スーパーGTシリーズをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は、18日に行われた定例記者会見で、GT300クラスで活躍しているホンダCR-Z GT、トヨタ・プリウスGT等ハイブリッド車両の今後についての考え方を示した。

 スーパーGTでは、2012年シーズンからaprが市販のプリウスのハイブリッドシステムを搭載したトヨタ・プリウスGTを、ホンダが栃木研究所とザイテックが共同開発した“レーシングハイブリッド”と呼ばれるシステムを搭載したCR-Z GTを投入。今季はJAF-GT規定車両の性能調整もあり開幕から速さをみせ、今季は5戦中3戦でハイブリッド車が優勝している。

 市販車でも多くのハイブリッド車が街を走る時代で、レース界でもWECにハイブリッド車が登場。F1でもエネルギー回生システムが積極的に採用される中、スーパーGT300クラスでも猛威を振るうハイブリッド車。レース界では燃費を稼ぐ目的よりも、加速時のエクストラパワーとして活用する“スポーツハイブリッド”という使われ方が実践されている。

 そんなハイブリッド車だが、非ハイブリッドのJAF-GT車、FIA-GT3規定の車両が同じクラスで戦うGT300においては、非常に調整も難しく、多くの課題がある。このハイブリッド車の今後について坂東代表は、「ハイブリッドというのは新しいシステム、環境というものであり、スーパーGTでも大事に育てなければならないと思っている」と語った。

 ただ、現在参加しているプリウス、CR-Zでは出力や蓄電等、システムの中身も構成も違う。坂東代表は、今後スーパーGTにおけるハイブリッド車でも「もう少し細かくモーターの出力を吟味してやっていかないといけないと思っている」と来季に向けて、モーター出力等の調整をしていかなければならない必要性を示した。

「FIA-GT3、JAF-GTとの混走の中でともに戦わせる部分においては、性能調整の部分で出力等、システム違いのハイブリッドをきちんと精査した上で、ちゃんと混戦になるよう調整しなければならない」

 また、坂東代表はハイブリッド車については、独自の“ハイブリッドクラス”を導入するのもひとつの考え方ではないかとコメント。さらに、プライベーターが覇を競うGT300における車両という部分では、「現行ではプライベーターが触れるものではない。プリウスやCR-Zが誰でも手に入れられるようにするのがGT300としてもあるべき姿だと思っているので、この車両を欲しいとなった場合、きちんと相談に乗ってもらうような状況をもう少しメーカーと話をしなければならない」と、チームが容易に購入できる車両であって欲しいと語っている。

 来季からは、すでにホンダがGT500クラスに投入するNSXコンセプト-GTでレーシングハイブリッドの搭載が決まっている。GT500とGT300での出力調整で「考え方が違うのも良くない」と坂東代表。ハイブリッドという新たな時代のパワーユニットへの対応も、今後スーパーGTの中で積極的に論議がされていくことになりそうだ。

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