バーバー・モータースポーツパークで行われたIRLインディカー・シリーズのオープンテスト最終2日目は、ウィル・パワー(ベリゾン・チーム・ペンスキー)がトップタイムをマークし、初日のライアン・ブリスコー(ペンスキー)に続きペンスキー勢が2日連続でトップ。KVレーシングの佐藤琢磨は6番手につけた。
この日行われたプラクティス3では、多くのドライバーが自己のベストラップを刻んでくるなど全体を通してタイムはペースアップ。しかし初日1-2と好調な走りを見せたペンスキー勢の優位は変わらず、唯一の1分9秒台を叩きだしたパワーがチームメイトのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)を0.1360秒差で退けタイムシートのトップにつけた。ペンスキー勢はさらに初日トップのブリスコーも3番手につけ、テスト最終日のトップ3を独占、最高の形でシーズンの開幕を迎えることとなった。
初日ルーキー勢トップの7番手につけた琢磨はこの日も好調をキープ。4、5番手のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)、ジャスティン・ウイルソン(ドレイヤー&レインボールド)に続く6番手タイムとIRLの並みいる強豪たちと肩を並べる走りを見せた。タイムはトップと0.3346秒差の1分10秒2070で、全体でも2番目に多い71周を走破。15番手に沈んだチームメイトのE.J.ビソ(KVレーシング)を大きく引き離す結果となっている。
「今日の天候を考えればチームは良い一日を送ることができたと思います。今朝は非常に寒くて走ることはできませんでしたが、気温の回復とともにトラックに復帰することができました」と琢磨。「今日は異なるセットアップをいくつか試してマシンがどのような反応を見せるのかという点で多くの事を学ぶことができたと思うし、開幕戦ブラジルへの準備にもなりましたね。ただすべてが完璧という訳ではなく、満足もしていません。それでもマシンのフィーリングにはいいものを感じており、数週間後に迫ったレースには期待を持っているのも確かです」
ニューマン-ハース・ラニガンの武藤英紀は、前日の10番手からひとつポジションを上げて9番手につけた。
この日のテストは気温の低下により朝の走行開始が遅れ、実質的なスタートとなった午後のセッションもダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)のクラッシュにより1時間遅れでスタート。なおマシンにダメージを負ったフランキッティはわずか2周でテストを終えているが、ドライバーには怪我はなかった。