我々は受け入れられない限界のところまで来ている」とコスタはコメントした。
「この問題をTWGで話し合い、シミュレーターを使って評価している。すべてのコンポーネントを扱うことがドライバーたちにとって肉体的に可能なのかどうかを検討しているが、極限的な状況に近い」
フェラーリのフェルナンド・アロンソは、1月初め、新レギュレーションはレースの向上に役立つと思うが、多数のボタンを操作しなければならず、作業が複雑になることが問題だと述べている。
「うまくいくと確信しているが、ひとつだけ難しい問題がある。ステアリングホイールにたくさんのボタンがつくことになり、とっさに自分で判断を下してボタンを操作し、同時にマシンを走らせなければならないのだ」
「ウエットレースなどでは視界も悪くなるから、そういったこともチェックしなければならない」
「F1に革新的な新しいものが導入されるのは、常に喜ばしいことだ。すべての変更はF1というスポーツ、F1のショー的要素を向上させるためのものだ。だから、まだ試してはいないけれど、今の段階ではオープンかつポジティブに考える必要がある」