JMIA日本自動車レース工業会は28日、2015年のマーケット投入を目指し、FIAフォーミュラ4車両の開発を開始すると発表した。
FIAフォーミュラ4は、現在日本で開催されているF4とは異なるもので、FIA国際自動車連盟がF3を目指す15歳からの若手ドライバーのための下位カテゴリーとして、2014年からの導入を目指しているもの。F3並みの安全基準をもったカーボンモノコックシャシーに、140〜160馬力のエンジンを搭載しながらも、車両価格で540万円ほどという厳しいコストキャップが敷かれており、年間予算が1300万円ほどに制限されている。
また、FIAの計画では各国のASN(日本で言えばJAF)がシリーズを運営するか、ASNとプロモーターがシリーズを運営する形で世界各国でF4レースを開催する方向となっており、プロモーターごとにワンメイクレースが行われる形式。シャシーコンストラクターとしては、すでにミゲール、ダラーラなどが名乗りを上げはじめている。
日本では、スーパーGT第8戦ツインリンクもてぎの決勝日に開催されたGTA定例記者会見の場で、GTアソシエイションの坂東正明代表がGTAとしてFIAフォーミュラ4のプロモートを行う計画があることを明らかにしたが、今回、日本のモータースポーツ関連企業で構成されるJMIAが、2015年のマーケット投入を目標にFIAフォーミュラ4規定車両の開発を行うと明らかにした。
JMIAのホームページに記載されたニュースリリースでは、「コンストラクターとして参入してハードウェア面でシェアを獲得していきたいと考えていましたが、外国製車両を中心に展開してきた我が国のレース界の現状では、FIAの定める超低価格のコストキャップの実現や量産に対するインフラも不十分で、JMIAの体力では実現は難しいと決意しかねていたところ、思いがけぬ救いの手が差し伸べられることになり、これですべてが解決した訳ではありませんが、JMIA参画企業の士気は大いに高まり、本格的な開発をスタートさせた次第です」と開発開始の理由を述べている。
すでにJMIAではFIAへの参加申込を済ませており、シャシーは童夢、エンジンはトムス、ギヤボックスは戸田レーシングなど、JMIA参画企業がそれぞれの分野で協力し、FIA F4車両を開発することで日本のレース技術と産業の発展振興を促したいと考えているという。今後、GTAによるプロモートとJMIAによる車両開発がどうリンクしていくのか。続報を待ちたいところだ。