2013 AUTOBACS SUPER GT SUGO GT300KM RACE
DRIVER 谷口信輝 片岡龍也
8番グリッドスタート、15位完走
2013年7月27・28日の2日間、2013 AUTOBACKS SUPER GTシリーズ第4戦『SUPER GT SUGO GT300KM RACE』が宮城県は村田町のスポーツランドSUGOで開催された。
今シーズン、王座奪還を最大の使命とする4号車にとって、今後チャンピオンシップ争いに残る為には、この第4戦は落とす事の出来ない戦い。先日の鈴鹿テストではマシンの問題箇所を洗い出し、一定の成果を得たチームは、大きな期待を持ってこのレースに挑んだ。
7月27日(土)練習走行・予選
練習走行
前日、激しく降った雨も明け方には止み、第4戦の初日は曇り空のスタート。昨夜の雨が乾ききらないスポーツランドSUGOのコース上には所々に濃い霧が発生し、練習走行前にはウェット宣言が出された。
8:45定刻通りコースオープン。この練習走行、まずは片岡選手がドライブを担当する。セッション開始と同時にコースインした4号車は、まず無線のチェックを実施。各ポイントの感度も良好な事を確認した片岡選手は、一旦PITへ戻り、練習走行のメニューを消化すべく再びコースへと向かった。この練習走行の4号車の滑り出しは上々。片岡選手はタイヤ評価を行いつつ、計測2周目にその時点での2番手、計測4周目にはTOPタイムをマークする。4号車はその後も20周目にその時点でのTOPタイムを計測。赤旗中断を挟みながらマシンのセッティング確認を終了した片岡選手は、23周目に谷口選手へマシンを引き継ぐ為にPITへ向かった。
セッション後半を担当する谷口選手は、まず決勝に向けたタイヤチェックの為にロングランを実施。計測6周目でその時点での2番手タイムをマークする。4号車はその後一旦PITに戻り、再びコースイン。谷口選手は、計測2周目にこのセッション4号車のベストタイムである1‘23.473を計測し再びPITへと向かった。練習走行はその後10分間のクラス専有時間を迎えたが、PITに戻った4号車にはスタートスイッチに起因するトラブルが発生していた事が判明。チームはその対処を優先するため、300クラスの専有走行枠へはマシンを送り出さず、4号車はこの練習走行を10番手で終えた。
公式予選Q1
300クラスの公式予選Q1を控えたコースコンディションはドライ。午前の練習走行終盤に電気系マイナートラブルが出た4号車だったが、チームはPIT WALK開始までには処置が完了させ予選のスタートを待った。この公式予選は片岡選手が担当する。
14:00スケジュールどおりQ1スタート。中段より少し後ろでコースインした4号車は、アウトラップに続く計測1周目と2周目はトラフィックにかかりアタックを行えず、計測3周目からアタック開始。まずは1‘22.235で4番手に着けた。続く計測4周目、片岡選手はこのセッションのベストとなる1‘22.229を計測。しかし、ライバル勢も次々にタイムを更新し、4号車はポジションを6番手に落としてしまう。片岡選手はその後、計測6周目にも再度アタックを行ったが、性能調整によって最低ランクまでストレートスピードを削られた4号車はタイムを更新する事が出来ない。4号車のポジションはその後12番手まで落ちたが、タイムを伸ばす事が出来なかったライバルにも助けられ、辛くもQ2進出を遂げた。
公式予選Q2
Q2もスケジュールどおり14:40スタート。13台中7番目にコースインした4号車は計測2周目からアタックを開始した。谷口選手はまず2周目に1‘22.690、続いて1‘21897を計測。その時点の2番手につける。続く4周目は前方にスペースを取るためアタックを行わず、5周目に再度アタックを実施。このセッションのベストタイムである1‘21.729を記録するが、ストレートスピードに勝るJAF勢を中心としたライバルとの差を埋めるには至らず、4号車は8番手でQ2を終えた。
7月28日(日)決勝
天候:曇りのち晴れ、のち雨
コース:ドライのちウェット
決勝日は前日より天候がもち直し、時折青空が顔をのぞかせるコンディションでスタート。午前のフリー走行が終了し、PIT WALKが始まる頃には夏の空気がSUGOを包み、決勝を前にコースのコンディションも完全なドライとなった。この第4戦の決勝は片岡選手がスタートドライバーを務める。
決勝はスケジュールどおり14:00ローリングラップからスタート。PIT WALK時には姿を消していた重たい雲が再びSUGO上空を覆い始める中、セーフティーカーがPITロードへ向かい、300kmの戦いが始まった。
500クラスに続いて300クラスもコントロールラインを通過。4号車はクリーンなスタートを決め、7番手のポジションで決勝のスタートを切った。が、直後の1周目走行中、4号車は後方9番グリッドからスタートした11号車にポジションを奪われ8番手に後退する。片岡選手は4周目にこのレース中のベストタイム1‘23.879をマークするが、4号車は中段の集団に埋もれてしまい、その後しばらくポジションを上げる事が出来ない厳しいレース運びを強いられる事になった。
4号車のレースが動いたのはレースの1/3を消化した直後の27周目。中段で集団に埋もれた状況の打破と良いポジションでマシンをコースに戻す事を狙い、チームは規定いっぱいの周回数で片岡選手をPITに呼び戻し、ドライバー交代と給油、タイヤ交換を実施。谷口選手が乗り込んだ4号車を最小の作業時間でコースに送り出した。
ドライバー交代を終えた4号車は、20番手でコースに復帰。次の周回に一旦ポジションを21番手に落とすが、その後、前方を走るライバル勢が次々とPITへ向かう中、着実に順位を上げ続け、45周目に9番手、47周目にはスタート時と同じ8番手とそのポジションを上げて行った。
