F1ベルギーGPの併催レースとして行われたGP2とGP3の決勝レースで、オーシャン・レーシング・テクノロジーのマシンがいずれも激しいクラッシュに見舞われた。
土曜日に行われたGP2の第1レース、オーシャンのマシンを駆るナイジェル・メルカーは最初に迎えたオー・ルージュの先で一瞬バランスを崩し、リカバリーを試みたラディヨンの出口でコントロールを失うと、その先のタイヤウォールにハイスピードのまま突っ込んだ。
このアクシデントはメルカーの単独クラッシュだったが、彼は強い衝撃を受けたために自力でマシンから降りることができず、救助チームのサポートによってメディカルカーへと乗せられサーキットの医療センターへ搬送、その後ヘリで近くの病院へと移された。
続くGP3でも同じオーシャンを走らせるロバート・クレガンが激しいクラッシュを喫した。クレガンはスリーワイドでプーホンにターンインする瞬間、イン側2台の接触に巻き込まれ、左リヤを失った状態でタイヤバリアに激しく打ちつけられた。このクラッシュでは、インパクト時の速度が220km/hを記録していたことが後にチームから明らかにされている。
この他、GP2ではF1のマルチクラッシュ同様、スタート直後の1コーナーで数台が絡むアクシデントが発生したほか、直後のケメルストレートでも接触が起きるなど、非常にアクシデントの多いレースウイークとなった。
幸い、メルカーとクレガンは骨折などの大事に至っておらず、体に若干の痛みを訴えているものの、彼らはすでに自宅に戻って静養している。
チームを率いる元F1ドライバーのティアゴ・モンテイロは、ふたりが今週末のイタリアラウンドに出場できる可能性もあるとし、今は最終的な医師の判断を待っているところだ。
一方、クラッシュした2台のマシンはほぼ全損に近い状態で、シャシーのほかにエンジンやギヤボックスなどに大きなダメージを受けていたという。
なおレースは、2009年の全日本F3チャンピオン、マーカス・エリクソン(iスポーツ)が2年ぶりに優勝、第2レースはヨセフ・クラル(バルワアダックス)がGP2初勝利を飾った。GP3はダニエル・アプト(ロータス)がクレガンのクラッシュで赤旗4周終了レースの勝者に、第2レースを制したマティアス・レイン(MWアーデン)はシリーズ初勝利だった。