2012 SUPER GT Rd.7
SUPER GT in KYUSHU 300KM
「KeePer Kraft SC430 オートポリスの秋の空に翻弄され、完走するもノーポイント 」
2012 SUPER GT第7戦。
年に一度、九州へと上陸する「SUPER GT in KYUSHU 300KM」は、今年も大分県のオートポリスを舞台に開催された。開幕戦の岡山ラウンド以来、6ヶ月ぶりとなる西日本地域でのSUPER GTと言う事もあり、例年通り多くのファンが待ち受けるこのレース。後半戦に来て俄然上り調子の「KeePer Kraft SC430」は、今季2度目の表彰台を目指し、すっかり秋の深まった金曜日、1年振りのオートポリスへと到着。まずはフリー走行へ向けて準備を開始した。
前戦も予選3位と、正にその名前の通り、鈴鹿1000kmレースから続く好調さをKeepする「KeePer Kraft SC430」であるが、ここオートポリスに関してはアンドレア選手がGTマシンでは初めての走行となるなど、ルーキードライバー チームらしいハンデもあり、難しい戦いが予想される。
また、オートポリス自体も新たに路面が補修されという事で、トラックコンディションが昨年から大きく変わり、昨年までのデータが使えないなど・・・何かと不確定な要素が多い今回のレース。
更に迎えたレースウィーク・・・・今シーズン何度目の悪天候となるのか? 奄美・沖縄方面から台風が2つも接近しており、天気予報によるとこの台風の影響をもろに受け、荒れた展開が予想されるこの週末。
今回から全車(一部レギュレーションにより適応外もあり)ハンデウェイトも半分下ろせるという事で「KeePer Kraft SC430」も28kgへとダイエットに成功! 軽くなったマシンで今季2度目の表彰台を目指し、まずはQ1突破に焦点を定めセットアップを行った。
公式練習
9月29日(土) 9:00〜11:00
迎えた公式練習。沖縄方面から北上を続ける台風17号の影響で予想通りの悪天候。サーキットは時折激しく降ったり・・・再び霧雨になったり・・・と不安定な天候と濃霧の中迎えたフリー走行。まずは持ち込み状態でマシンバランスを確認する為、国本選手がコースイン。
国本にとっても500クラスのマシンでここオートポリスの雨を走るのは初めて、GTでここを走るのが初めてのアンドレ共々、ルーキードライバーコンビ故の不安は付きまとうが、まずは無難に周回を重ね、ある程度のバランスとなった所でアンドレアへと交代。アンドレアは経験(練習)の為もあり、ロングランを担当。燃料を入れたユーズドタイヤでどの位のタイムで走れるのか? 変わりやすい天候で飛び出す車両も多く、何度かの赤旗中断もある中、代わったアンドレアがすぐさまその才能の片鱗を見せ、ほぼトップクラスと同等のタイムで走行を続け、このサーキットが初めてとは思えない問題のない走り。どうやら・・・ここまでの好調さは無事に「Keep」しているようで・・・俄然予選に向け期待が高まる公式練習となった。
公式予選
14:15〜
迎えた公式予選。今回の予選もノックアウト方式。予選1回目は11番手以内へ入らなければ2回目へは進めない訳だが・・・今回そのQ1を担当するのは国本。午前の公式練習のフィーリングを元にアタックを行う国本はセッション開始早々にコースイン!
午前同様、オートポリスの空は正に秋の空といった気まぐれ加減で・・・・降ったりやんだり、そしてまた強く降ったりと目まぐるしい程の変化を見せる天候の中での走行、「KeePer Kraft SC430」はとにかく与えられた15分間を走り続け、ベストタイムを記録するという作戦。
1周走っている間にもコースの半分でコンディションが変わってしまうという難しい状況の中、国本はなんとかクリアラップを見つけようとするが・・・・・・
思うようにスペースが作れずタイヤに熱を入れられない状況。レインタイヤと言ってもやはり熱が入らなけれはグリップを得ることが出来ない事から何とか熱を入れようする国本。
しかしながら状況は無情であり、タイムを出そうと思うと局所的に雨が強くなったりと思うようにタイムアタックを出来ない国本。それでもなんとか誤魔化しアタックを行うがタイムは2分がやっとという状況の中、無情にもタイムアウト! 総合13位でまさかのQ1敗退となってしまい、結果、アンドレアは出番の無いまま決勝レースを迎える事になった。
フリー走行
9月30日(日) 9:20〜9:50
決勝日、心配された台風の直撃は無かったものの、オートポリスの空は朝から相変わらずの雨模様。土曜日と同じく時折激しく降ったり・・・霧雨になってみたりと不安定な天候ながらも午後には上がるかも知れないという予報。
決勝を想定してまずはアンドレアからコースインするが、開始9分程経った所でコースに霧が拡がり視界不良で赤旗中断。
