NASCARスプリントカップ・シリーズは30日、マーティンズビル・スピードウェイ(0.526マイルオーバル)で第6戦が開催され、カート・ブッシュ(シボレーSS)が2年半ぶりとなる優勝を飾った。
28日に行われた予選では、カートの弟、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が前戦での勝利に続いてポールポジションを獲得。また、前戦は目の不調を訴えて欠場となったデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)が2番手に続き、トヨタ・カムリ勢がフロントロウを独占する形となった。
30日に行われた500周の決勝レースでは、カートは22番手からスタート。ただ、レース序盤のピットストップの際、ピットレーンでブラッド・ケゼロウスキー(フォード・フュージョン)と接触。ケゼロウスキーはフロント部分に損傷を受け、修復のため30ラップダウンを喫することになってしまった。
このことが引き金となり、カートはレース中にケゼロウスキーから意図的にクルマを当てられるなどの報復行為を受けることに。マシンにダメージを負ったカートがチームラジオで「もうおしまいだ」と漏らす場面もあった。
ただ、前日の雨や当日の非常に低い気温も相まって、レースはコースレコードとなる33回もリードチェンジが起きる混戦に。カートもその中で着実に順位を上げていった。
上位では、500周のうち296周をリードしたジミー・ジョンソン(シボレーSS)がレース後半をコントロール。一方カートは、466周目の最後のリスタートで2番手に浮上し、数周後には首位を奪取する。
その後もカートとジョンソンは軽い接触も含むドッグファイトを披露し、一度はジョンソンがトップの座を奪い返す。ただ、最後はカートが首位に立つと、背後に迫るジョンソンを抑えこみ、トップでチェッカー。2011年のドーバー戦以来となるスプリントカップでの勝利を獲得した。
2位にはジョンソン、3位には今季開幕戦から好調をキープしているデイル・アーンハートJr(シボレーSS)と、シボレー勢が上位3位を独占。4位にジョーイ・ロガーノ(フォード・フュージョン)が入り、トヨタ・カムリ勢の最上位はマット・ケンゼスの6位となった。
一方、カートとの接触により30ラップダウンとなってしまったケゼロウスキーは38位。彼はレース後にカートへのさらなる報復もほのめかすなど、遺恨の残るレースともなってしまった。