GP2ソチ・ラウンド、レース1を7番手からスタートした佐藤公哉は、結局13位でフィニッシュした。スタートは綺麗に決めた佐藤だが、2〜3コーナーで大きく順位を落としてしまう。これには、あるからくりがあった。
「コース外の走行は厳しく審議すると言っていたのに、コース外を走ってアドバンテージを得たマシンのほとんどが、何もお咎めなしだった、これじゃフェアじゃないですよ」
そう憤慨して語る佐藤。結局5つ順位を落として、1周目を終えて戻ってきた。カーリンのフェリペ・ナスールにはコース外走行のペナルティが下ったものの、それ以外のドライバーには、何のペナルティもなし。しかも、このタイミングで幾度かの接触もあったという。
その後14番手まで下げてしまった佐藤だが、8周目のセーフティカー出動と同時にピットイン。タイヤを交換して上位復帰を狙う。しかし、セーフティカー解除となる11周目、最終コーナーで後続車に追突され、スピン。これで、最後尾まで順位を落としてしまう。
先行車のピットインやリタイアなどによってその後順位を上げ、結局13位でフィニッシュ。期待された今季初入賞は果たせなかった。
「乗っていた感じは問題なかったので、接触のダメージはないと思いますが、メカニックには申し訳ないのですが、今晩一応チェックしてもらいます。今日はマシンもタイヤも良かったのに残念でした。オーバーテイクは難しいコースですが、明日また頑張って抜いていきたい」
そう日曜日のレース2に向けて意気込みを語ってくれた佐藤だが、やはりそれ以上に、現在のGP2の激しさへの憤りを訴える。
「今GP2に出ているドライバーは、簡単にぶつけてくるんです。まるで格闘技みたいに。僕たちはレースをしに来てるんです。それじゃあ、普通のレースはできなくなってしまいます」
前回のイタリアに続き、憤りを覚える裁定を下されている佐藤公哉。レース2ではクリーンな、それでいて激しく見応えのある“レース”ができるよう、願うばかりである。