インタープロトシリーズ(IPS)の第3戦/第4戦が9月26〜27日に富士スピードウェイで開催され、予選では石浦宏明(INGING MOTORSPORT)がポールポジションを獲得。しかし、決勝では逃げ切りを許されず、第3戦では平川亮(RSS広島トヨペットIPS)が逆転優勝。そして第4戦では、中山雄一(KeePer IPS-01)との激戦の末に、平川が連勝を果たすこととなった。

 セミ耐久の特別戦は挟んでいるものの、シリーズ戦としては実に4か月ぶりの開催となった、IPS。スーパーGT公式テストとの関係上、予選と決勝が日曜日のみの1デイイベントとなったプロフェッショナルクラスでは、石浦が初のポールポジションを獲得する。

「会心の走り? いや、このクルマに乗ってまだ2回目で、しかも今週、ドライのニュータイヤを予選で初めて履いたので、正直訳が分からないまま走ってトップでした。運も良かったですね」と正直に語った石浦。2番手は平川が獲得し、3番手タイムはロニー・クインタレッリ(ララ・パルーザ)が記録するも、ペナルティによりベストタイムが抹消され4番手。代わって黒澤琢弥(Pasarレーシングカー)が3番手につけた。予選はドライコンディションが保たれたが、決勝は小雨の中で行われることとなった。

 第3戦では、スタートをそつなく決めた石浦がオープニングの1周だけでほぼ1秒の差をつける。ただ、「予選は苦労しましたが、決勝に向けてはセッティング変更がうまくいきました」と語る平川が周を重ねるごとに接近。4周目にはテール・トゥ・ノーズ状態になり、1周はしのいだ石浦だったが、翌周の1コーナーで平川の逆転を許す。

 だが、石浦も負けてはいない。7周目の1コーナーで平川に迫ると、ここでの逆転はかなわなかったものの、クロスラインを通ってコカコーラ・コーナーで前に。しかし、平川も最終ラップの1コーナーで再びトップに浮上。スリップストリームを使い合った攻防戦が、そのままゴール間際まで続くことが期待されたが、コカコーラで石浦が痛恨のオーバーシュート。これが痛手となって、石浦は平川にコンマ1秒差で振り切られてしまう。3位は予選5番手から追い上げてきた中山が獲得した。

 第3戦をフィニッシュしたマシンは、そのままグリッドについて、すぐに第4戦のスタートを待つことになる。もはや流れは、完全に平川へと傾いていた。石浦はスタートでの逆転を許されなかったばかりか、背後には中山が迫ってくる。そして、今度は三つ巴でのトップ争いが繰り広げられた。中山は、4周目の1コーナーで石浦を抜いて2番手に浮上。逆に石浦は、5周目の100Rでスピンを喫し、5番手にまで順位を落とすことになった。そしてこの間に、トップに立っていたのは中山だ。IPSでは何度もトップを争い合っているだけに、平川の手の内も熟知。1コーナーでは、しっかりガードを固めていた。

 だが、最終ラップのダンロップコーナーでは「閉め足りなかった」と中山。ここで平川の逆転を許し、最後もコンマ1秒差にまで迫ったものの、あと一歩のところで前に出ることができず、平川に4連勝を果たされてしまう。

「チャンスがあれば、いつでも抜こうと思っていたんですが、そのチャンスがなくて。それでも第3戦はうまくいきましたが、第4戦はなかなか隙を見せてくれなかったんで、厳しい展開になってしまいました」と平川。一方、石浦は3位でのゴールを果たしたものの、「単なる引き立て役になっちゃいました」と苦笑いを見せた。

 混走のCCS-Rクラスでは、阪口良平(NTP RACING NN CCS-R)が連勝。第3戦では新田守男(NTP RACING PN CCS-R)を最後まで寄せつけることなく逃げ切ったが、第4戦については「途中雨が降って濡れたところがあったから抑えているうちに、新田さんに迫られて。でも、無理にさしてくることはないだろうと思っていたし、最後の方は乾いてきたから、再びペースを上げることができました」と阪口は振り返った。

 一方、ジェントルマンクラスでもYuke Taniguchi(Pasarレーシングカー)が連勝し、今季3勝目。第3戦は後続の激しいバトルを尻目に、早々と独走態勢に。第4戦ではスタートで畠中修(KeePer IPS-01)の先行を許したものの、4周目のコカコーラコーナーで抜き返した後は、徐々に差を広げていく展開となっていた。「第3戦は1周目のうちにもう差がついたので、楽な展開になりましたが、第4戦は完全にスタートを失敗。ちょっとフライング気味だったもので」とレースを振り返る。2戦ともに2位は畠中で、3位もFLYING RAT(INGING MOTORSPORT)が獲得した。

 そして、CCS-Rクラスでも卜部治久(P.MU RACING CCS-R)が連勝を飾るも、「第4戦は途中からペースを抑えたんですが、慣れないものだから落とし過ぎて。まだまだですね」と苦笑いする一幕も。2戦ともに2位は、前島研一(P.MU RACING CCS-R)が獲得している。

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