8番手ポジションを一貫したペースで走る谷口選手はその後、射程圏内に収めた86号車の隙を伺うが、ストレートスピードに勝るライバルをオーバーテイクするまでには至らず、4号車のレースはその後数周に渡って膠着した状態に陥った。
レースが再び動いたのは、レースも終盤に差し掛かろうかという57周目。数周前から落ち始めていた雨粒が勢いを増す中、コースはこれからウェットコンディションとなると判断したチームは、他のマシンに先駆けてタイヤ交換を決定し、マシンを呼び戻した。PITへ戻った4号車はレインタイヤを装着し15番手でコースに復帰。次の周回には早くも13番手へとポジションを上げるが、雨脚は予想に反して強まらない。
谷口選手はタイヤを何とか保たせようと懸命のドライブを続けるが、徐々に乾いてきたコースにレインタイヤが耐えきれず、ポジションを再び15番16番手へと下げてしまった。このままではゴールまでタイヤが保たないと判断したPITはそこで再度のタイヤ交換を決断。谷口選手はポジションダウン覚悟で65周目に再びPITインし、今度は浅溝タイヤを装着したマシンはコースへ復帰した。
17番手でコースに戻った谷口選手は、そのポジションを再び15番手まで戻したが、4号車が74周目を走行中にTOPを走るARTA CR-Z がチェッカーを受け、4号車はこのレースを15位完走で終えた。
■ 鈴木康昭エントラント代表
ノーポイントという、一番やってはいけないことをやってしまいました。今年は優勝してドカンと大きなポイントをゲットするのが難しいので、とにかくコツコツと取りこぼしがないようにやっていかなければいけないんですが……。雨が降ってきたときは、そのままスリックか、レインか、インターミディエートかという3択だったんですが、レインを選びました。結果的にこの賭けには失敗してしまいましたね。とはいえ、あの順位(8位)のままゴールしても仕方ないですし、レインに賭けるしかなかったんです。それ以前に8位とか9位にしか上がれないのが問題で、そこを改善しない限りは苦しい戦いになってしまいますね。クルマの戦闘力不足なのはハッキリしているのですが、BMWに言ってどうにかなる問題でもないですし、ヨーロッパのレースの結果に基づいたBOPなのでとても頭が痛いところです。
■大橋逸夫監督
今、僕らがとれる作戦というのは、早く(ピットに)入って前に出るということくらいです。ここに、他のチームが我々に合わせてこられると、前に出られない。チャンピオンになるにはポイントをしっかり取っていかないといかないんですが、取るためのすべがあまりない、というのが正直なところですね。ドライバーもチームも作戦も悪くないしミスもないのに、結果がついてこないというのは、なかなかツライですね。今回、52号車が同じようなタイミングでピットインしてきましたが、ピットで前に行けてもアウトラップで抜かれちゃうと、もう前に行けないんです。コース上で抜くのが本当に難しい。今回で、作戦を封じられると苦しいということが、明らかになってしまいましたね。
■片山右京スポーティングディレクター
今回のレースは結果から言うと、大失敗をしてしまいました。最初はスタートして順当で、早めのピットインで前に出るという作戦は、例年の仙台に比べると涼しかったから、堅めのタイヤでロングを行けたはずでした。実際途中までうまくいってたんですよ。上位陣はともかく、4位から後ろは団子状態だったから前に出れそうでしたしね。計算違いだったのは、52号車(OKINAWA SLS)もこっちのピットインに合わせてきて、戻った場所もちょっと悪くて前のクルマに引っかかっちゃって。結局、8位から上がれずにいたところにあの雨。冷静に考えれば、あの時点でタイヤ交換はまだ早かったかもしれないけど、もっと雨が降ってくればピットロードが混むし、針の穴に糸を素早く通すみたいな賭けだったんです。残念ながらピットアウトして2周くらいで僕たちの敗北が決定しました。今回はすべてが裏目に出てしまいました。しかし、現状ではそうせざるを得なかったのも事実なんですね。
■谷口信輝選手
片岡選手が8番手からスタートしたけど、かなり苦しい戦いで8位からなかなか上がれなかった。なので、当初の作戦どおりミニマム(短い周回数)でピットに入って前に出ようとしたけど、同じタイミングで52号車も入ってきて、ピットでは前に出たけどすぐに直線で抜き返されちゃって。前を走るライバルのブロックもかわせず、じり貧状態になっていました。そんなときに雨が降ってきたので、このまま完走するより起死回生の逆転を狙ってレインタイヤに交換したけど、読みが外れましたね。Z4は前に何もいなければ結構速く走れるんだけど、決勝レースだと加速力の乏しさがネックになっています。前のクルマを抜くことができない。まわりもそれを知ってるから、簡単にブロックできてしまう。現状のBOPでは非常に苦しいですね。
■片岡龍也選手
8位からスタートして、マシンの状態はそれなりに良くて、周りに対してもコーナリングパフォーマンスがあったんですが、加速力のなさでコーナーで追いつけても抜けない、前のコーナリングが遅いマシンに捕まっているときに後ろから追いつかれてストレートで抜かれてしまうという、これの繰り返しでした。ルーティンのピットで前に出ようと思っていましたが、結果的に前に出ることは叶わず、8位のまま。しかし、僕らが欲しいのは8位とか9位とかじゃないので、雨が降ったときにレインタイヤに賭けました。結果としてはずしてしまいましたが、賭けるべきだったと思います。これが上位にいればそんなことはしませんが、せめて表彰台に乗って帰りたいという想いからギャンブルに出たんです。失敗だったのかもしれないけど、勝つためにやるべきことをやったので、ミスではないと思っています。
