2012 AUTOBACS SUPER GT Round 2
FUJI GT 500km RACE
GAINER DIXCEL R8 LMS
DRIVER:Tetsuya TANAKA Katsuyuki HIRANAKA
予選:PP 決勝:5位
予選日入場者数:26000人 決勝日入場者数:57000人
2012年5月3日(木曜日)
雨 公式練習:9:00~10:50 気温:14度・路面温度:16度・路面状況:ウエット
Q1:13:00~13:15 田中哲也
気温:17度・路面温度:20度・路面状況:ウエット
スーパーラップ:14:30~15:05 平中克幸
気温:18度・路面温度:21度・路面状況:ウエット
朝から降り続く雨の為に、コースはフルウエットコンディション。コース上には至る所に川が流れる中で走行開始となった。スタートは平中克幸からウエットタイヤを履いての走行となる。アンダーステアとハイドロがかなり気になるようで、ハイドロの影響でオーバーステアも所々で出ているようだ。そんな中でも、ダンロップタイヤはパフォーマンスを発揮しクラストップに掲示される。しかしその後No.3GT-Rにタイムを更新され2番手に後退。コース上は至る所でコースオフするマシンがあり、No.4BMWやNo.5Ferrariがクラッシュし赤旗中断が4度にわたって提示され、荒れるレースウィークを予感させた。後半田中哲也と変わるが、ハイドロは変わらずアンダーを消す方向にセットアップしていかないと1分52秒台は見えてこないとコメント。そのまま占有時間を走り、公式練習は終了した。
午後1時から予選1回目が開始された。この1回目と次のスーパーラップには同じドライバーがアタックできない為、まずこの予選は田中がアタックを開始。朝同様に降りしきる雨にどれだけ対応できるかがスーパーラップ進出の鍵となる。田中は計測2LAP目にはセクター2でトータルベストを出し、1分52秒401のタイムで2位のポジションに。その後No.88のオイルで全体的にかなり滑りやすい状況となり、危険と判断。予選時間を2分残し、アタックを終了。その後これ以上のタイムを出すマシンはなく、2位でスーパーラップに進出を決めた。
1時間15分のインターバルの後スーパーラップが開始された。担当は平中。スーパーラップの担当をするのはこれで7回目になるが、初めてスーパーラップを任されたときの富士ではヘアピンでスピンし10位。それからも4位や2位とポールポジションを獲得していない。並々ならぬ気持ちで9番目にアタックを開始するためにコースへ。それまでのベストはNo.3GT-Rの1分52秒690。セクター1では若干の遅れがあったものの、セクター2では驚異的なタイムで走行。セクター3でもその勢いは劣ることなく1分50秒249で2位との差を2秒441とし暫定トップへ。最後にアタックしたNo.87は思ったほどタイムが伸びず、No.11のポールポジションが確定した。
田中哲也コメント
今日はとにかく完璧な予選で、コンディションもすべて完璧でした。明日に向けて良い準備が出来たと思います。明日は頑張ります。
平中克幸コメント
今回は車も良く、タイヤも良く、そして自分もしっかりと任された仕事をこなせたので、ポールポジションが取れたと思います。本当にうれしいです。今まで自分が予選を任された時の、スーパーラップ、ノックダウンのQ3では2位が4回ぐらいで本当にずっとポールが取れそうで取れない状況が続いていて、一皮むけない感じでもやもや感がずっとしていました。岡山の優勝から、今回スーパーラップを任されてポールポジションを取れたということで自分の中ですごく良い方向に行ってるし、そういう意味でも明日は全力で優勝目指して頑張りたいと思います。
2012年5月4日(金曜日)
曇り/小雨のち曇り
フリー走行:8:30~9:00
気温:16度・路面温度:17度・路面状況:ウエット
決勝110周(104周):14:00~
気温:19度・路面温度:23度・路面状況:セミウエット&ドライ
天気予報では朝から快晴のはずだった。しかし富士スピードウェイは、雨は降っていないものの、どんよりとした薄曇りの雲に覆われて、路面状況は完璧にウエット。所々まだ川も出来ている最悪のコンディション。
午後は天気予報が当たれば晴れなのだが、決勝までドライ路面で走ることは不可能で、データーも無いままぶっつけ本番での決勝レースが想定された。
まず平中がコースへ。やはり昨日と同じくアンダーがきついようで、思ったほど踏んでいけないようだ。
決勝シミュレーションを行い田中と交代。マシンが走ることによって徐々に路面が乾き始め、再びシミュレーションを兼ねて平中と交代し、走行は終了した。
久しぶりに500kmの距離に戻った第2戦富士。2回のピットインとそれに伴うドライバー交代が義務づけとなり、燃費の悪いFIA-GT3車両のアウディはポールポジションからスタートして、コース上でどこまで他車とのビハインドを大きくしてピットに戻って来られるかが鍵となる。
