F1イタリアGPに小林可夢偉がレースドライバーとして復帰したことは日本のファンにとって悪いニュースではなかった。だが、最も気がかりなことは可夢偉の今後ではないだろうか。イタリアGPの2週間後にはシンガポールGPがあり、10月には可夢偉の母国レースとなる日本GPがある。

 まず、次戦シンガポールGPについて検証してみよう。以前から噂されているカルロス・サインツJrについては、父カルロス・サインツが「今季中のF1デビューはない」と発言したことから除外する。

 ベルギーGP後にコリン・コレスがメディアに語った内容が事実だとすれば、今後ケータハムでレースをする可能性があるドライバーは可夢偉、アンドレ・ロッテラー、ロベルト・メリの3人。ロッテラーはスーパーフォーミュラとWECに参戦、メリはフォーミュラ・ルノー3.5に出場している。関係しているレースの日程は以下の通りだ。

9月13日(土)〜14日(日)スーパーフォーミュラ(日本・オートポリス)
9月13日(土)〜14日(日)フォーミュラ・ルノー3.5(ハンガリー・ハンガロリンク)
9月18日(木)〜20日(土)WEC(アメリカ・テキサス)
9月19日(金)〜21日(日)F1シンガポールGP

 ロッテラーは以前から「僕のプライオリティはWEC」と語っており、シンガポールGPと同じ週末にアメリカで開催されるWECを欠場することは、アウディとの契約を考えるとまずないだろう。ロッテラーのマネージャーが「ケータハムからF1に出場するのは1戦のみ」と話していることからも可能性は低い。

 つまり、シンガポールGPでケータハムをドライブするのは可夢偉、またはメリのどちらかに絞られる。イタリアGPのフリー走行1回目に出走したあと、メリにシンガポールGPについて尋ねた。
「F1ドライバーになることが夢だから、もちろん出たい。でも、それは僕が決めることではない。シンガポールはフォーミュラ・ルノー3.5と重なっていないから、チームから要請があれば出ることは可能だ」と、実戦デビューへの意欲を見せていた。

 ここで問題になるのが、メリのスーパーライセンスだ。イタリアGP金曜日のフリー走行1回目でメリが走行した周回数は29周、走破した距離は約168kmだった。スーパーライセンス取得に必要とされている走行距離は300kmだから、130kmほど不足していることになる。しかし、あるレース関係者はスーパーライセンスについて次のように語っている。

「300kmは、ひとつの基準であって絶対ではない。メリはユーロF3チャンピオンで、現在フォーミュラ・ルノー3.5でランキング2位であることが考慮されることもある。だから168kmでも、きちんとしたレベルでF1をドライブしていれば、FIAがスーパーライセンスを発給する可能性は十分ある」

 そして、可夢偉はシンガポールGPについて次のように語っている。

「シンガポールですか。乗れるかどうか、いつ決まるのか、僕は正直わかりません。もちろん乗れるように努力しているのは間違いないけど、もう僕がどうこう言う、そういう次元の話ではなくなっている」

 メリがスーパーライセンスを取得することができれば、シンガポールGPでF1デビューとなる可能性が浮上してくる。

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