暫く待機となるが結果セッションキャンセルとなり、改めて11時から30分間の走行がアナウンスされるが迎えた11時、相変わらずの霧がサーキットを包み、再びのキャンセル。残念ながらそのまま決勝を迎えるという流れとなった。
決勝レース(65Laps) 14:00 スタート
午後には上がると予報された雨は残念ながら上がることは無く、それでも午前に比べれば幾分落ち着いたか? と思わせる程の雨の中、定刻の決勝レーススタート時刻を迎えた「KeePer Kraft SC430」
13番グリッドから今回もスタートドライバーを務めるのはアンドレア。雨はお昼を過ぎた頃から小雨で安定しているが・・・・・止んだか? と思うと再び降り始めるという先の読めない天候。
全車グリッドへドライ用のタイヤ、浅ミゾのタイヤ、深ミゾのタイヤと3種類のタイヤを持込み、マシンをいじれるギリギリの時間まで空を見上げる展開。
「このあと・・・晴れるかも?」と思わせる薄日が時折差し、「これならドライで勝負を掛けるか?」という思いも一瞬過るが・・・・ライバルたちの動きを牽制しながらの精神戦が展開されるグリッド。
結果、全てのマシンの中で#36の1台だけが時間ギリギリでドライへチェンジという勝負を仕掛けるが・・・・「KeePer Kraft SC430」はレインをチョイス。レースはウェット宣言となり、朝のフリー走行も出来なかった事によりセーフティーカースタートとなった今回、2周に渡りSCが先導し、充分にタイヤに熱を入れた所でスタート!
全車クリーンスタートとなり、アンドレアも無事に1コーナーをクリア、落ち着いて前車をチェイスする展開となるが、スタートでスリックを選択した#36はペースが上がらず3周目これをバスして12位へポジションアップ。4周目、後方から来た#39の先行を許し13位となるが、7周目に#32がペナルティストップとなり再び12位、この頃になると300クラスの周回遅れの処理も始まりコースは渋滞となる中、11周目300クラスのマシンが激しくクラッシュ! これにより5周に渡りセーフティーカーが導入され迎えた16周目にレースはリスタート!
先ほどペナルティを受けた#32が後方からものすごいペースで迫り13位へとポジションを落とすが、その後アンドレアは19周目に12位、24周目に11位、25周目に9位と着実にポジションをアップ! またこの頃になるとルーティンのストップを行うマシンもあり、29周目7位、30周目6位、31周目5位まで順位を上げた所で33周目、「KeePer Kraft SC430」もルーティンのストップを迎えドライバーを国本へとチェンジ!
36周目、全車ルーティンが終わり、順位が落ち着いた所で国本の順位は12位。雨脚が少し弱まった事もあり、アンドレアのタイムを更新する走りで更なるポジションアップを狙う国本は38周目11位、40周目10位、42周目9位?とついにシングル圏内へとポジションアップ! トップと遜色ないラップタイムで前車に迫るが、43周目なんと目の前で300クラスがスビン!
避けた方向に不運にも300クラスのマシンが動いて来てしまい・・・接触! たまらず国本もスビンするが直ぐに再スタートをきりコースへ復帰。11位へと順位を落とすが再びベストラップを更新 する鬼神の走りを見せる国本は56周目#17を抜き10位へポジションアップ!
ところが60周を過ぎる頃からペースに陰りが見え始め、我慢の走りへと切り替えるが62周目、リアタイヤが完全に摩耗してしまい残り3周で苦渋のピットイン。リアタイヤのみ交換しコースへと復帰するが、結果13位でチェッカーを迎える事になった。
チーム監督 飯田 章
うーん、今回も天候に翻弄されてしまいましたね・・・・新人の2人にとってはとても難しいコンディションとなってしまいましたが、まだまだルーキーというか、勉強しなければいけない事が沢山あると思います。今回は残念ながらポイントを獲得する事が出来なかったですが、次のモテギではテストの好調そのまま・・・・なんとしても表彰台で有終の美を飾りたいと思います。
国本 雄資
今回のレースは天候が読みづらくて難しいレースとなりました。後ろからのスタートで追い上げをしなければいけないレースだったのですが、決勝は天候の影響でマシンバランスが合わず悔しい展開となりました。モテギまでには課題もはっきり見えましたのでみんなでミーティングを行い修正してモテギで頑張りたいと思います。 応援宜しくお願い致します。
Andrea Caldarelli (アンドレア・カルダレッリ)
一言で言うと・・・状況がコロコロと変わりとても難しいレースでした。まずスタート時は、路面とタイヤのマッチングが今一つで、コントロールに苦労しました。その後走行を続けていると徐々に改善され、トップと変わらぬタイムで走ることが出来、何台かをオーバーテイクする事も出来ましたが、最終的には良いリザルトを得る事は出来ませんでした。最終戦のモテギでは今年のベストレースが出来るように頑張ります。
