2月12日に2016年の国内モータースポーツ体制を発表するホンダ。これまでスーパーGT500クラスのストーブリーグ情報をお届けしてきた中でも、他陣営に比べるとベールに包まれている感のあったホンダの体制だが、9日に鈴鹿サーキットでホンダ陣営のテストが行われ、ここへきてようやく大まかな陣容が見えてきた。

 まず、昨年シリーズ3位を獲得した100号車チームクニミツの山本尚貴/伊沢拓也、そして64号車ナカジマレーシングの中嶋大祐/ベルトラン・バケットというコンビは、これまでのウワサどおり、ラインアップ継続となりそうだ。

 一方、その他の3チームには動きがありそうだ。まずは17号車ケーヒンだが、塚越広大の新パートナーとして、小暮卓史が入る模様だ。9日のテストでも塚越とともに17号車をドライブしていたのが確認されている。シーズンオフは他チームのマシンに乗ってテストをするということも少なくはないが、体制発表の直前というところでマシンのスイッチというのは考えにくく、小暮移籍の可能性は大いに考えられそうだ。

 仮に塚越/小暮というコンビが誕生することになれば、ニッサン、レクサス陣営にとっても脅威になることは間違いない。実際、昨年のデータを見てみると、ホンダ勢の中で一番多く予選Q1を突破しているのは小暮(8戦中5回)。さらに塚越もQ1は4回突破。第3戦タイではQ1トップタイムも叩き出しており、上位グリッドからのスタートも見込めるほか、決勝でも強力なコンビとなりそう。100号車の山本/伊沢と合わせて、ホンダが誇るエース格2人のコンビが誕生するのか、注目が集まるところだ。

 一方、15号車ドラゴには小暮と入れ替わる形で武藤英紀が加入する模様だ。9日のテストでも、15号車をドライブしている武藤の姿が確認された。相方については、オリバー・ターベイ残留の可能性が濃厚だが、その他の候補もいる様子。12日の発表会で、どのような体制が明かされることになるか。

 8号車ARTAは、鈴鹿のテストでは松浦孝亮と野尻智紀がドライブしていたのが確認されており、昨年からラインアップ継続のようにも思える。しかし、GT500復帰を目指す金石年弘もこのテストで8号車をドライブしていたのではないかという不確定情報もあるほか、昨年までARTA CR-Z GTをドライブしていた小林崇志がシートを狙っているというウワサもあり、2月のタイミングになっても小林の名前が候補者として挙げられることが多い。ちなみに小林については、ウワサのレベルでは15号車に収まるのではないかという話も聞こえてきている状況だ。

 いずれにせよ12日の体制発表会でその陣容が明らかになるはずだが、ホンダ陣営は今年、ドライバーラインアップ以外にも変化を遂げる可能性が囁かれている。それは、昨年までマシンに搭載されていたハイブリッドシステムを下ろすのではないかというものだ。1月末のセパンテストでは、ハイブリッドを下ろした状態で走行を行ったとも言われており、ライバル陣営もその速さを警戒している様子が伝わってきている。

 しかしながら、NSXコンセプト-GTが重量増などに苦しみながらもこれまでミッドシップ+ハイブリッドというパッケージを採用していたのは、市販のNSXのレイアウトに合わせていたためという背景がある。つまり、ハイブリッドを下ろすことになれば、市販車のパッケージに準拠しているという“大義名分”を失うことにも繋がりかねない。劣勢からの挽回を狙い、ホンダがその“一線”を超える決断をしてくるのかどうかについても、ドライバーラインアップとともに大いに注目と言えるだろう。

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