スポーツランドSUGOを舞台に、9月19〜20日に行われたFIA-F4選手権の第5大会は、2戦ともに坪井翔(FTRSスカラシップF4)がポール・トゥ・ウインを達成。これで5連勝となり、ランキングでも待望のトップに躍り出ることとなった。一方、牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)は2位、3位に留まり、まさに苦汁を飲む展開となった。

 前回の鈴鹿で坪井に連勝を許し、勝ち星で並ばれはした牧野であったが、ランキングはトップのままで、しかも今回の舞台であるSUGOはJAF-F4で連勝を飾り、東日本シリーズの王座を決めた験のいいサーキット。それだけに「好きになりましたし、得意なタイプのコースなんで」と、迫る坪井を再び引き離しにかかるつもりでいた。

 ところが、木曜日から始まった練習走行は午前中のスポーツ走行のみドライコンディションで、あとは金曜日の1回目まで専有走行がウェットコンディション。この状況において、すべてトップタイムを記していたのが坪井だった。一部に濡れた部分を残していたが、ようやくドライタイヤが履けるようになった2回目こそ9番手だったが、「4回も赤旗が出たせいで、いちばんいいタイミングを逸しただけなので、本番がドライになっても不安はありません。自分の中では好感触があるので」と語っていた坪井。

 実際、19日の予選でも「今回もGTの走った直後で、コンディションは変わっていましたが、『これはグリップする』と思って、すぐアタックを開始しました。イメージどおりの走りがしっかりできましたし」と、ファースト、セカンドともにベストタイムはトップで、自身初のWポールポジションを獲得する。

 一方、牧野は2戦ともに3番手。「特にミスはなかったのに……」と頭を抱え、ふたりの間には、河野駿佑(グッドスマイル初音ミクF110)が割って入る。「ようやく、って感じです。今まで予選で位置取りとか失敗し続けて、どんだけ損したんだろうって(笑)」と河野。スーパーFJ時代の牧野の好敵手が、ようやく本領を発揮し始めた。

 なお、4番手は小高一斗(FTRSスカラシップF4)で、ここまでの順番は2戦とも一緒。第9戦は上村優太(HFDP/SRS-F/コチラレーシング)が5番手、阪口晴南(DUNLOP SUTEKINA F110)が6番手。第10戦は篠原拓朗(VSR Lamborghini SC)が5番手で、上村が6番手だった。

 予選に続いてドライコンディションが保たれた第9戦決勝レースのトップ争いは、スタートで決着がついた。フロントローのふたりが牽制し合う間に、牧野がひとつ順位を上げるも、もうひとつとはいかず。「SUGOは1コーナーにトップで入れば、もう大丈夫だと思っていて、そのとおりの展開になりました」と語る坪井が、そのまま逃げ切りを果たしたからだ。逆に牧野と河野の2番手争いは最後まで続いたものの、河野に逆転の機会は訪れなかった。2位を守り抜いた牧野だが「もし、スタートで前に出られても、坪井選手には抜き返されたでしょう。何が足りないのか僕には分かりませんが、そのぐらい差はありました」と話していた。

 そして、このレースを盛り上げたのは宮田莉朋(RSS TAKAGI RACING)だった。昨年の全日本カート選手権KFチャンピオンの宮田は、8月に限定Aライセンスを取得しており、これがデビュー戦となったのだ。「経験の少なさ」から予選は9番手に甘んじるも、まずはスタートでふたつ順位を上げる。一時は小高、大津弘樹(HFDP/SRS-F/コチラレーシング)、上村、阪口の4番手争いを静観しつつ、訪れたワンチャンスを逃さなかった。11周目の1コーナーで集団に生じた一瞬のほころびを突いて、4番手浮上に成功。「ああやって抜くことができたのは、カートでの経験が生きたんだと思います。状況判断には自信があるので」とレース後に胸を張った。ちなみに、大津に続く6位となった小高、7位に留まったとはいえ阪口も、みんな16歳。まぁ、すごい時代が訪れたと言わざるを得ない!

 20日の第10戦も、牧野がスタートで河野の前に出たものの、今度は2周目の1コーナーで河野が逆転。もちろん、その頃には坪井が早くも独走態勢に入っていた。時に坪井をペースで上回った河野ながら、「近づいてきたら、僕もプッシュして」とプレッシャーをかけることは許されず。それでも、牧野からの追撃は振り切ってみせた。「ミスが何度もあったので、これからもっと集中力を高めていかないと。でも、連続表彰台で、少し肩の荷も降りました」と河野。

 一方、牧野は背後に篠原、大津、上村を従えて、さながらレーシングスクールのような状態となっていたが、必死にガードを固め続けて3位はキープした。ただ、「糸口は見つからなくて、昨日より悪くなっていました」とレースを振り返った。

 この結果、第9戦でランキングのトップに立っていた坪井は、2位以下との差を10ポイントにまで広げることとなった。「次のオートポリスは初めて走るし、どんなコースなのかイメージできませんが、それはみんな一緒ですから。でも、クルマも僕も状態は最高なので、このまま勝ち続けられると思っています」と力強く語る。

 4位でゴールの篠原は、これが自己最上位。昨年の東北/もてぎスーパーFJ二冠王も、ようやく開花しつつあるようだ。そして小高と阪口、宮田は7位から順に並んでフィニッシュ。坪井の言葉ではないが、次回のオートポリスにレース経験を持つ者は、FIA-F4には皆無に等しい。極めてハンデの少ないレースで、16歳のドライバーたちはいったいどんな走りを見せてくれるのだろうか。

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