フォーメーションラップ開始15分前頃から濃いグレーの雲がサーキットを覆い始め、10分前にはぽつりぽつりと雨粒が落ち始めてきた。フォーメーションラップ開始5分前からは、グリッド上でのすべての作業が禁止されるため、ドライタイヤで走行を開始するのか、それとも勝負をかけてレインタイヤに変えてスタートするのか非常に難しい判断が要求される。
しかし5分前では路面が濡れるまでにはならず、回復すると判断しそのままでスタートすると決断。レインタイヤに交換するマシンもなく同条件ではあったが、その後徐々に雨脚は強くなり、SC(セーフティーカー)スタートが決定し、全車グリッドを離れていく。
1周目にピットに戻りタイヤを交換するチームもあり、替え時はドライバーの判断に任され2周目に平中はピットへ。このタイミングでタイヤを交換するチームがかなりあり、すでにポールポジションからのスタートは意味をなさなくなっていた。
ピットロードエンドのシグナルが赤のまま、コースイン待ちのマシンが列をなす。
ピットロードエンドに近いマシンの方が有利なのは確かで、No.15ポルシェに先行を許してしまう。3周目のポジションは8番手まで後退するが、タイヤを変えていないマシンもあり、4周目には4番手、5周目には3番手に復帰。しかし1周目にタイヤ交換をしたNo.88ランボルギーニにトップを奪われ、ピット場所によりNo.15には2番手のポジションを渡してしまう羽目に。
しかし降っていた雨も徐々に上がり始め、今度はドライタイヤの交換時期の判断がかなり重要になってくる。燃費の良いマシンはこの時点でドライバー交代も可能で、GAINERAUDIはかなりシビアな戦いを強いられてしまった。10周目に給油とタイヤを交換してコースへ。コースに戻ったときは15番手まで後退するが、15周目には5番手まで復帰。しかし、かなり順位の変動は激しく、他車がタイヤ交換時にドライバーが変わっているのか、否かもなかなか確認するのにも大変な状況で、一つの出来事が大きく順位を交代させる原因になりかねない。22周目には2番手まで順位をあげるが、トップはNo.15で、34秒の差をつけられてしまっていた。差はそれ以上もそれ以下にもなかなかならなかったが、29周目に後方から徐々に迫っていたNo.3(予選は2番手だったが、再車検で違反が見つかり9番手からのスタートになっていた)に交わされ3番手に。その後タイヤが厳しくなりNo.66アストンマーティンにも抜かれてしまった。ただ500kmにもなると、途中の順位はピットの関係もあり、実際の順位と見た目とではかなり違い、判断が付きにくい。50周目に平中から田中に変わり、この時点でポジションは5番手。実際は2番手と思われた。
しかし、58周目にNo.15がストレートで急に体勢を崩し、ピットロードエンドのガードレールに激しくヒットし、ドライバーの救出とマシンの回収のためSCが導入され、この時点で2回目のドライバー交代を終えていたNo.0BMWとNo.43Garaiyaが非常に有利に。このSC中にNo.2紫電も2回目のドライバー交代を終えていた。
1人最低走らなければいけない周回数と燃費のため、GAINERAUDIはこの時点では交代できず、63周目にSCが入りレースが再開したときには、見た目は2番手だったが実際は4番手まで後退していた。
田中は猛然とスパートをかけるが、SC導入前に築いていたマージンも無くなり、この時点で優勝はかなり厳しいものになっていた。82周目頃から再び雨がポツポツと降り始め、84周目に最後のピットを行う予定を延ばし、天候が味方になるかと思えたが、この時点ではひどくなる事は無く、86周目に平中と交代。平中がコースへ出たときは5番手になっていた。しかし95周目にはかなり雨がひどくなり、平中もグリップしないと無線機から悲痛な叫びが。
しかし、残り10周ほどの周回数の中ピットに戻りタイヤを交換するというリスクはおかせず、そのまま周回を重ね、5番手でチェッカーを受けた。シリーズランキングはNo.0に明け渡したが、しぶとく5番手でチェッカーを受けたことにより、2位で第3戦セパンを迎えることになった。
田中哲也コメント
決勝は残念な結果でした。内容もいろいろありましたが、流れも悪かったですね。現実問題5位という実力では無かったと思うのですが、いろいろと課題もあったので次に対してプラスにはなったと思いますし、最悪では無かったと思います。5位なのでちょっと悪かったかなとは思いますが、シーズン序盤ですし、昨年みたいにずっと表彰台に上がってもチャンピオン取れないこともありますので、優勝して5位になって課題をクリアして次に繋げていけば良いかと思います。
平中克幸コメント
今回は荒れた展開になって、正直勝てる状況ではなかったですね。ドライで走ってみて、周りが速い事もすごくわかりましたし、レースの前半でアストンマーティンとの戦いでラップタイムがかなり向こうの方がコンマ5秒から7秒位速かったのも事実なので、次の課題になりましたね。作戦面でももう尐ししっかりと出来るようにしていきたいなと思います。
