ジョーダンやジャガーでテクニカルディレクターを務めたゲイリー・アンダーソンが、ヘレスで行われた今年初のF1テストを見て、参加全チームの評価を行った。

 現在英AUTOSPORTの技術専門スタッフの役割を果たしているアンダーソンは、1月28日から31日に行われたF1合同テストを総括する形で、走行した10チームを10点満点で評価した。

 以下に10位チームから順に、アンダーソンのコメントと共に紹介していく。

10.レッドブル:1点
「レッドブルはテスト初日からトラブルに見舞われ、作業を切り上げて不満が残る形でサーキットを去ることになった」

「ルノーエンジンがエネルギー回生システム(ERS)をうまく機能させられない問題を抱えていることに加え、マシンにはパッケージングの問題もある」

「ほとんど走行できなかったため、評価をするのは難しいが、マシンのデザインを見る限り、エンジンの問題が解決すればかなり期待できそうだ」

9.トロロッソ 2点
「冷却とルノーエンジンに関連する電気系の問題が発生し、あまり走行していないため、マシンのパフォーマンスに関して判断するのは不可能だ。少なくともレッドブルより周回数が多かったことだけは確か」

8.ケータハム 3点
「ルノー勢の中では最も多くの距離を走った。ただしペースは遅く、とりあえず周回を重ねたという状態だった。それでも小規模チームとしては成功だったといえる」

「走行している状態を見ると、素晴らしいマシンには見えず、グリップも足りないようだ。しかし濡れた路面では、時々それなりにいいところを見せていた」

7.ザウバー 4点
「ザウバーはグリップが足りず、やるべき仕事が多そうだ。アンダーステアから突然オーバーステアに変わるという状況も見られた。またタイヤのウォームアップにも問題を抱え、新しいブレーキング・バイ・ワイヤ・システムもうまく機能していなかった。ハンドリングの問題はエンジンとは無関係で、シャシー由来のものであるようだ」

「しかしザウバーはバーレーンテストでは大きな空力アップグレードパッケージを入れる予定であり、これによってマシンが改善することが期待されている」

6.マルシャ 5点
「きちんとしたシンプルなマシンで、チームはフェラーリのパワーユニットにも満足している。マルシャは本格的なスタートを切り、すべての要素が整いつつある。コースサイドから見てもマシンはよさそうだ」

「これから多数の新パーツが導入される予定となっており、次回テストではパフォーマンス向上の作業に取り掛かれる」

5.フォース・インディア 6点
「いくつかのトラブルに見舞われたが、最終日には多数の周回を走りこむことができ、信頼性の問題は解決できたようだ」

「マシンの感触はよさそうで、バランスもトラクションも優れており、今後多数の空力アップデートが導入される予定となっている」

4.フェラーリ 7点
「テスト前にはフェラーリのパワーユニットに関してネガティブなうわさがあったが、 実際にはトラブルもなく強力だった」

「フェラーリのマシン自体は、走行しているところを見ると、他のマシンほどのグリップはなく、常にリヤエンドが滑り、突然オーバーステアに見舞われていた。最初はコーナー入口で不安定だったものの、それについては日がたつにつれて改善していった」

「ダウンシフトが非常にスムーズで、フェラーリはシームレスシフト・ダウンチェンジを開発しているのではないかと思われる」

3.ウイリアムズ 8点
「2013年は悲惨なシーズンだったが、ヘレステストでのウイリアムズは大きな期待を感じさせた。濡れた路面では多少オーバーステア気味だったが、ドライではフロントエンドが非常に強力だった」

「メルセデスエンジンへとスイッチしたウイリアムズは多数の周回を走りこみ、いいラップタイムを記録している」

2.マクラーレン 9点
「マクラーレンは昨年に比べて大きく進歩した。走行中のマシンを見ると非常にいい感じで、後半の2日を走ったケビン・マグヌッセンは限界までプッシュすることができていた。彼は何度かコースオフもしていたが、自信を持ってマシンを走らせていた」

「空力的に非常によく計算されており、今年はこのチームがいるべき場所に戻ってきたといえそうだ」

1.メルセデス 10点
「メルセデスにとってヘレステストは大成功だった。最終日にはフルレースディスタンスを走り、他のどのチームよりもたくさんの周回をこなし、メルセデス・パワーユニットとしてもライバルたちより多くの走行距離を重ねた。メルセデスはバーレーンに向けてベストの準備を整えたといえる」

「走行中のマシンは、少し動きが緩慢な部分がありながらも、それなりに優れているように見え、ウエットでのトラクションもよかった」

「初日にフロントウイングのトラブルがあったが、それ以外に信頼性の問題はなかった」

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