スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは2日、スーパーGTクラスII(GT300)の参加条件を変更、第5戦鈴鹿大会から適用すると発表した。

 通常、GT300クラスの参加条件変更は、各参加車両のエアリストリクターや車重等で変更されることが多いが、今回はこれまでにない形での参加条件変更が発表された。今季はここまでJAF-GT車両が優位に立っており、この変更でFIA-GT3規定車との均衡化を目指したものと考えられる。

 まず、FIA-GT3車両については、燃料タンク容量が変更された。これまでFIA-GT3車両の規則については、3月に発表されたブルテンNo.006により、(1)車両公認書記載の燃料タンク容量が110L未満の車両に搭載できる燃料の総量は100Lまで。(2)記載の燃料タンク容量が110L以上の車両に搭載できる燃料の総量は110Lまでとされていたのに対し、第5戦からは“車両公認書記載の容量”に変更された。

 FIA-GT3規定車両は車両公認書のとおりの燃料タンク容量の場合、上記規定から多い場合があり、この参加条件変更により多くの燃料を搭載して走ることができる可能性が出てきた。ただし燃料搭載量が多くなった場合、ラップタイムにも影響はある。

 また、JAF-GT車両についても規定が変更された。まず最低地上高が変更され、「空気圧160kPaのタイヤを取り付けた状態で車両のすべての外縁から測定し、少なくとも53mmの地上高が確保されなければならず、懸架されているあらゆる車両部分はこの高さより下側に位置してはならない」と規定された。

 これまでの車両規定では、最低地上高については同じ文面で『45mmの地上高』に規定されており、今回の変更で、JAF-GT車両は8mm最低地上高が引き上げられることとなった。最低地上高についてはダウンフォースや車両姿勢に関わる部分であり、「この車高は試したこともないくらい(JAF-GTチーム関係者)」という状況になる。

 さらにJAF-GT車両については、燃料補給装置に流量リストリクターの装着が義務づけられることになった。これまでJAF-GT車両はFIA-GT3規定車両に対し、タンク形状等の関係で燃料補給が早く、コース上の速さではJAF-GTとFIA-GT3が同じでも、ピットストップ時間で差がつくことがあったが、この処置によりJAF-GT車両の燃料補給が今までよりも時間がかかるようになると推測される。

 これまでFIA-GT3車両とJAF-GT規定車両の間では、純粋な速さについて多くの調整が試行錯誤されてきた一方、「給油についても考えて欲しい」というエントラントの声が多く聞かれていた。それに応えるような形になった今回の参加条件。第5戦ではどんな戦力バランスとなるのか、注目が集まるところだ。

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